ペッキアと機能しないアビスパスタイル:イントロダクション

2019年、アビスパ福岡は、「アビスパの戦い方=アビスパスタイル」を確立するために、監督としてイタリア人のファビオ・ペッキアを選んだ。

アビスパスタイルとは、
・試合をコントロールするために高いボールポゼッションと組織的且つ主導権を持ったゾーンコントロールを実現し、ゴールすることを全ての判断基準に優先して攻撃的にプレーする

というものである。
そのリクエストを受けて、ペッキアがやろうとしているサッカーは次のようなものだ。
(SDの中倉氏の記事を参照)

「高い位置からの連動したプレッシング(ハイプレッシング)を基盤とし、ボール奪取後はショートパス(3,4本程度のパス)をつないで一気に相手ゴールになだれ込む。弾き返されても、連動したゾーンディフェンス網でボールを奪い返し、また相手ゴールになだれ込む」というようなサッカーだろう。

「というようなサッカーだろう」という表現を使ったのは、15試合を終えたJ2リーグ戦において、ほとんど表現できてないからだ。おそらく、公式戦においてペッキア流アビスパスタイルが、もっとも表現された試合は、開幕の琉球戦だろうが、開幕戦以降の試合では、ペッキアの理想とするものの50%にも達してないだろう。機能もせず結果も出ない。そして15節の鹿児島戦では、「ハイプレッシング前提」から「基本はミドルプレッシング、行ける時にハイプレッシングを発動する」という形に変えた。目標であったJ1昇格どころか21位というJ3降格圏に沈んだ状況を受けて変えざるを得なかったのだ。

なぜペッキア流アビスパスタイルは機能しないのか?
個人的には、「基盤となるハイプレッシングを機能させるために必要な守備の基本、セオリーができていないから」だと推測している。イタリアのサッカー界では「守備は建物の土台で攻撃は装飾」と考えられているそうだが、ペッキア流アビスパスタイルも同じだろう。守備という土台がきちんと整備されない限り、劇的に症状が改善することはない。

下の3つのエントリー記事は、その推論を元にかいたものである。


サッカー守備用語の統一&セオリーまとめ等
https://note.mu/nettaro/n/n9e57bb83ddee?magazine_key=m772ba6f03796

ペッキア・アビスパ、甲府戦における守備のミス分析
https://note.mu/nettaro/n/n69aabb3fdea9?magazine_key=m772ba6f03796

ペッキア・アビスパがハイプレッシングを機能させるために必要なもの、その1
https://note.mu/nettaro/n/ne53cc6f8dbba?magazine_key=m772ba6f03796

(とりあえずイントロダクションは終了。また次は守備のセオリー紹介か、各試合事の守備分析へ戻るつもり。書く順番はバラバラだが、シーズン終了後には、まとまった全体図が見えるようになっているはずw)

更新頻度は多くないですが、よろしくお願いいたします。