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『保守と大東亜戦争』(中島岳志)を読む

大東亜戦争を始めたのは、日本の保守政権だったのか?

大雑把なイメージでは、保守勢力がイケイケドンドンで戦争への道をひた走っていったイメージが有るのではないだろうか。翻って今でも、「戦争をやりたがるのが保守政党」だと思っている人も多いだろう。

この本では、戦前の保守の論客の具体的な発言や執筆を通して、保守勢力が軍国主義に抵抗し強い嫌悪感を持っていたことを証明する。

二・二六事件や盧溝橋事件のころから、日本は全体主義的な軍事国家へと進んでいくが、それは保守勢力がもっとも恐れていたことでもあった。

保守とはなにか。

本書にはこうある。

人間とは不完全なものであり、いつまでも完成することはない存在。そんな懐疑主義的人間感を共有し、自己の考えを絶対視せず、他の正しい意見を取り入れていく存在。

いま日本にある政党で、しっかりと他の意見を取り入れていっている政党はどこか?