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私とヤモリを助けてくれた人。

花を差し出す手に、花の香りは残る
って言いますよね。

たくさん差し出したいものだと
日々思って生きています。

noteでは記事やコメントを通じて
花を差し出してくださる方がたくさん。

そんな方の書く記事は、
まるで花の香りが漂っているようです。

りんご探偵さんのコチラの記事を拝見して、
やはり花の香りを楽しみながら
はたと膝を打ちました。

実は先日、思い当たることがありまして。
見知らぬ方から優しさをもらったんです。



朝の通勤電車。
間隔を空けて座れるほどの感じ。
私は立っていました。

すると、すぐ近くに座る男性が
私に手招きするんですね。無言で。

スーツにサングラス。50代でしょうか。
大きな身体で毛髪ゼロの風貌、妙な貫禄。

あまり好んで近付きたいとは思えない、
そんな第一印象です。

なにかしら。
手招きの理由を高速で洗い出します。

きっと手荷物が男性にぶつかったのだ。
このバックか、手にかけている日傘だろうか。
いちゃもんつけられる展開か。

いや、私のことだから何か落としたのか?

いや、もしかして席を譲ってくれようとしてる?

その間3秒程度でしょうか、
脳が猛スピードで稼働していたその矢先、

突然、男性の手招きがグン!!
と大きく下を向きました。

つられて下を見て、ギャッと飛びのく私。

同時に、私の足元から1匹のヤモリが、
ドアの方へタタタタ逃げていきました。

揺れる車内、危うく踏み潰すところでした。

私はもちろん踏みたくなかったし、
ヤモリだって踏まれたくなかった。
男性の指摘で、両者が救われました。

利害関係のない他人を気遣い、
手助けの行動をとる。
勇気のいることです。

私はありったけの感謝を伝えました。

男性は表情を変えず、無言のまま
次の駅で降りて行きました。

差し出してくれた花には、
語らずとも優しさが溢れていました。

男性の手に、良い香りが続きますように。

しかしヤモリよ。
一体どこから来て、何をしていたのかな?

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