#71 昭和の遺物「国民的ヒット」
「国民的ヒット」という言葉があります。
「幼児から老人まで知っているクラスの流行物」のことを指すものです。
昭和期には定期的に生まれていましたが、平成になった頃から絶滅の方向に向かいだし、令和の今では実質「死語」となりました。
やはりあれは「テレビ・ラジオが娯楽の王様」で「それを家族揃って茶の間で観て(聴いて)た」時代でないと成立しないものですね。
家族それぞれが別々のメディアを楽しむようになり、「お茶の間でテレビを囲む」どころか「家族揃って食事をする」機会すらも失われつつある現状を見ると、理の当然という気がします。
完全に「昭和の遺物」となった国民的ヒット。
それが特に多かった時代に子供時代を送れた私は幸せだったとしみじみ思います。
ただし国民的ヒットは「大人向けコンテンツが子供世代まで降りてくる」というパターンが多かったので、しつけに厳しい親とか教師とかには不評でしたが。
まぁ、ランドセルしょった低学年児童が「昭和枯れすゝき」だとか歌いながら登校してたら心配するのも当然と言えば当然か。
朝っぱらから「この街も追われた いっそ きれいに死のうか」とか歌ってたらそりゃ気にもなろうよ。
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