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BBTクローン再生計画(23)大企業が「文化」にお金を回してた時代の面白マガジン

文化というのは「儲け」には直結しないものですが、その割に「金食い虫」だったりします。
だから「文化が元気な時代」というのは「採算性のみに囚われないパトロン(金銭的支援者)がいる時代」であるわけです。
昭和40~50年代はそんな時代だったと私は思います。

そういった素敵な時代の産物のひとつが私の手元にあります。
その名は『熱中なんでもブック』
製作したのはなんと大手スーパーチェーンの「西友」で、発行所は「西友ストアー宣伝部」とあります。
小学生をメインターゲットにしたPR冊子なんですが、広告界の新進気鋭のクリエイターたちが執筆陣に名を連ねており、コピーライター時代の林真理子サンも参加しています。

B5版・フルカラー表紙・本文48Pという体裁なのに、なんと価格はたったの「10円」。
つまり、西友側に「これで儲けよう」という気持ちは全然ないわけです。
発行は昭和55年で、まさに「世の中にお金がちゃんと回っていた時代」
「大企業が『遊び』のための予算を組めた時代」ってホントいいなぁ~。
私には「採算度外視」で「面白さ優先」で動いてしまうクセがあるんですが、それはきっとそういう時代に文化的洗礼を受けたからだと思いますね。

画題「こんなブツが作れる時代よ再び来い!」

なんでもブック


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