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『科学者はなぜ神を信じるのか』を読む

「先生は科学者なのに、科学の話の中で神を持ち出すのは卑怯ではないですか」この問いに端を発して、科学の歴史に欠かせない人物たちが神との関係をどう捉えてきたのかを整理した一冊。ブルーバックスらしく、若い人にもわかりやすい文体で書かれています。

星の不自然な動きを見て地動説を確信し、教会と対峙したコペルニクス

万物の創造主である神のことを知るには、数学で理解できる宇宙を読み解かなければならないとしたガリレオ

運動方程式と万有引力の法則で、神の仕業と思われていた天体の動きがすべて計算で導けることを証明してしまったニュートン

一般相対性理論を数式にしたことで、宇宙がどう変化していくのかが計算できるようにしてしまったアインシュタイン

そして光速だけが絶対=神の領域であることが証明されたのは、19世紀後半。つい200年ほど前のことだったのですね。そしてホーキンスの世界へ。

この本には、それぞれの物理学者と宗教との関わりをエピーソドで紹介しています。いずれも身近に神がいます。それはコペルニクスの昔から、ホーキンスの現代そしてこの本の著者に傍らにも。
研究をすればするほど、わからない野原が広がっていく。そこにはきっと神がいるのではないか。おもわずそう思ってしまう魅力が物理学なのかもしれません。