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響け!ユーフォニアム3 13話 最終回を勝手に深読みして「一年の詩 ~吹奏楽のための」を聴く

響け!ユーフォニアム3 13話に関しての視聴前提の文章です。ネタバレなど気にせずに記載します。筆者自身はアニメ版のみ視聴し、原作は未読です。あくまで個人の感想であり、内容に関しては誤っていることを記載している可能性があります。
また、京アニ事件を絡めて記載しますのでご注意ください。

いや〜とりあえずユーフォはやっぱり最高ですね。素晴らしい最終回でした。12話の辛い気持ちがこうも爽やかな終わりで迎えられるのは本当に良かったです。フルで流れた「一年の詩」、最高ですね。

それで、色々Twitterを見ていたら以下のツイートを見かけました。

このツイートは比喩表現ではなく、客席の中に確かに京アニ関係者によく似ている方々がいらっしゃったんです。説明してくれた記事があるのでこちらも引用

『響け!ユーフォニアム』 最終話、京アニファン涙の理由ーー観客席にいた今は亡きアニメーターの存在? 
https://realsound.jp/book/2024/07/post-1709843.html 
@realsound_bより 

記事や他の方のツイートの中であまり触れられていなかったのですが、結果発表で部員が喜んでいるカットの2列目真ん中あたりの眉毛太めの横を向いている男性はらきすたやメイドラゴンの監督の武本さんかなぁと勝手に思っています。

アニメのユーフォを件の事件と絡めてなにかを言うことに関してやや引っかかる気持ちというか、いちいちつなげるのも野暮なのかなという気持ちがあったんですが、ツイートや記事などを見て、やっぱり語ってもいいのだろうと思いこの文章をつらつらと書いています。ある種の考察のような文章になっていて非常に野暮に感じられるかもしれないですがご了承ください。

さて、13話本編を見たときは結構素直に「よかった…ありがとうユーフォ…」と細かい話を抜きに普通に?感動していました。

13話の一番の見どころは何と言っても6分近くのフルで流れた「一年の詩 ~吹奏楽のための」だと思います。演奏中にインサートされた数々の回想シーンはこれまで9年間の「響け!ユーフォニアム」の集大成で、これまで積み上げてきた、つなげてきたもの、サブタイトルの「つながるメロディ」をまさしく表していたとおもいます。やっぱり件の事件があったこともあり、はなむけの意味合いもあって回想シーンを入れたかったんだろうなと感じました。

日曜日にリアタイで最終回を視聴し、その後、いろいろTwitterを見たりしていました。その流れで先述の黒沢ともよさんのツイートを見かけたりして、やっぱりいろいろな思いが込められた最終回だったんだなぁと思いにふけっておりました。
放送直後に「一年の詩」の配信が始まっていたのは知っていたのですが、なにかとタイミングを逃してダウンロードできたのは火曜日の夜、本格的に聴きこんでいたのは水曜日からでした。ただひたすらに1曲リピートでいいなぁ、最高だなぁ、と聴いていたときにふと、トランペットとユーフォニアムのソリパートの柔らかい響きに鎮魂の意味合いもあるんだろうな、と思いました。そう思ってから聴くソリパートに何かどんどん深く感じるものが湧き上がってきてました。これは何だろうと考えました。


13話があの事件のスタッフへのはなむけの意味合いが含まれているとして、「一年の詩」のトランペットとユーフォニアムのソリパートを次のように考えられると思いました。

・麗奈のトランペット=以前から京都アニメーションを支えているスタッフの方々
・真由のユーフォニアム=新しく参加しているスタッフの方々

こう捉えるともう一つ浮かびあがるものがあって、

・吹きたかったけど吹けなかった久美子の想い=……?

ここを文字で起こすと本当にさもしいものになってしまうので書きません。ただおわかりいただけると思います。
このように解釈して「一年の詩」のトランペットとユーフォニアムのソリパート聴いてほしいんです。先行する力強く凛々しいトランペットに優しく柔らかく加わるユーフォニアムの音。そしてそれぞれがお互いに支えあうように絡み合うシンフォニー。
その周りに何か想いのようなものが確かにあることを感じられる、感じてしまったのです。

このような解釈は全く個人の勝手なものです。作曲の方や他の制作者の方々がどのような思いがあったかはわかりません。ただ言えるのはこのような読み方をして聴く「一年の詩」は、単に素晴らしい曲、ということを超えた本当に深く心が震えるほどに響く特別な曲になると思います。
特にあの事件の関係者の方々は元より、全くの部外者でありながらあの事件にただひたすらに心を痛めて、痛めるしかなく、できることはただ祈ることしかなかったというような人でしたら、この鳴らない想いの存在を感じるのではないでしょうか。
少なくとも私自身は「一年の詩」が本当に特別な曲になりました。

あらためて原作を改変してまで黒江真由という新しいキャラクターに大事なソリパートを演奏させた意味がでてくると思います。あの事件を経て、黄前久美子のような本当に大事な人に吹いてほしくてもできなかった。変わりたくなくとも変わらざるを得なかった。
でもね、13話を見たなら分かると思うんですが、「一年の詩」最高じゃないですか。文句をつけられないじゃないですか。
人が変わろうとも全国金賞を目指すことを変えなかった北宇治吹奏楽部のように、人が変わろうとも素晴らしい作品を作るという精神を変えないという京都アニメーションの決意表明だったのではないでしょうか。今回の「響け!ユーフォニアム3」でまさしくその決意が具現化されたと思います。

さらに13話で印象的だった部員全員紹介カット。91人の全員の名前を出し、それぞれどのような思いでコンクールを迎えているのか1人1人しっかりと描きあげていました。「91」という数字ではなく、1人1人にちゃんと名前と性格、それぞれの人生があるんです。3期は「みんな」ということが強調されていたように思いますが、まさしく「みんな」でユーフォニアムの最終回まで作り上げたんだと思います。
この「みんな」で作り上げるユーフォニアムのためにも、コンクールでの回想シーンは絶対に外せなかった。どんな「神作画」のカットよりも大事なカットだったのだと思います。

と、ここまで件の事件と絡めていろいろ書いていますが、正直いちいち絡めてるのも野暮だなぁという気持ちもあるんですよ。こんな裏読みせずにアニメを見ていいと思うんです。
ただ今回の13話の本当にスゴイと思うところがまさにここで、特に今回のような深読みをせずに素直に見ると非常に軽やかで爽やかな13話だと思うんです。12話でひたすらえぐってきたのを反発するようににコンクール始まる前の多くのキャラ描写、前日の合宿シーンの掛け声とか、スキンシップトレーニング、みどりちゃんと求君の会話、ただ羅列するだけになっているのですが、本番前の盛り上げ方のファンサがスゴク盛られているように思いました。あと部員全員紹介シーンがなんど見てもいいんすよ。BGMのリズムに合わせた切り替えが本当にいい…力強くそして静かにテンションのあがる構成になっているんです。本当にスゴイ…

ぐだぐだと書き連ねてまとまりがなくなってきましたが、改めて「一年の詩 ~吹奏楽のための」最高なので聴きましょう!
各種サブスクで配信されているようですが、自分はiTunesのシングルで買いました。
お値段255円!10回聴けば1回約25円!100回聴けば1回約2円!お安い!

以下、余談として13話で思ったこと。

・優子先輩と夏希先輩が遅刻していて会場外から祈るというシーンはなんだろう?と思ったけど、恐らくあの場所にいられなかった人も外から祈っているという意味なんだろうと思いました。
・金賞をとった後の久美子の「やったよ!みんな!」というセリフも「みんな」に届けるためにどうしても黒沢ともよさんに読み上げて欲しかったんだろうなぁと思いました。部員全員に寄るのではなく会場の客席を映しているのも本当に多くの「みんな」を指しているのだろうと思います。

・結果発表のあとの部員全員が喜ぶカット(ちかおがちえりに喜んで抱きつくカット)、絵がとてもメイドラゴン味がするので恐らく作監が門脇さん…?作画に関しては素人なので作画賢人が現れてほしい…

・配信だとエンドカード流れないのね…

京都アニメーションの次作に関してもなんらかの動きがあるみたいで楽しみです!


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