ウジャウジャよってくる
そういえば学生の頃、上野の大人のおもちゃ屋さんに友達と行ったら、グッチ裕三さんみたいな店主が
「あんたらナニかい?」
「あの有名な、女がウジャウジャよってくる香水探してるんか?」
ぼくら「え?」
「オットセイの貴重な睾丸から作った香水だよ」
ぼくら「え?」
「そうか知らないか。よし良いだろう、今日はサービスだ。これを買って町に出ろ。一万二千円はするが9000円で良い。君ら気に入った!」
ぼくら「え?え?」
ほぼ「え?」しか言ってないのに気に入られたらしいが、オットセイの哀しみと痛みを思うと香らせている場合でもなく、何より試しに腕につけてくれた香りがあまりによくある感じで、もう逃げ出したかったけど、目に入った「ガラナチョコ3000円」を買って逃げ出した。
店主は「それもな食べさせたら大変だぞ!中々の目利きだ君たちは。」と言って文房具やで使いそうな赤い紙袋にガラナを詰めた。
翌日、バイト先の魚屋の今で言うなら百合子レベルの化粧の厚い小さな威勢の良いおばちゃんに、上野土産だと言って食べさせたが特に反応もなく、念のため「体熱くなってきた?」とか聞いてたら「お前らやっぱり怪しいな」と疑われたけど、今なら健康食品だな。ガラナ。
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