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ホントは怖いリボ払い!? 気づいたときには借金地獄かもしれないにゃ!

【シナリオのスタイル】
柱、ト書きを省略したYouTubeアニメ動画用のシンプルなシナリオになります。
キャラクターの台詞のみで構成しています。

【注意事項】
著作権・著作者人格権ともに私、丹生壬月が所持しております。
内容物の無断複写・無断複製・無断転載・無断データ化、またはそれらに類似する行為を固く禁じます。

■シナリオ:
助手「はぁー、お昼ごはん食べた後は眠たいなあー」
助手「今日もどうせ暇だろうし……お昼寝、しちゃおうかなー」
マダム「ちょっと! 先生はいるざますか!」
助手「わわっ! いらっしゃいませ」
マダム「あなたが先生ざますか!? こちらにお金の悩みなら何でも解決できるすごい先生がいるって聞いたざます!」
助手「いえ、あたしはただの助手で……そんなに慌ててどうしたんですか?」
マダム「そりゃ慌てもしますわよ! 詐欺ざます! カード会社に騙されたざます!」
助手「え? 詐欺って……一体どうしたんですか!?」
マダム「どうしたもこうしたも……! 分割払いで買い物したのに、いつまで経っても返済が終わらないんざます! ぜったい変ざます! おかしいざます!」
助手「とりあえず落ちついて……」
マダム「落ち着いてなんていられないざます! 助手さん、早く先生を連れてきてくださいざますー!」
助手「うーん……仕方ないですね。先生を見ても、あまり驚かないでくださいね?」
マダム「いいから、とっとと連れてくるざますよ!」
助手「はいはい……それじゃあ、待っててください」

先生「どうも、こんにちはですにゃん」
助手「お待たせしましたー」
マダム「はへ? 猫……?」
先生「僕が先生ですにゃ」
マダム「猫が喋ったざます!」
助手「正しくは招き猫、ですね。とってもご利益があるんですよ」
マダム「ま、まあ……いいざます……そんなことよりも、聞いてくださいましー!」
先生「まあまあ、まずは一度ゆっくり深呼吸してくださいにゃ」
マダム「深呼吸?」
先生「そうそう、はい一緒にー」
三人一緒に「ヒッヒッフー、ヒッヒッフー……」
助手「落ち着きました?」
マダム「……少し取り乱していたようですわ。恥ずかしいざます」
先生「いえいえ、構いませんにゃ」
助手「まずは自己紹介をお願いします」
マダム「そういえば名乗っておりませんでしたわね。わたしの名前はマダムざます」
先生「マダムさん、それで何があったんですかにゃ?」
マダム「実は……先日行きつけのデパートに行ったときに、ずっと気になっていたブランドのバッグを偶然見つけたんざます。これなんですけれど……」
助手「わあー、これめちゃめちゃ高級なブランドじゃないですか!?」
先生「なかなかにオシャレですにゃ」
マダム「ですけど、手持ちのお金が少しだけ足りなかったから、一度は買うのを我慢しようと思ったざます。そんなときにちょうど声をかけられたんざます」
先生「誰にですかにゃ?」
マダム「クレジットカード会社の社員の方、ざます」
助手「ああ、よくデパートのフロアで、カード作りませんかってやってるやつですね」
マダム「その方が言うには……十万円のバッグを買っても月一万円ずつ無理なく払っていけばいい、ということでしたわ。いくら買い物しても毎月の支払額が一定になるお得な支払い方法があるって教えてくれたんざます」
助手「それってリボのことじゃ……」
マダム「ウリボウじゃないざます! 欧米ではこういった支払い方が当たり前で、毎月の返済額が決まってるから家計管理がしやすい、払えるときには繰越払いだってできるから安心だ、と熱心に勧められたざますよ」
先生「おやおや、すっかりカード会社の話に乗せられちゃったんですにゃ」
マダム「しかも今ならポイントが五倍になるって言われて……それが決め手になって、その場でカードを契約したざます」
助手「それだけ聞くと確かにお得ですね」
マダム「それで、後日そのカードを使ってバッグを買ったんざます。けれど……」
先生「にゃにゃ?」
マダム「言われた通り、きちんと十回分割で一万円ずつ支払ったのに……またカード会社から請求書が届いたんですの! 支払いが終わらないなんておかしいざましょ!?」
先生「なるほど。だから騙されたと思ったんですのにゃ?」
マダム「そうざます! きっと詐欺ざます!」
助手「それって手数料の支払い分があるからじゃないですか?」
マダム「えっ? 手数料? そういえばそんなことを言っていたような……」
先生「マダムさんのカードの支払い方は分割払いじゃないのにゃ。そういう支払い方をリボ払いというんだにゃ」
マダム「はあ……リボ払い、ざますか?」
先生「リボ払いには一般的に15%の手数料がかかるにゃ。けど、手数料とかいっても結局は金利のことなんですにゃ。実際は借金してるのと何ら変わらないんですのにゃ」
マダム「ええ!? わたしは買い物をしただけざますよ!」
助手「手数料って言い方が何だかずるいですよね。借金してるって気づきにくいですし」
先生「そうにゃ。それに金利15%って、下手すれば消費者金融よりも高い金利ですにゃ」
マダム「そんな高い金利を払っていたなんてショックざます……」
先生「助手、詳しく説明してあげるのにゃ」
助手「わかりましたー。リボ払いの仕組みを詳しくお話するとですね……こうなります」
助手「金利15%で10万円を借りて、毎月一万円ずつ支払っていくと返済額の内訳はこうですね。一万円のうち利息部分は1,250円で、残り8,750円が元金の返済へ充てられます。利息の支払いのため、返済総額は10万円を超えますから、支払期間は11ヶ月になって、利息の合計は約7,500円ですね」
マダム「なるほど……だからまた請求書が届いたざますね」
先生「そういうことですにゃ」
マダム「借金と聞いて驚きましたし、知らない間に利息を払わされて悔しいですけれど……このくらいの利息なら問題なく払えるざます。騙されていたわけじゃないとわかって安心したざます。気分もスッキリしたことざますし、またデパートに行って買い物してくるざます。それではごめんあそばせー」
助手「ちょっとマダムさん……」

先生「ふんにゃああああぁぁぁぁぁん! そのくらいなら払えるにゃって!? 甘いにゃ! 小布施の栗きんとんよりももっと甘いにゃ! そう思ったときにはすでにカード会社の罠にはまってるんだにゃー!」
マダム「で、でも……バッグ以外にも欲しいものが一杯あるざます」
助手「毎月の支払額が変わらないからって、ついつい使い過ぎちゃう……それがリボ払いの怖いところなんです」
先生「そ……そう……だにゃ」
助手「それくらいなら払えると思って、それを続けていたらどうなると思います?」
マダム「それは……」
助手「もし50万円を借りたとすると、一万円支払っても、なんと利息だけで6,250円も支払うことになるんですよ」
マダム「え? そんなに!? 元金が全然減らないざます!」
先生「が、元金の返済は……3,750円だけにゃ。こうやって気づいたときには借金地獄なんだにゃ。リボ払いを使っていると延々に利息ばかり払い続けることになるんですにゃ」
マダム「それは恐ろしいざます」
助手「この場合の返済期間は六年七ヶ月です」
マダム「六年七ヶ月!?」
助手「利息の総額は約29万円ですね」
マダム「29万円!?」
先生「しかも元金は50万円にゃので、返済総額は79万円にもなるんですにゃ」
マダム「……な、七十……」
助手「それでもまだリボ払い、使いたいですか?」
マダム「そんなにリボ払いって怖いものだったんざますね……ぜんぜんわかってなかったざます」
先生「そもそも買えないものは我慢するのが当然だにゃ、それでもどうしても必要なものは計画的に分割払いするべきですにゃ」
マダム「……わかったざます。これからは先生の言う通りにするざます。リボ払いなんてもう二度と使わないざますよ!」

助手「先生ー、この栗きんとん美味しいですねー」
先生「そうだにゃー」
マダム「ごめんあそばせー」
助手「あれ? マダムさん、どうしたんですか?」
先生「新しいブランドバッグですにゃ?」
マダム「そうそうー、わかります?」
助手「またリボ払い使ったんですか?」
先生「早く解約したほうがいいですにゃ」
マダム「あらやだあ、先生の教えの通りにカードは解約したざますよー」
助手「じゃあ、そのバッグのお金は?」
マダム「それがざますね……カードをシュレッダーにかけようと思って旦那の書斎に行ったんざますよ。それでですね……」
先生「にゃ?」
マダム「机と壁の隙間にこっそり隠してあった旦那のへそくりを見つけたんざます! そのお金で旦那には秘密で買っちゃたざますー」
助手「旦那さん……可哀想に」
マダム「やっぱり先生はご利益があるざますねー! ありがたや~ありがたや~」
助手「マダムさん、相変わらずですね」
先生「抜け目ないのにゃん」

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