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小学校の先生になるまで。東南アジア旅⑥

印象深い夜の出来事から一夜開けて、早いもので帰国前日の朝になっていた。もう明後日の夜にはタイから飛行機で帰国しないと行けなかったので、朝イチのバスでルアンパバーンを出ることにした。

まずバスでラオスの首都ヴィエンチャンに向かい、そこからタイの市街地を目指すことにした。

前回までの話↓


首都ヴィエンチャン 韓国人宿

出発の遅れや渋滞などで、夕方くらいに首都に着いた。あとは、ここからタイまで一本なので、すぐさまタイ行きのバスを探した。しかし、今日はもうバスが出ないと言われて焦った。余裕をもってバンコクにいたかったのに空港到着が当日になってしまう。

今日は諦めてヴィエンチャンで泊まって、明朝に出発しようと切り替えた。バス停からヴィエンチャンの市街地まで少し距離があったので、乗り合いトラックを使わねばならなかった。

1人で乗り合いの車に乗ると高くなってしまうなと思っていたら、韓国人グループが誘ってくれて一緒に乗ることにした。ガッカリしていたから、話をしていることで気分が紛れた。

中心地に着いたが、首都という感じが全くしなかった。宿も決まっていなかったので、韓国人と一緒に韓国人宿に泊まる事にした。当然だが宿泊者は私以外、皆韓国人であった。

日本人宿と同じで、情報収集したり、安心を求めてくるのだろう。宿で乾杯をし、翌日起きれるようにお酒はほどほどにして早めに就寝した。

深夜の超特急TAXI  〜マイペンライ〜

ヴィエンチャンからタイの空港まで残り453km。朝イチのバスに乗り込み、バンコクの市街地を目指した。バスに乗り込むと座席の背もたれが取れてる席もあって、これ10時間以上いけるのかと疑問に思いながら違う席に座った。

もうこれで旅も終わりで日本に帰ると思うと、感慨深かった。バスに乗った事で勝手に着くと安心して何も気にしてなかったが、気づくと周りは暗くなっていて、これフライトの時間に間に合うかなと心配になってきた。

AM1:00の飛行機に乗る予定なので、国際線2時間前到着を考えると少なともPM11:00には着いておきたい。現在の時刻は、PM7:00である。ギリギリ間に合うかなと言った感覚だが、このバスはタイの市街地に行くので空港までは行かない。そのことを考えると間に合わない可能性が高い。

心配になったので周りの乗客に現在地や到着時間を聞いたが、言葉が通じなかった。乗客の1人が英語を話せたので、話を聞きにくれて運転手に話してくれた。

市街地から180kmくらいのところにいて、混んでるからPM11:00に空港行くのは難しいと言われた。クレジットカードを持ってなく、航空券を買う現金もなかったので間に合わなかったら結構厄介な事になる。

それでも時間とバスは進んでいった。途中ガソリンスタンドに寄り、バスの運転手は窓を開けて列に並んでいた隣のTAXIに声を掛けてくれて、空港まで行ってくれるか交渉してくれた。

バスは間に合わないけど、TAXIなら間に合うかもしれないから、ここで降りて、TAXIに乗って行きなさいと言ってくれた。周りにいた助けてくれた人にお礼をして、最後に運転手に心から感謝を伝えると「マイペンライ」と笑顔で返してくれた。

そこから慌ててTAXIに乗り込むと、TAXIの運転手もミッションに駆られように残りの160kmある道のりを飛ばしてくれた。車中では、先ほどのバスでの出来事を思い出しながら、人の優しさについて考えていた。


国や文化など全く違うが、困っている人がいたら手を差し伸べてくれる。言語や外見が違うから全く別の世界に生きている人たちのように思ってたけど、彼らも自分と同じ人間だ。

空港に2時間前ちょうどに着き、やり切った顔をしているTAXIの運転手にお礼を伝え、空港のガラスに映るタイの国王の写真が眩く見えた。


ここで東南アジア旅は終わり、また日常の学生生活に戻る。

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