見出し画像

【シナリオのスタイル】
 柱やト書きの記述を省略したYouTubeなどのLINE風動画用シナリオになります。 キャラクターの台詞とキャラクターのモノローグで構成されていますが、ご要望があれば、映像化を目的としたシーンの情景描写や、キャラクターの動作指示についての記述を追加で表現することも可能です。

 【注意事項】
 著作権・著作者人格権ともに私、丹生壬月が所持しております。 内容物の無断複写・無断複製・無断転載・無断データ化、またはそれらに類似する行為を固く禁じます。

【タイトル】
いつまで経っても娘の迎えにやって来ないギャルママに連絡すると、「そっち着くのは一時間後だから、娘のことお願いね!」という回答。あまりにも腹立たしいので、彼女に真実を教えてあげましたwww

【登場人物】
・マミ
主人公。
専業主婦で、サラリーマンの旦那との間に幼稚園に通う一人娘がいる。
普段は穏やかで丁寧な物言いだが、本当は怒るととても怖い。

・チヒロ
マミのママ友。
マミと同じマンションに住んでいるため、何かと接する機会が多い。
独身時代の格好や遊びが止められないギャルママ。自分のことが大好きでだらしない性格。

・メイ
マミの娘。幼稚園児。
歌うことが大好きで合唱クラブの習い事をしている。
明るく元気な性格。

・ユイナ
チヒロの娘。幼稚園児。
メイのことが大好きで、とっても仲良し。
メイに誘われて合唱クラブの習い事を最近始めた。
臆病で人見知りな性格。

【ストーリー】
○導入・冒頭シーン
マミ「皆さんはじめまして。私はマミ。商社に勤める優しい夫と、幼稚園に通っている元気な一人娘と一緒に暮らす、専業主婦です。
 娘のメイは歌うことが大好きで、お友達のユイナちゃんと一緒に合唱クラブの習い事をしています。二人はとっても仲良しで、見ていてとても微笑ましいんですが、ユイナちゃんのお母さんは困った人で、いわゆるママ友である私はいつも振り回されてばかり。
 彼女は見た目も派手なギャルママで、時間にはとってもルーズな人なんです。
 今日は、先日あった彼女に関するとある事件について、お話したいと思います。

○ライン画面
マミ「チヒロさん、今どこにいるの?」
チヒロ「マミっちじゃん、どしたの?」
マミ「どしたの? って……」
マミ「もうとっくに習い事は終わりの時間だよ?」
マミ「ユイナちゃんのお迎えは?」
チヒロ「あっ、ごめんごめん」
チヒロ「ちょっと忘れてたわー」
マミ「そんな! 忘れてたって!」
マミ「ユイナちゃん、さっきからずっと待ってるんだよ?」
チヒロ「マミっちさ、うちの子も一緒に連れて帰ってよー」
チヒロ「どうせ同じマンションなんだからいいっしょ?w」
マミ「無理だよ!」
マミ「そんなことできるわけないじゃない」
チヒロ「は? なんで?」
チヒロ「できるっしょ?」
マミ「ご家族じゃないと送り迎えできないルールになってるんだよ」
マミ「チヒロさん、知らないの?」
チヒロ「はぁ? そんなん知らんし」
チヒロ「うわぁ……まじめんどい」
マミ「知らないって……」
マミ「習い事を始めるときに教わったはずだよ?」
チヒロ「習い事始めるの許したの、あたしの旦那だし」
チヒロ「だからあたし、それ聞いてない」
マミ「いや、それはご夫婦の間で確認しておいてよ」
チヒロ「てかさ、習い事始めたいって言い出したのもユイナからだし」
チヒロ「マミっちんとこの子が、一緒に習い事したいって言い出したからでしょ?」
チヒロ「ほんと、いい迷惑だよ……」
マミ「私にそんなこと言われても……」
チヒロ「だから迷惑かけた代わりにさ、ユイナのことお願い! ねっ!」
マミ「だから私じゃ無理なんだって」
チヒロ「いい子ちゃんのマミっちなら大丈夫っしょ! ほら、やる前から諦めんなし!w」
マミ「無理なことは無理です」
チヒロ「はあー、これだからオバサン連中が決めたルールってめんどいんだよね」
チヒロ「ギャルなあたしにはわかんないわww」
マミ「チヒロさんがギャルとか関係ないから」
マミ「そんなことどうでもいいから、早く迎えに来て」
チヒロ「あっ、ごめーん! マミっちもオバサンだからギャルの気持ちはわかんないよねww」
マミ「もうオバサンでも何でもいいよ……いつ迎えに来れるの?」
マミ「今はメイと一緒に遊んでるけど、さすがにユイナちゃんが可哀想だよ」
チヒロ「あー」
チヒロ「それ、ちょっと無理なんだわw」
マミ「えっ? 無理ってどうして?」
マミ「家からなら、十分もあれば着くでしょ?」
チヒロ「それが、家にはいないっていうかw」
マミ「どういうこと?」
チヒロ「今、渋谷にいるんだわw ツレもいるしw」
マミ「渋谷?」
チヒロ「そうそう」
チヒロ「だから、そっち着くのは早くても一時間後くらいな?ww」
マミ「えっ! ちょっと何言ってるの?」
マミ「意味がわからないんだけど!」
チヒロ「だから早くて一時間後だからw」
チヒロ「それまでユイナの面倒お願いね! マミっちwww」
マミ「えっ! ほんとに言ってる意味がわかんないんだけど」
マミ「一時間も待ってるなんて無理だよ?」
チヒロ「ちょっと今からラインできないから、よろしくね! マミっち」
マミ「ちょっと! チヒロさん!」
チヒロ「ママが迎えに行くから待っててねって、娘に伝えといてw」
マミ「待ってよ!」

○マミのモノローグ
マミ「この後ほんとうにチヒロさんとは連絡が取れなくなってしまいました。彼女の娘のユイナちゃんは、少し人見知りなところもあるけれどとっても優しい素敵な子。それなのに、そのお母さんはどうしてこんななのやら……。
 自分の迎えが来ないのを悲しそうに待っているユイナちゃん。その様子があまりにも不憫でとても放っておくことはできません。
 それに、チヒロさんが言うように、一時間も待っていたのでは習い事の先生方にもご迷惑がかかってしまいます。
 なので私は、全く当てにならないチヒロさんのことはひとまず無視して、他の方法を試してみることにしたのです。

○ライン画面
チヒロ「ちょっとマミっち」
マミ「なんですか?」
チヒロ「なんですかじゃないよ! 今、習い事先に着いたけど真っ暗じゃん!」
チヒロ「どこにいるの?」
マミ「どこって……」
マミ「家ですけど」
チヒロ「はぁ? 親じゃないと子供の迎えができないって言ってたじゃん!」
チヒロ「あたし、今から行くから待っててって言ったよね?」
マミ「言ったよねって……」
マミ「常識的に考えて、一時間も待ってるわけないじゃないですか」
マミ「私、無理だって言いましたよね?」
チヒロ「はぁ? そんなん知らんし!」
チヒロ「ていうか、ユイナはどうしたのよ!」
マミ「ちゃんと今ごろはお家にいると思いますよ」
マミ「さっき一緒に帰ってきましたから」
チヒロ「は? 何どういうこと?」
チヒロ「親じゃないと迎えができないって言うから、わざわざ途中で抜け出して来たのに」
マミ「知りませんよ、そんなこと」
マミ「それより本当に迎えに来るのが一時間後って……」
マミ「信じられない」
チヒロ「信じられないのはあたしだし!」
チヒロ「ちょっとまじで、どう責任取ってくれるわけ?」

○マミのモノローグ
マミ「やっとチヒロさんから連絡が来たと思ったら、本当に一時間後。しかも迎えを忘れていた自分のことは棚に上げて、勝手な主張ばかり。これまでも散々彼女には振り回されてきた私ですが、さすがにもうウンザリです。
 なので親切な私は、彼女に事の真相を教えてあげることにしました。

マミ「責任って……」
マミ「合コンが上手くいかなった責任かな?」
チヒロ「は? ちょっ、合コンってなんのこと?w」
マミ「チヒロさんのご主人がさっき教えてくれたよ」
マミ「いつも合コンで男漁りしてるんでしょ?」
チヒロ「旦那が?」
チヒロ「え? まじで一体どういうこと?」
マミ「チヒロさんがお迎えに来れないっていうから」
マミ「ユイナちゃんの携帯電話から、お父さんに電話してもらったの」
チヒロ「は? 何勝手なことしてんの!?」
マミ「いや、だって私言ったよね?」
マミ「ご家族じゃないと送り迎えできないって」
マミ「ユイナちゃん、寂しそうにずっと待ってるって」
チヒロ「だからって」
チヒロ「あたしの旦那だって仕事があって無理っしょ」
マミ「ご主人、ユイナちゃんが電話したらすぐに駆けつけてくれたよ」
マミ「それでさっき一緒に帰ってきたところ」
チヒロ「は?」
マミ「駅から走ってきたみたいで、汗だくだった」
マミ「仕事で疲れてるはずなのに」
マミ「お母さんは合コンを楽しんでたのにねw」
チヒロ「だから合コンじゃないって!」
チヒロ「ちょっと友達と遊んでただけ!」
マミ「ほんとかな?」
マミ「ご主人すっごく怒ってたよ」
マミ「遊び歩いてるのって今日だけじゃないんでしょ?」
チヒロ「マミっち、まじでさっきから何言ってんの?」
チヒロ「なんかチョーシのってない?」
マミ「調子に乗ってるのはチヒロさんのほうじゃないかな?」
マミ「子供を放っておいて、合コンなんて」
チヒロ「だから、合コンじゃないって言ってるじゃん!」
マミ「さっきご主人から聞いたよ?」
マミ「合コン以外にも、いろいろと遊んでるみたいだね」
チヒロ「まじさ、一体何なの?」
マミ「ご主人、ずっと前から気づいてたらしいよ」
マミ「探偵を使って浮気調査してたみたい」
チヒロ「は? 浮気調査? 何それウケるww」
マミ「ユイナちゃんのために、ご主人も我慢してたみたいだけど」
マミ「今日のことでもう、我慢の限界なんだってw」
チヒロ「冗談でしょ……?」
マミ「もう二度と家には入れないって、ご主人言ってたよ」
チヒロ「いやいやwww」
チヒロ「意味がわかんないんだけど」
マミ「私もね」
マミ「ずっとチヒロさんが言ってることが、意味わからなかったよww」
チヒロ「マミっち、ぜんぜん面白くないよ?」
チヒロ「あの旦那がよ? あんな真面目だけが取り柄なやつがそんなこと、できるわけないじゃんwww」
マミ「それはチヒロさんが、ご主人のことを知らないだけなんじゃない?」
チヒロ「マミっち、まじで旦那に何とか言ってよ!」
チヒロ「あたしたち、友達じゃん?w」
マミ「私はチヒロさんのことを友達だなんて思ったこと、一度もないですよw」
チヒロ「そんなこと言わずにさ! おんなじマンションのよしみじゃん!」
マミ「マンションのゴミ当番を無理やり押しつけてきたり、幼稚園の保護者会では尻拭いをさせられたり……」
マミ「私、これまでさんざん、チヒロさんには迷惑かけられたよね?」
チヒロ「ごめんって! 謝るから!」
チヒロ「まじでどうにかしてよ」
マミ「でも、チヒロさんが困ってるのって自業自得だし」
チヒロ「いや、ホント困るから!」
マミ「私は、ちっとも困らないですよ?ww」
チヒロ「あたし、働いてないの」
チヒロ「ていうか、働いたことないんだよ!」
チヒロ「まじで、家を追い出されたら生きていけないじゃん!」
マミ「まあ、あの長い付け爪じゃ、仕事できないよね」
マミ「それに仕事しても無断欠勤して、すぐにクビになりそうだし」
チヒロ「お願い! 助けてよ!」
マミ「い、や、です」
マミ「全部、これまで勝手してきたチヒロさんが悪いんだから」
チヒロ「そんな意地悪言わないでよーww」
マミ「今日のことだってそう」
マミ「私にご主人との仲裁をお願いする前に、一秒でも早く家に帰って、ユイナちゃんに謝るのが先じゃないの?」
マミ「ほんとチヒロさんって、いい性格してるよねww」
マミ「私にご主人を説得するとかできないから」
チヒロ「お願い! マミっち」
チヒロ「まじで困るって!」
マミ「少しは困ってみればいいよ」
チヒロ「あたしは自由に生きたいの!」
チヒロ「まじで働くとか勘弁っていうかw」
マミ「よかったね」
マミ「ご主人と離婚したら、晴れて自由の身だよwww」
チヒロ「そういう意味じゃないし!」
マミ「とりあえずさ、急いで家に帰ってご主人に謝るくらいのことしたら?」
マミ「まあ、直接話しができれば、だけどねw」
マミ「今、ご主人、チヒロさんの私物を玄関の外に放り捨ててるみたいだよ?」
チヒロ「はあ!?」
マミ「まあ、もう無理だろうねw」
マミ「ご愁傷さま」
チヒロ「まじ待って! 今すぐ帰るから!」

○マミのモノローグ・結末
マミ「それからしばらくして――
 息を切らせたチヒロさんが自宅へと帰ってきました。余程急いでいたんでしょう、合コンのためにバッチリきめたメイクもヘアースタイルもグチャグチャに乱れていました。
 何とかご主人を説得しようとしたようですが、以前から我慢し続けてきたご主人を、今更チヒロさんが少し謝った程度ではどうにかできるはずもなく。
 その後、ご主人とは早々に離婚。チヒロさんは、慰謝料三百万円をご主人に請求されたそうです。
 今では、ご主人とユイナちゃんは二人で協力しながら仲良く暮らしています。
 そうそう、結局チヒロさんはこれまで遊んでいた男性には見向きもされず、結局実家に戻ったそうです。慰謝料を支払うために仕事に就こうとしたようですが、遊び回ってろくな仕事をしたことがない彼女は、どこからも雇ってもらうことはできず、今は安い給金でデリヘル嬢をしているとか。
 男漁りが大好きな彼女には天職ともいえる仕事かもしれないですが、何事にもルーズな彼女は、とっくにその仕事もクビになっているかもしれませんね……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?