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LoL公式イベントの壇上で出演者ブチギレ退場!?イベント設計の妙

12月の初旬2日間に渡ってリーグ・オブ・レジェンドやヴァロラントで知られるライアットゲームズの日本国内イベントRIOT GAMES ONE(=RGO)がKアリーナ横浜を会場に開催された。

中でも個人的に注目していたのは"The k4sen"というコンテンツで著名なゲーマーが参加しLeague of Legendsで対戦をするイベントだった。昨年も同イベントでの開催もあったため、引き続き伝統的な一戦となっていた。

日程では2日間行われるうちの両日とも同じメンバーで1試合ずつ行われるプログラムだった。

今日はこのイベントの演出や企画段階を想像して話してみたいと思う。挨拶が遅れたが私はしがないゲームイベント企画をコミュニティ規模レベルで企画している者でゲームイベントがどのような形で行われているのか随所で気になっている。

このRGOは全体の構成としておそらくThe k4senが入り込むタイムテーブルやLoLという試合時間の前後が発生しやすいコンテンツを入れ込む大きな枠が組めなかったのではないかなと思う。国内ではVALORANTもより人気なコンテンツなのでたっぷり時間を使いたいはずだ。

そうなるとより多くの試合をしたいが両日で1試合ずつが限界だったのではないかと予想される(そうでなければBO3が順当ではないだろうか)。

BO1では1試合しか見られないため、2回も試合が見られることは視聴者にとっては喜ばしことだが、そこには問題があると企画段階での気づきがあったと思う。それは偶数で試合枠を確保するとなると両チームが1回ずつ勝った場合に"引き分け"という何とも歯切れの悪い結果になることだったと思う。

会議のテーブルで「これ引き分けになったらどうします?」みたいな話題が出たのではないかなと思う。

自分がイベントの設計をしていても、規模の違いはあれどこういう状況は会ったことがある。時間が足りなくて実現でき無さそうとか、何かが足りない状況に陥る。

ただそういった状況で"どうやったらこの枠組みで開催できるか考えられるか"がイベント開催にとってとても重要だと思う。イベントだけではないかも知れない。あらゆる物事を進めるうえで重要かも知れない。

単純な例だと、パーティで椅子が30脚しかないからお客さんは30名しか招けないという状況で、"立食に変えてキャパを増やす"などで状況を打破するための考えを巡らせることの重要性をここでは指している。

RGOでは結果としては「2試合目の結果で勝利チームを決める」という単純な答えにたどり着いている。これは誰でも思いつくような方法だが、その単純な答えを会場にいる人に受け入れてもらえるための仕組みがすごかった。

これはアイデアが先か発想が先かは分からないがおそらく誰かが「実施された1試合目を無かったことにしたい」という無茶を言い出したのではないかと予想する。

そこからその無茶を正当化するための外堀を埋めていったのではないだろうか。

もうRGOを観た人向けに話しているので色々説明してない部分はあるが、1試合目の結果を観客全員に"こんな結果にならなければ良かったのに"という気持ちにさせたのが大きかった。

実際にリアルタイムで観ていて演者の人が試合に負けた悔しさからまだライトが当たる壇上を立ち去ったシーンを見たときに僕もそう思った。

そこからが熱かった。なんと敗者が時間を巻き戻して1試合目をノーカウントという荒業な演出をねじ込んだ。

視聴者全員が"こんな結果にならなければ良かったのに"と思っている状態で。これが完全にうまくハマり。次の日(みんなが記憶を失ってはいる設定はあるが)の2試合目が本番という雰囲気を完全に醸成した。

ホントにすごい演出だと思ったし、3マッチ開催できないからこその制約の中で生まれた画期的な発想だったのではないかと予想する。

最終的には2日目となった本番のマッチで、消した記憶の1試合目で負けた側が勝利し、望んだ世界戦へと導いたことで完全に全てが成立したことだった。

このように結果としては2試合して2試合目に勝った方の勝ちという状況で誰もが"1試合目は意味なかったじゃん!"という文句を言わせない状況を完全につくり上げていることに感動した。

真相のほどは分からないが同じように一見成立しないような状況になった場合にそれを完全に正当化させるための演出を考えたいなと思った。



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