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(2/100)人生の最後の生き方を描く『そうかもしれない』(耕治人)を読む

今年2冊目です。目標は年間100冊。ジャンルを選ばす気になった本を読んでいきます。

あらすじ

痴呆症となった妻の介護と格闘する夫。作家としての人生を歩みながら、妻には無理なことを言い続けてきた。そんな反省と、自分も年老いて思うように介護できない現実。1986年から3回に渡って雑誌に掲載されてきた介護の現実を書き綴った作品。妻をケア施設に預けた後、自分もがんで入院してしまい、絶筆となっている。入院している中、ケア施設に入った妻が面会に来た。自分ががんと闘いながらも、気になってしょうがなかった妻だ。しかし痴呆症の妻は、介護士から「旦那さんですよ」と促されても夫を認識できず「そうかもしれない」というのが精一杯だった。実に切ない一冊。

感想

痴呆症の老いた妻とその夫の二人暮らし。内容は壮絶だ。思うようにならない現実。死んでしまいたいと思う心の葛藤。このような老人同士の介護は、作品から30年経った今、めずらしくなくなったのではないか。

私は高齢の両親と二世帯で暮らしている。さいわい両親は、だいたいのことを自分でこなしてきているが、以前よりはあれもこれもできなくなっている。なにかと自分でやりたがるが、実際にはできない現実。息子の僕が手を差し出す時には、気持ちよくやってあげないといけないなぁと深く反省。

とともに、私自身を振り返る。私達夫婦には子供がいない。この作品は将来の自分たちなのかもしれない。そう思ってもう一度読んでみた。

気になる本をまとめています。

Shinichi/Miyazakiは個人の日常、オトカツは地元葛飾を盛り上げるアクションネームです。
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