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ここ数年で自分が手伝ってきた同人誌のまとめ

 女性向け同人界隈でバリバリ活動されている方と比べれば全然なのですが、自分が今までどういった同人誌に関わってきたのかを記事にまとめてみようと思いました。18禁企画やグッズ関係、ゲスト原稿を除いたお手伝い経歴です。

■MONOCHROPHILIA(2015.12.29)

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内容:ポケモン(ゼクロム&レシラム)同人アンソロジー
発行:ほわいとばーど(発行者:Netielさん)
担当:編集手伝い・翻訳・紙面デザイン・ウェブサイト作成等
印刷所: 表紙・カラー本文-㈱グラフィック PP加工-㈱東京加工
     白黒本文・製本-(有)あかつき印刷 箔押-(有)コスモテック
■告知サイト

※PP加工を東京加工さんに発注したのはベルベットPPの加工オプションがグラフィックさんに無かったからと、グラフィックさんに表紙印刷を依頼した理由は安価で表2・3カラー印刷を行いたかった為。 表紙データをグラフィックさんに入稿→グラフィックさんから直接東京加工さんに送付→東京加工さんから更にコスモテックさんに送付→コスモテックさんからあかつき印刷さんに、という工程。
※表紙のタイトル部は黒銀とノーマル銀の二色押し。ある箔押し会社さんに依頼する予定が断られてしまい、土壇場でコスモテックさんに問合せしたら「いけますよ?」とお返事を貰ってすんなりと。この本がきっかけになって僕のコスモテックさんへのがっつきが始まる…。
※カラー本文を印刷通販会社に依頼することによって、本文カラー印刷のコストを下げています。

■CRIMSON DASH EPISODE #01 (2016.10.09)

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内容:オリジナル創作漫画同人誌
発行:ふしぎなアメ(発行者:Seiryuudenさん)
担当:編集・翻訳等
印刷所: 表紙白黒本文・製本-(有)あかつき印刷
     カラー本文-㈱プリマリール

※『MONOCHROPHILIA』で知り合った海外の作家さんの個人誌を日本の即売会で頒布することになり全面的にお手伝いした、今の自分の状況に繋がる同人誌。
※日本で発行されている創作漫画同人誌と差異が全く出ないように、翻訳以外にも写植の為のフォント遊びにも気合を入れた。
※あかつき印刷さんのカレイド印刷による表紙が綺麗。

■ALPHA ALLIANCE(2017.8.13)

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内容:オリジナル創作キャラのイラスト&設定集
発行:ふしぎなアメ&ねぎめしや(発行者:Seiryuudenさん・じんのさん)
担当:編集手伝い・翻訳・紙面デザイン補助・ウェブサイト作成等
印刷所: 表紙・白黒本文・製本-(有)あかつき印刷
     カラー本文-㈱グラフィック  箔押-(有)コスモテック
■告知サイト ■コスモテックさんによる紹介記事 □通販ページ

※国内外の作家さん26名をお招きして作った本。自分の人生の内に関わる同人企画の中で、一番大がかりで最高に力を入れた企画になることは確実。
※前回の同人誌の表紙カレイド印刷が好評だったので、今回も表紙はあかつき印刷さんに。その中で箔押しをコスモテックさんに発注するために、あかつき印刷さんに依頼して「表紙を前倒し印刷→あかつき印刷からコスモテックに発送→箔押し完了後あかつき印刷に返送」とひと手間かけて頂く事に。
※目立たないけど本の箔押しはホログラム銀に加えてメタリック黒の二度押し。細かい模様が絡み合う図柄なのに合わせ精度激高で違和感が全く無し。
※本文についてもカラーページと白黒ページが入り混じる仕様で、カラー/白黒で印刷会社が違う為、台割表での管理やノンブル打ちは物凄く気を使うことに。同人誌の性でスケジュールは大分ギリギリになり、イベント会場で確認するまで無事に製本できているか分からなかったので、会場着すぐ本を手に取って全く問題無いことを確認した時は思わずガッツポーズ。あかつき印刷さんありがとう!
※進行管理もそうだし、当然翻訳も必要だし、同時並行でグッズのトレーデイングカードセットも進行管理しないといけないし、Webサイトも作らないといけないしと、抱えた作業量は膨大だったけれども、なんとか乗り切ることが出来たのは(もちろん友人の協力が大きいのだけれども)この同人企画だけは死んでも離さない、と思えたからかなぁ、と。肩に力を入れてフルスロットルで動けたからこそ無事に完成することが出来た、と思っている。
※ただ正直な話として、過去の失敗から同人活動のお手伝いをする時は「肩に力を入れ過ぎない」「お手伝いをするときは自分の余力の範囲の50%ぐらいで」というモットーが自分の中にあったりもする。何故なら全力で何かを打ち込むと周囲の人達との温度差が広がり、暴走しているような状況になって事故る――という結果を生みがちだと思うから。あくまで自分のポジションはお手伝いであり、相手のテンションを読む余力を残すことが最重要だと考えている。
※ALPHA ALLIANCEは自分にとってあまりに巨大な企画だったので自分のそこら辺のリミッターを解除したのですが、結果若干事故りましたね……。
(※あくまで個人的な話であって、企画に問題が発生したという事では無いです)
※ただ、全力でぶつかり有ってこそ良いものが作れるのでは? という実証に基づかない勝手な夢も自分にはあったりする……。フィクションと現実の区別がつかないだけなのだろうか、ハハハ……。

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※前述の同時制作のグッズのトレーディングカードっぽいもの。専用ケースも作ろうぜ!という話になり、色々な業者さんを探した結果費用面で折り合いがついたライブボックスさんに発注する事になり、そしてそこに箔押しもしようぜ!という話になり、ワオワオワオワオ。
※トレーディングカードについても、全種類全枚数の裏面全面を箔押し加工を敢行。わざわざ全部に……という話もあるだろうけど、参加作家さんにとっては自分のカードこそ一番の大切なレアカードになるわけで、大切なものとして残しておいて頂きたかったが故にそれだけは譲れなかった。
※もちろん、箔押しでプレミア感や他の同人トレカと差異を生み出せるということと、箔押し枚数が多いほど1枚当たりの箔押し単価を下げられる、という戦略もある。
※箔の意匠が分かるような箔面積の大きい部分と、コスモテックさんの技術力をアピールできる細かい世界地図のドット絵の双方をデザインに組み込むことを意識した。
※そしてこういった何枚一組の同人グッズを作る際に考慮に入れる必要があるのが「26枚1組にして箱詰めする作業を誰がするんだい」問題で、最終的にスケジュールが破綻してじんのさん&ある参加作家さんにお手伝いしていただくことに……お手数おかけしまして申し訳ございませんその節は本当にありがとうございました……。
※この箱詰め経験は、将来「Project ORBIS」の26枚一組のポストカードセット組に生かされることになる。「ALPHA ALLIANCEの箱詰めの方が楽だった」という形で……。

■GRAN ATARAXIA(2017.8.12)

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内容:ポケモン(伝説ポケモン)中心アンソロジー
発行:GLAN ATARAXIA (発行者:Ingogumaさん)
担当:編集手伝い・翻訳
印刷所: 表紙・白黒本文・製本-(有)あかつき印刷
     カラー本文-㈱プリマリール

※『ALPHA ALLIANCE』の作業で死ぬほど大変だったのに、同時並行でこの同人誌のマンガ翻訳や写植打ち(40ページぐらい)とかをやっていた自分の当時の謎の行動力よ。
※当時の職場の通勤時間が電車で片道1時間半とかだったので、電車の中で翻訳作業をしていた思い出。
※Ingogumaさんがデザイン滅茶苦茶できる方なのでなんとかなった感。表紙と中身のデザインすべてがIngogumaさんの手によるもの。いやー素晴らしいですね。
※あかつき印刷さんのカレイド印刷による表紙が綺麗。

■このころ作っていた個人誌色々

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内容:ノーコメント
発行:怪獣使いの遺産 (発行者:自分)
印刷所: 表紙・本文-㈱グラフィック(一部マツモト印刷㈱)
     製本-(有)長井製本所 又は 自家製本

※ノーコメント
※左の本は自家製本の表紙寸足らずフルカラー本。この頃グラフィックさんが両面印刷が片面印刷価格セールだったかを繰り返していたので、安価でフルカラー本作れるぞと安易に仕様を決めた思い出。
クロマティコという色合いが綺麗なトレーシングペーパーがあり、一度使ってみたかったのでこの機会に利用。
※ついでにトレペに印刷も試してみたかったので、以前利用したオンデマンド印刷のコピー屋さんのマツモト印刷さんに相談してクロマティコ分のみ印刷を依頼。
※一応イメージ通りに仕上がったものの、手製本感は否めない……。
※という訳で、右の本については印刷はグラフィックさんに依頼するものの、製本を専門会社に頼むという悪知恵を使って作ってみたフルカラー本。確かネットで色々と調べてヒットした良製本.netさん((有)長井製本所さん)に見積もりを依頼した記憶……。
※結果、長井製本所さんの中の人が毎回の物凄い長文メールで色々と説明して下さって綺麗に仕上げることが出来た。この本がきっかけになって(有)長井製本所さんへのがっつきが始まる……。

■放て!水しゅりけん(2017.12.30)

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内容:ポケモン(ゲッコウガ中心)同人アンソロジー
発行:怪獣使いの遺産(発行者:自分)
担当:アンソロ主催がやるようなこと色々
印刷所: 表紙-㈱グラフィック カラー本文-㈱プリマリール
     白黒本文・製本-(有)あかつき印刷 箔押-(有)コスモテック
■告知サイト ■コスモテックさんによる紹介記事 □通販ページ

※本当は別の方が主催の予定だったのですが、諸事情あり僕が主催をすることに。その他にも色々とあったのですが無事頒布できてよかったという思いしかない。ご寄稿・ご協力下さいました皆様本当に有難うございました。
※相変わらず安価で表紙2・3印刷を行うための別発注。煌びやかな表紙の次のページが、殺風景な白色っていうのはあんまり好きじゃないんですよね……。表紙で世界に引き込まれて、それが持続していくようなイメージの本が個人的にいいんです。
※ホログラム透明色の箔押しを表紙・裏表紙全面に。箔押し面積が大きい分かなり難易度が高く、初期の箔押しの絵柄は大失敗して物凄い金額が吹き飛んでしまった……(しかしそれが諸事情で怪我の功名に)。
※その為、版型の面積を抑えようとコスモテックさんの紹介記事通り、一つの版型を180度回転させて2回目を押すという形で表紙・裏表紙への全面箔押しを実現。
※もう一度180度回転のアイデアを流用して、1回目金・2回目銀みたいな箔押ししてみたいですね。

■SIRIUS(2018.8.11)

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内容:ポケモン(伝説ポケモン)中心アンソロジー
発行:GLAN ATARAXIA (発行者:Ingogumaさん)
担当:編集手伝い・翻訳
印刷所: 表紙・白黒本文・製本-(有)あかつき印刷
     カラー本文-㈱プリマリール

※Ingogumaさんの伝説ポケモンアンソロジー第2弾。相変わらず表紙のデザインが神憑ってます。Ingogumaさんのお手伝いはほぼ翻訳だけなので物凄く楽です。
※表紙に使用しているホログラム箔は前回のアンソロ(GLAN ATARAXIA)で使用した村田金箔のホロ箔HK038の別の色味のもの。HK038はこれ以外にも数種類色味が有るので、続刊ができますよ、どうですかIngogumaさん(こら)。
※あかつき印刷さんのカレイド印刷による表紙がやっぱり綺麗。発色が本当に素晴らしいんですよねぇ。

■Sketchbook of P.kulkan(2018.9.23)

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内容:創作メインイラストスケッチ集
発行:P.kulkan(発行者:P.kulkanさん)
印刷所: 表紙・本文-㈱プリントパック
     製本-(有)長井製本所

※タイのイラストレーターであるP.kulkanさんのスケッチ集。自分の担当は編集・紙面デザインちょっと。P.kulkanさんは歴史・建築学を選考されているアーティストで、愛らしいキャラクターの描写の他に加えて情緒漂う綿密な風景画が素晴らしいです。最高。
※この頃には既に2020年5月発行の「WONDERS UNDER WATER」の発行計画を立てていて、良製本.netさんこと長井製本所さんに見開きイラスト本の為の中綴じ製本の依頼を考えていたので、候補となる表紙用紙が実際に製本に使えるかのテストをする必要があった。
※テストのためだけに依頼するのは予算的に勿体ないので、それならイラスト集を新しく1冊作らせてもらおうと、P.kulkanさんに頼み込んで作らせて頂いた1冊。
※長井製本所さんのメールは今回も毎回長文で非常に為になりました。

■SPOTLIGHT(2018.10.6)

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内容:推しポケモンのプチイラスト集
発行:KAN NA FULL (発行者:かんなさん)
担当:編集手伝い・紙面デザイン
印刷所:㈱グラフィック

※Q 急にトータル制作期間5日間ぐらいでイラスト集を作ることになった?
※急や
※特にスケジュールが壊滅的に崩壊したとか、何かやらかしたという訳ではなく、急にトータル制作期間5日間ぐらいでイラスト集を作ることになった。
※製作期間超短期間でしっかりしたイラストを寄稿して下さる皆様の神業が凄い。制作期間5日を感じさせない良い仕上がりになったと思います。

■Project ORBIS(2018.12.29)

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内容:ポケモン"全世界"イラスト同人アンソロジー
発行:Project ORBIS (発行者:自分)
担当:アンソロ主催がやるようなこと色々(ロゴデザインはかんなさん)
印刷所:某社
■告知サイト ■コスモテックさんによる紹介記事 □POO松本さんによるレビュー □通販ページ

※『MONOCHROPHILIA』から都度海外の作家様をお招きして同人アンソロジーの編集のお手伝いをさせて頂いてきて、ふと『放て!水しゅりけん』の頒布後に「世界中から1ヵ国1名の作家さまをお招きしてポケモンの同人アンソロジーを編集する、これは可能なのでは?」ということを思い立ち、コミケ3日目の東館シャッター前大手さんに並んでいる時に雨に打たれながらアルゼンチンの友人にTwitterのDMで計画を話してもう既に勧誘していた思い出。年明けはインフルエンザで死んだけど。
※別に自分は何ヵ国語も話せるわけではなく、片言の英語で作家さまとやりとりさせて頂いているのですが、それでも色々な国の作家様とやりとりできるのはおそらくは『自国語を話すコミュニティがあまり大きくないから』なのかな、と。
※つまり、多くの仲間との出会いやフレッシュな創作を求めて自国語圏を離れて英語圏に旅立つ必要がある、という。
※最終的に23カ国の作家様にご参加頂けることに。勧誘それ自体は全く障害なく、参加して下さった皆様のモチベーションが物凄く高かったので、非常に楽させて頂いて楽しく編集させて頂くことができた記憶。
※ただ、印刷所が『某社』となっているのは、印刷トラブルがあって刷り直しを行っている為。
※無償で刷り直しを行って頂いたものの、宅配搬入期間には間に合わず、開催日翌日着で近隣の佐川急便営業所から段ボール3箱程度を手搬入する必要が発生した(タクシーで営業所に向かい、大き目のキャリーカートを購入・使用し、友人に手伝って貰ってなんとか手搬入することができた)。
※早めにすべてのデータを入稿したにも関わらずのトラブルで、個人的に今後その印刷会社様を利用する気持ちになれないので名前を伏せさせて頂いた。
※本当に順調に進んだ企画の最後の最後のトラブルだったので物凄く凹んで自暴自棄になっていたのですが、翌日の飲み会で別件で色々励まして頂いて、もう少し頑張ろう、という気持ちになり、キャリーバッグの中に1冊だけ残っていたProject ORBISを3日目のとあるサークルさんに持ち込ませて頂いた結果、数ヵ月後の自分の誕生日にこういう事になったので、自分は本当いろいろな方に支えられて生かせて貰っているんだなという思いを強くしました。いつも本当に有難うございます……。

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※寄稿したイラストから作らせて頂いた同人グッズのポストカードセット。この企画や参加作家さまの記念にもなるものを、ということで迷わず箔押しポストカードセットを構想(迷わず、というのはコスト面を考えて……。箔押しって意外と同人だとコストが高くないのです)。ポストカードの箔押しは当然コスモテックさんの手によるものですが、封筒については費用を抑えるためにある封筒製造会社さんに封筒と共に依頼。本の表紙の箔押しは某印刷所さんによるものという、費用を抑える涙ぐましい努力が裏側に。
※ポストカードの箔押しの色味についてはコスモテックさん任せ。素人の自分が決めるより、プロの箔押し業者さんに決めて貰ったほうが良いのが仕上がるという考えを第一としつつ、①箔の種類を決定する工程を減らしたい ②コスモテックさんが準備出来る箔を全部使ってもらうための戦略 という側面があったりも。ノークレームでお任せします!という依頼なら、色々と試してみたくなるのが職人の性、だと推測するので……フフフ。
※結果、10種類を超えるホログラム箔を使っていただけることになり、思い通りの(そして仕上がりは想像以上の)ポストカードを前にしてニンマリに次ぐニンマリ。
ちょっとした編集の余談

■EZIS(2018.12.30)

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内容:ソニックフォース(インフィニット&ガジェット)同人アンソロジー
発行:ほわいとばーど (発行者:Netielさん)
担当:紙面デザイン・翻訳手伝い等
印刷所: 表紙・白黒本文・製本-(有)あかつき印刷
     カラー本文-㈱プリマリール

※Ingogumaさん「キョン!ソニックフォースのアンソロ作るわよ!」
 僕「ソニック全然知らないんすけど!!?!!?」
※でまたこれが「Project ORBIS」との同時並行なんだなこれが。
※アンソロの言い出しっぺはIngogumaさんですが、予算の面で折り合いがつかなかったのでNetielさんに全面協力して頂く事に。スマン……。
※しかもIngogumaさんが色々忙しかったので、翻訳のお手伝い以外にも紙面デザインをお手伝いさせて頂く事に。いやいやソニック全然知らないんですけど……。ケモナーだからテイルスも知ってるけど……。
※表紙が1色なのも確かIngogumaさんの作業量を減らすための僕からの提案だったような……。表紙1色でも、特殊紙+メタリック赤の箔押しを使えばお洒落な仕上がりに。
※もちろん自分のお手伝いだけでどうにかできる訳ではなく(ソニック全然知らないのに自分一人で翻訳が出来るわけがない)色々なソニックファンの方々の協力によりなんとか本が出来ました。その節は大変お世話になりました……。
※ソニックはいまだに分からないし、ソニックについて知ってるのが『ソニック・ザ・ムービー』だけって言ったら滅茶苦茶怒られる気がする。

■The Art of Glauco Silva (2019.8.11)

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内容:よろずイラスト集
発行:Glauco Silva Art(発行者:Glauco Silvaさん)
担当:編集・紙面デザイン・翻訳
印刷所:㈱グラフィック
□POO松本さんによるレビュー □通販ページ

※コミッションを通じて親交が深まったブラジルのイラストレーター・アニメーターさんGlauco Silvaさんの作品の一部をまとめたよろずイラスト集。
※老若男女、そしてモンスターに動物に、加えて背景もバリバリ一級品で、しかも今石洋之(金田伊功)スピリットをパーフェクトに受け継ぐ商業イラストレーターさんが地球の反対側に居られるというのが凄い。これは書籍として残す必要あるでしょう、ということで僕から制作を提案させて頂いた。
※今石洋之(金田伊功)というと個人的にはやはりエフェクトなので、作品からエフェクト部分を抜き出して奥付や中表紙などの色々なページに散りばめてみた。エフェクト一つ取ってもSilvaさんの絵は物凄くカッコいいので、それだけでページが引き締まるのは本当に凄い。
※本を作る事、それは自分の中で「記録を残す事」と同義だと思っているので、こういった本を作る際はインタビューなどで文字情報を残しておくことを心がけている。なので巻末にがっつりとインタビューページがある。
※Silvaさんの凄い生い立ちが分かるインタビューも興味深いのですが、Silvaさんのお友達のゲームクリエイターさんによるブラジルでのサブカル事情解説も、ブラジルの現状が手に取るようにわかって滅茶苦茶面白いです。
※そのお友達であるGlauco Nobreさんは、Catsukaというフランスのアニメ情報ニュースサイトを片手に鍛えた信頼できるオタクの方で、Twitterでブラジルの特撮事情について連投した時にも非常にお世話になったりも。ブラジルのサブカル事情を取材したいときは是非ともGlauco Nobreさんにコンタクトしてほしい。どれくらいのオタクかというのは、NobreさんのFacebookのアイコンだけで「ああ、なるほど……」と分かって頂けると思う。

■Fantasy Forest -Ovopack Tribute Anthology- (2019.9.22)

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内容:イラストレーター村山竜大先生へのトリビュート同人アンソロジー
発行:Space Cat (発行者:Bukoyaさん)
担当:紙面デザイン(ロゴデザインはBlankieさん)・編集手伝い・翻訳
印刷所:㈱グラフィック

※世界的な知名度を持つイラストレーター村山竜大先生に捧げる同人アンソロジー。世界的に、という形容詞は誇張ではなく、参加作家様はアルゼンチンからシンガポールを渡ってヨーロッパまで、通販で購入して頂いた方々についても南米から中央アジアの某国まで色々な国へ飛んで行った同人アンソロジー。そして主催者であるBukoyaさんはカンボジア在住。Bukoyaさんの村山先生への愛が成せる技。
※そして何よりも、この企画に対して村山先生が物凄く好意的に親身にご協力下さったことに対して心からの感謝に加え、ひたすら「し、真のプロフェッショナル……!」と平身低頭の姿勢で緊張しっぱなしのお手伝いでした。
※ロゴデザインをプロのデザイナーであるBlankieさんに依頼。Project ORBISでかんなさんにロゴデザインを依頼したことも含め、自分は素人なので装丁含めた全部を外注させて頂いて、自分自身は各セクションの調整役や補助のみを行うが理想なのですが、まぁ、そうは予算が卸しませんね……。でも一度はそういう理想の同人誌を作ってみたくもあり、でもそちらに予算を割くなら特殊加工や無配のノベルティにお金を使いたくもあり(自分が仕事をする=コストゼロ換算のガバガバ予算組なので)、同人誌とは常に理想と予算のシーソーゲーム……。
※余談ですが、Bukoyaさんに「これカンボジアの歴史史上初のケモい同人誌でいいんじゃない?」と冗談を言ったりしました。さて実際のところはどうでしょうか!

■The Dragon King -竜の王様- (2019.12.28)

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内容:ポケモンフルカラー絵本
発行:Leav Café (発行者:Leav Caféさん)
担当:翻訳・雑務程度のお手伝い
印刷所:㈱グラフィック
□POO松本さんによるレビュー □通販ページ

※「コミケ合わせでなんか本つくるといいよ」「ラジャ」という雑なやりとりを経て送られてきたデータは全てが完璧に仕上がっていて、当然デザインセンスも非の打ちどころがなく、自分がやるべきことは翻訳だけだった凄い同人誌。これが自分の理想の同人誌のかかわり方かなぁ。
※アートやデザインに関する感性の鋭さに加え、Leavさんは瞬発力も素晴らしくて、無配のノベルティや名刺を作ろう、という話になった時に本に使用したイラストからささっと気の利いたものを作れる手際の良さも凄かった。Leavさんの才能に痺れ続けた一冊。

■WONDERS UNDER WATER (2020.5.4)

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内容:オリジナルフルカラーイラスト本
発行:怪獣使いの遺産 (発行者:自分)
担当:アンソロ主催がやるようなこと色々
印刷所: 本文-㈱グラフィック 製本-(有)長井製本所
     箔押-(有)コスモテック
□POO松本さんによるレビュー □通販ページ

※「良製本.net」こと長井製本所さんの製本の仕上がりが綺麗だったので、いつかまたちゃんとお仕事お願いしたいなぁ~という気持ちが「Sketchbook of P.kulkan」を経て実現した一冊。
※製本を依頼するといっても、印刷会社さんが準備されている無線綴じ/中綴じ冊子印刷のオプションで出来るようなことを依頼するのはあまり意味が無い(予算が節約できることを除く)。なのでまず仕様として、印刷会社さんの標準的なオプションに無い紙を表紙に使う事を考えた。では表紙への印刷をどうするんだ?という問題については、コスモテックさんに本のタイトル込みで箔押しをしてもらい、箔押しを印刷代わりにすることで解決。
※しかしこのプランでは裁断・製本に必要なトンボが無いので、製本できるのかな? と長井製本所さんにご相談させて頂いたら、方法はあるということでレッツゴー。
※前述の通り、出来る限り自分の実働作業を減らし、調整役や補助に注力するという関わり方が好みなので、箔押しの色味から表紙の紙の選定についてもコスモテックさんに依頼(丸投げとも言う)。 ①紙の種類を選定して頂き、候補の紙を紙問屋に発注、コスモテックに送付。 ②長井製本所で製本テスト(「Sketchbook of P.kulkan」の際に同時発注でコスト減)。 ③決定した紙からさらに色味を絞り、箔押しの色味を決定するために、ポストカード大の紙を何種類も準備しコスモテックにて自由に箔押しをして頂く(このテスト品はポストカードのノベルティとして使用)。 ④それぞれの色味が決定次第、紙問屋に表紙用の紙を発注し、コスモテックに送付。 ⑤箔押し後、コスモテックから長井製本所へと直送 というプロセスで表紙は完成。
※長井製本所さんはもちろん無線綴じも可能なのだけど、ノドの部分まで作品を楽しめる見開きのイラスト集が良いと思ったので中綴じに(+中綴じであれば前回・前々回での依頼から完成イメージを想起しやすいので)。ただ、表紙に使用した「カラープラン」は分厚過ぎてあまり中綴じ表紙に適さないようなので、中綴じでも十分対応可能なページ数に留める形で中身の仕様を決め込んでいく(この決定プロセスでも、長井製本所さんの物凄く丁寧な解説メールが本当に物凄く役に立ったのでお仕事依頼する度に大感謝です……)。
※テーマは海の生き物をモチーフにしたキャラクター(海の生き物が好きな友人が多かったので)。無線綴じを生かした見開きイラストを寄稿して頂く事で、テーマと仕様が上手く噛み合ったかな、と思う(そう思わせるぐらいに寄稿して頂いた作品がどれも迫力があって素晴らしい……)。

■SHIPWRECK (2021.6.27)

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内容:『僕のヒーローアカデミア』二次創作同人誌
発行:OBAN(発行者:Zhampyさん)
担当:編集手伝い・翻訳ちょっと・解説小冊制作等
印刷所:合同会社いこい(おたクラブ)
    ※小冊子については株式会社プリントパック

※イギリス在住のZhampyさんが本国で制作・頒布した二次創作同人誌『SHIPWRECK AU』を日本で頒布するにあたり、日本語解説の小冊子の制作と数ページを日本語化を行う。
※既に印刷対応済のデータがあるから楽だと思いきや、断ち切り仕様が日本の平均的な同人印刷所の仕様に合致しておらず、いくつかのページで簡単な塗り足しの作業を追加で行うことに。あと、欧米と日本では印刷所から求められるデータ解像度が違ったりするんですねなるほど……。
※少部数しか印刷しないので、オンデマンド印刷をお願いできるおたクラブさんに。おたクラブさんの売りである最新鋭の印刷機で、表紙は粒子感がまったく感じられないかなり良い感じの仕上がり。オンデマンド印刷というと昔のイメージを引きずっていたのですが、フルカラーはかなりいい感じですね。おたクラブでフルカラー同人誌の制作、全然アリ感ありますね……。

■マロタラ・トランスクリプトー赤ノ編ー (2021.6.6)

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内容:オリジナル創作イラスト&キャラクター・世界観解説同人誌
発行:SCS集創社(作者:Oraingenさん)
担当:翻訳補助・デザイン調整等
印刷所:不明
POO松本さんによるレビュー □通販ページ

※中国在住のイラストレーターOraingenさんが本国で制作・頒布したオリジナル創作同人誌『Mallotara Transcript-Chapter Red-』の日本語版。A4横綴じ+表紙の模様部分に一部ニス刷りという分かる人にしか分からないシブい装丁。本国版は帯ナシで頒布されたそうで、人気のイラストレーターだけに許される攻めた装丁がスタイル入ってます。中身も色々なデザインのメカありえっちな女の子の絵ありで大変すばらしく眼福眼福です。
※もともとは自分はあまり関りが無く、一読者として楽しみにしていたのですが、色々あってがっつきが入り、入らせてもらったからには責任取って手伝います、日本語の校正とかやります→えっ!? 僕半パート翻訳するの!? できらぁ!(出来ない)というようなことがあったとかなかったとか(日本語が出来る優しい中国の人にがっつりチェック入れて貰って無事担当パートの翻訳の仕事ができました)(それは翻訳の仕事ができたとは言わない)
※トータルデザインは当然Oraingenさんのお仕事なのですが、日本語版制作にあたり文字数が増えたり、元データがClip Studio Paintで作られている都合上、均等割り付けができていなかったりするので、そちらの調整も行わせて頂いたり。
※印刷は中国の某社ですが、ちゃんと綺麗だしプロセスインキで難しいグレーの合わせが綺麗にキマっているのでいい感じ。ウラヤマシイ~と思いつつ、きちんとした仕事の信頼ができる印刷所を見つけるまでが果てしない道のりだと思われるので、海外の同人はグッズは作りやすいけど本は結構大変だよな~という印象。

■ORBIS Vol.1 -Chinese illustration- (2021.9.20)

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内容:中華人民共和国出身”ケモノ系”イラストレーター紹介本
発行:怪獣使いの遺産(発行者:自分)
担当:アンソロ主催がやるようなこと色々
印刷所:有限会社ねこのしっぽ
□通販ページ ( 東方書店 / アリスブックス

※数年前に編集させて頂いたポケモンの同人アンソロジー「Project ORBIS」と本の題名がカブっているのですが、それとはまったく関係のない内容のインタビュー集。
※以前からずっと「世界の特定の地域をテーマにしたケモノ系作家さん紹介本」の構想を練っていて、そのために考えた連作シリーズのタイトルが「ORBIS」であり、ちょっと作るのが難しいかな? と諦めかけていたので、「Project ORBIS」という形でタイトルだけを流用しちゃった次第。ヤヤコシイネ。
※何でこういう本を作りたいのかというと、まずはもちろん好奇心と知識欲。海外の最先端の作家さんが、どういったことを考えてケモノキャラをテーマにした作品を制作されているのか。そういった新鮮な感性に触れることで、何か新しい化学反応が起こるのではないか、という狙いですね。そしてもう一つは今この時を残していくためのアーカイブ。ケモノ系のコミュニティってインターネットがベースで記録が残りにくくて、「ケモナーという言葉を作ったのは弊社みたいです!」みたいな事が起こりやすいので、何かしら形として残した方がいいのでは?という。
※じゃあどうするのか? ということで、自分は専門的な知識は一切ないけど同人誌だけは作ってきたので、作家さん側から見た「自分はどういうことに触れて、どういうことを感じてきたか」というのをまとめていくとある種の記録が残せるのではないか? という。
※そんな二つのコンセプトを元に、第一弾として「日本のご近所だけどなかなか情報が手に入りにくい」国こと中華人民共和国の作家様をお招きさせていただいた次第でございます。
※印刷所は有限会社ねこのしっぽ。何度か使わせて頂いて、RGBデータのまま入稿出来てカラーの印刷が綺麗! なのに他社様と比べてそんなに値段が高くない! そしてイベント搬入で融通を効かせて頂ける! ということで安心して今回も依頼。それに加えて毎回チェックが丁寧で助かります……。

(その2)に続く

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