J1参入プレーオフ・レギュレーション改善案

昨日の湘南vs徳島のJ1参入プレーオフ決勝で、レギュレーションへの不満が出てるので、個人的に改善案を考えてみた。
まずは、昇降格システムの歴史や導入された際の理由などを振り返ってみよう。(面倒くさいのでWIKIを参照)

J2創設以来のJ1&J2昇降格システムの変遷

1999年Jリーグ2部化でJ2リーグ誕生(J1:16クラブ、J2:10クラブ)

・1999-2003年:自動入れ替え2クラブ
・2004年:J1:J2への自動降格枠なし。「J1:16位(最下位)とJ2:3位の入替戦」のみ実施
・2005年:J1:18クラブへ
・2005-2008年:自動入れ替え2クラブ+J1&J2入替戦(ホーム&アウェイ2試合実施)

・2009年:J2:18クラブへ
・2009-2011年:自動入れ替え3クラブ
・2012年:J2:22クラブへ
・2012-2017年:自動入れ替え3クラブ+J1昇格プレーオフ導入(J2:3位~6位)
・2018年以降:自動入れ替え2クラブ+J1参入プレーオフ導入(J1:16位&J2:3位~6位)

・2005年シーズンよりJ1クラブ数を16から18に拡大することと入替クラブ数増の一環として「J1・J2入替戦」を導入。
・「J2クラブが18クラブ」になったシーズンから、J1とJ2の入替戦を廃止し、自動入れ替え制に以降。
・J1昇格プレーオフ(2012-2017)の導入理由は、J2リーグの中だるみ防止が一番の理由だったと思う。1999年10クラブで始まったJ2は2012年には22クラブまで拡大した。そのことで、シーズンの終盤に3位まで昇格争いに関わらないクラブとJ2残留争いに関わらないクラブの数が増える事で、緊張感のないリーグ戦が増えるという現象が起きていた。
(WIKIでの記述:Jリーグではプレーオフの導入によりJ2の年間順位6位のチームにまでJ1昇格のチャンスを与えることにより、「J2リーグ戦の活性化」「新しいファンの開拓」「J2クラブの経営、環境改善の促進」を目的とすることを掲げている)


・2018年から「J1参入プレーオフ」に変わった理由は、J1:3位やJ1昇格プレーオフで昇格したクラブがJ1で、酷い成績で1年で降格した事があるだろう。
(WIKIでの記述:2010年以降2016年までにJ1昇格プレーオフ勝者を含む「前年のJ2の3番目」でJ1に昇格したクラブはいずれも1年でJ2に再降格しているという状況があると共に、逆に2010年以降2016年までに「前年のJ1・16位」でJ2に降格したクラブはJ2で圧倒的な成績を残し、(2016年に2位と同勝点の3位だった松本を除き)1年でのJ1復帰を果たしているという状況があった。こういった点を踏まえて、2018年以降のJ1・J2の昇降格決定方法を検討した結果、J1昇格プレーオフ参加クラブ(J1参入資格があり、順位が3位から6位までのクラブ、最大4クラブ)にJ1の16位のクラブ(J1参入資格を持たないクラブがJ2年間上位2位以内に入った場合は変動あり)を加えた最大5クラブによる「参入決定戦」の形式に改めることが2017年6月27日に行われたJリーグ理事会で承認され、概要が発表された)

また2014年から就任した村井満チェアマン(浦和レッズのサポーター)の意向でもある「J1クラブ優遇&クラブ間格差拡大化政策」が影響してるのは間違いないだろう。村井の時代になって「Jリーグ初期の川崎ヴェルディ」のようなビッグクラブを誕生させる方向に動いているのは間違いない。ただし、その方向性の是非については言及しない。

現行の「J1参入プレーオフ」変更の際に出て来たデメリットを考えてみよう
・そもそも「J1昇格プレーオフ」の導入で、J2リーグがJ1より2週間も早く終了してしまうことで、シーズン日程がきつくなり、週の中日に試合を行わなければいけないことが増え「観客動員数と試合内容」の低下させていることだ。そして、そのデメリットは、「J1参入プレーオフ」になっても継続中である。
・J2:3位~6位クラブは長いシーズン終了後、「J1昇格プレーオフ」では2試合多く試合を行う事になったが、さらに、もう1試合強いられた上に、J1のホームで90分で勝たない限り昇格できないJ1絶対有利のレギュレーションになっていること
・J2降格枠3つは、J1が16から18クラブへ拡大した際に生まれたものだが、降格枠を、ほぼ2つにしたために、J1で優勝争いにも残留争いにも絡まないクラブのシーズン終盤の試合に緊張感がなくなり、かえってJ1リーグの魅力を損ねていること。

いろんなデメリットを改善するための改善案としては、次のようなものを推薦したい。

・まずJ2:3位と6位、4位と5位が対戦(仮にJ1参入プレーオフ1回戦とする)し、それぞれの勝者が、J1:16位とJ1:15位と対戦(仮にJ1参入プレーオフ決定戦とする)して昇降格を決めるシステムにする。
@この改善で、J2リーグ終了がJ1より1週間早いだけになり、週の中日開催数を減らし、観客数増加&試合内容向上へ好影響がもたらされる。
@J1リーグ終盤戦での消化試合が減ることでJ1リーグの観客数増加や試合内容向上への好影響がもたらされる。

・J1参入プレーオフ1回戦争の開催要項と勝ち抜け条件は現状維持。(J2:上位クラブホームで試合開催、90分で同点の場合は年間上位クラブが勝ち抜け)とする。

・J1参入プレーオフ決定戦の開催要項であるが、現状のJ1ホームで試合開催、90分で同点の場合はJ1クラブが残留というのは、あまりにもJ1クラブへの優遇が酷すぎるので変えるべきだろう。その際に考えられるのは決定戦の開催要項は次の4つである。
①J1&J2入替戦のようにホーム&アウェイ2試合で行う、アウェイゴール制適応。
・これが最も平等ではあるが、2試合を行うことになり、決定戦まで残ったJ2:2クラブの負担が大きすぎるように思う。
②J2ホームでの1試合開催。90分で同点の場合、J1クラブが残留。
・ホーム&アウェイ方式からみればいびつであるが、個人的にはかなり平等に近いような気がする方式だと思う。
③J1ホームでの1試合開催:90分で決まらなかった場合は前後半15分の延長戦で、延長戦でも決まらなかった場合はPK戦で決着。
・J1ホーム開催1試合の場合は、これが一番平等に近いとは思うが、TVの地上波やBS放送を考慮した場合、時間枠を大きく取らないといけないのが難点だろう。
④J1ホームでの1試合開催、90分で決まらなかった場合は、すぐにPK戦で決着する。
・多くの場合、J1とJ2のクラブであれば、個の能力自体はJ1クラブの方が高い。この場合は、J2クラブが「延長戦なければ、とにかく守ってPK戦狙い」という消極的なゲームプランを取ってくることもあるが、現行方式よりは、マシであろう。

個人的には②が一番お薦めであるが、どうしてもJ1ホーム1試合開催が村井チェアマン的に譲れないのであれば、次は④がお薦めだろうか。
とにかくJ1&J2リーグの試合内容向上や観客動員数増加のためにも、現行のレギュレーションは、即刻、改善されるべき問題だと思うのだ。

更新頻度は多くないですが、よろしくお願いいたします。