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雑記:The End (of 2022) is Nigh

終末が近い。今年の終末ラグナロクが。

時間は常に過ぎていて、ただの区切りに過ぎないことは分かっていても、年の瀬が近づくとやっぱり気が逸る。やり残したことはないか、済ませておくことはないかとラスボス戦前のような感覚が付いてまわる。そんなもの、いつだって山のようにあるというのに。

最近では時間当たりの楽しさ密度的なものをタイパとか呼ぶらしい。時間対効果タイムパフォーマンスだと?しゃらくさい。回し車のハムスターのごとく市場やら効用やらを無限に加速させ、手当たり次第に搾り上げていった末の醜悪さがこれだ。世界のスピードはまったく非人間的なものになってしまった。

相対性理論によると、本当に楽しいときに時間は絶対ではなくなり、全ては一瞬に過ぎ去る。したがってタイパなどというものは土台存在しない。娯楽に計画性や効率を求めるのは惰弱きわまりない発想だ……。

こんなことをブツクサ言っていても年末はやってくる。例年通りに年間ベストも作りたいし、その下書き程度に今遊んでいるゲームを書き出しておいても損はないだろう。

というわけで、雑記だ。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク

このゲーム、楽しすぎる。戦闘も謎解きも2018年の前作『ゴッド・オブ・ウォー』から基本的に変わっていないはずなのに、常に楽しさと感動がやってくる。グラフィックから物語に至るまで語りたいところが多すぎるので、ある意味もっともレビューしにくい類のゲームかもしれない。まだクリアもしていないのにレビューのことを気にしても杞憂ではあるけれど。

前作に比べると、『ラグナロク』では属性と武器の使い分けがものを言うようになった。例えば、斧で凍らせた敵には火属性が特攻になり、双剣で燃やした敵には氷属性が特攻になる。音波属性の矢で麻痺させた敵に攻撃を当てると通常より高く打ちあがり、より一方的にコンボを繋げられる。ダメージを意識するほど戦法が次々に切り替わり、戦神らしい残虐でスタイリッシュな闘いになるというわけだ。

効率と見栄えを両立しつつ視認性も担保された戦闘というのはアクションゲームにおける一つの理想形である。ここ数年でいうと『SEKIRO』、直近では『ローラードローム』くらいでしかお目にかかったことがないが、『ラグナロク』もその伝説に名を連ねることになりそうだ。

ベヨネッタ3

ベヨネッタシリーズはGOWに負けずとも劣らないアクションゲーム界の大物だ。俺は大昔にPS3版のベヨネッタ1しか遊んだことがなかったので、せっかくなのでこの機会に全作買って立て続けに遊んでみることにした。

シリーズを通してプレイしているとよく分かるが、このゲームの面白いところは1作目で既に完成されている。すなわち、ジャスト回避でウィッチタイムと呼ばれるスローモーションが発生し、すぐさま攻撃に転じられること。そして、攻撃中にボタンを押しながら回避することでコンボを継続できる画期的なシステム、ダッヂオフセットだ。この二つをうまく使いこなすとずっと俺のターンが実現する。シリーズ3作でベヨネッタの戦闘にはいくつか要素が追加されてきたが、核となるこの2つのシステムは不変だ。

通常戦闘が抜群に面白い一方で、ベヨネッタを含むプラチナゲームズ作品全般には目に余るような酷い点がいつも付いてまわる。真っ先に挙げられるのは、ミニゲームをやたらと詰め込もうとするところだ。クソ面白くもないスペースハリアーをやらされたり、スターフォックスをやらされたりする。他にも、ニーアオートマタの9S操作パートで幾度となくやらされるシューティング──プラチナとヨコオタロウのしょうもないところが悪魔合体して生まれたゲームもどき──の壮絶なつまらなさに耐えきれずにコントローラを置いてしまった人間を、俺は少なくとも3人知っている。

ゲームもどき

ベヨネッタ1から10年以上も経っているのでベヨネッタ3のミニゲームは流石にマシになったが、悪いところが根絶されたわけではない。それはなにかというと、あまりにも雑でつまらないチャレンジの設定だ。ベヨネッタシリーズにはニブルヘイムやムスペルヘイムという任意で遊べる高難易度ステージがあり、そこでは特殊なルールで戦闘が行われる。この説明だけならゲームの味変として良い感じに思えるかもしれないが、実際にはしばしばストレスフルなものとなる。

なにしろ、ゲームの面白さを殺すようなルール設定が多い。一度も攻撃を食らってはいけない程度の縛りならウィッチタイムの仕様とも噛み合っているのでほどよくスリリングで楽しいのだが、クソ狭い足場に立たせて地面に落ちたら即終了とか、決められた手数でクリアしないと即終了とか、"難しさ"と"嫌がらせ"を履き違えたようなチャレンジが次々に登場する。当然、クソつまらない。

このクソつまらなさの極致が上の動画だ。具体的にいうと、チャプター10のVerse 1にあたる。ウィッチタイム中しか敵にダメージが入らず、攻撃を喰らっていいのは5回までというルールで、こちらが操作するのはヴィオラという新キャラだ。

ヴィオラはベヨネッタと異なりジャストガードでウィッチタイムが発動するようになっているため、ジャスガをミスるとモロに攻撃を喰らうリスクがある。この時点で、喰らっていい攻撃は5回までというのがかなり鬱陶しい縛りとなる。しかも、なぜかジャスガ判定には音ゲーでいうグッドからパーフェクトみたいな幅があって、かなり正確に合わせないとウィッチタイムが短すぎて反撃できない。上の動画では、あと一度しか攻撃を喰らってはいけないプレッシャーのせいでガードのタイミングが早くなっている。

正直楽しくない新キャラ

これだけでもストレスが溜まるものだが、このステージで出てくる敵もひどくタチが悪い。魚のような敵が仕掛けてくる拘束技はガード不能な上に追尾するので防ぐ手段がほぼ存在せず、なすすべなく拘束されたところに多段ヒットの攻撃を叩き込まれて即ゲームオーバーに追い込まれたりする。初手で拘束技をしかけられた時点で敗北が9割方確定するといってもいい。制作陣に聞いてみたいのだが、このチャレンジを一瞬でも"面白い"と思って作ったのだろうか?

ニブルヘイムが強制ではなく任意のステージなのが唯一の救いかもしれない。それも、つまらなさの言い訳にはならないが。

Call of Duty Modern Warfare 2

APEXを筆頭に基本無料PVPゲームが隆盛を極めるこのご時世、CODのような買い切り型は時代遅れだとナメられがちだし、俺自身も若干ナメていた。今どきCOD買うやつなんて物好きに片足ツッコんでんだろ……と思いきや、本作はシリーズ20作目にして最高の売上を記録したとのことだ。トレンドは一周し、我々は2009年に帰ってきたのかもしれない。

では、MW2はその売り上げに見合う革新性のあるゲームなのか?……答えはノーだ。前にもどこかで書いたような気がするけれど、このゲームは2019年に発売されたMW1の大型DLCと言われてもぜんぜん違和感がないほどに変わっていない。相変わらず、バカみたいなカスタムをした銃を握ってバカみたいに走り回ってバカみたいに死にまくる、ジャンクなゲームだ。

ならジャンクであることが悪いのかといえば、それもノーだ。このシリーズはマックとコークみたいなもので、変わらないジャンクさに価値があるからだ。オーバーウォッチが流行っていたころはヒーロー制を導入して変化球を投げようとしたこともあったが、ものの見事にスベっていた覚えがある。つまるところ、滑らかな動作と中毒性のあるヒット音、そしてキルストリークがあればそれだけでよく、2019年のMWはその原点回帰を成し遂げていた。ならばその路線を引き継ぐMW2がつまらないものにはなりえないというわけだ。

久しぶりに食べるビッグマックセットがたまらなく旨く感じるように、3年ぶりに遊ぶCODは理性のタガが外れるくらい面白い。血糖値スパイクと同じでこの異常な興奮が長続きすることはないだろうが、今はこのハイカロリーなゲームを気絶するまで遊ばないではいられない。

Omega Strikers

オメガストライカーズ、略してオメスト。いたストではない。オメストは闇のゲームこと『リーグオブレジェンド』の元スタッフが独立して作った光のゲームだ。ザックリいうと3on3で行うエアホッケーで、キャラごとに異なるスキルで戦うMOBA的な要素もある。

俺はこれまでLOLを含めMOBAの複雑怪奇さを敬遠してきたが、オメストは結構楽しめている。全体的に殺伐さがなく、カジュアルにできているからだ。一回の試合はどんなに長引いても5分以内には終了するし、マッチングが鬼のように速いので負けを悔しんだり戦犯探しをする前に次の試合が始まる。本当にすごいテンポで試合が繰り返されるため、1時間も遊んでいると位置取りやスキルのセオリーがひとりでに分かってくるほどだ。

突き詰めればスキルを組み合わせたセットプレイなどもあってシビアになるのだろうが、今のところはボールに向かって全員が犬のように突撃するプレイで十分楽しめている。誰かが適当に蹴ったボールが全員の死角をすり抜けてヌルっとゴールしたり、ゴールを防ごうとして逆にオウンゴールを決めてしまったりと体育のサッカーみたいなアホの絵面が連発するので、勝っても負けても笑ってしまう。

本作に弱点があるとすれば、売れ線をそのままなぞったような既視感アリアリのキャラデザくらいだろうか。俺の中ではすでにあだ名が『ブルアカ』と『原神』のキャラが存在している。上の猫耳はブルアカだ。

まとめ

終末は近い。ゲーム、映画、アニメ、音楽……なんでも楽しみ尽くして、悔いのない終わりを迎えよう。

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