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セージの耳打ち#219 東京都心で背筋が凍った日

東京の再開発はとどまるところを知りませんが、私が上京した当時はまだ都心部といえどもかなり田舎臭かった。
中央線の荻窪駅から徒歩5分のアパートに住んでたんですが、その玄関は門をくぐって草ボーボーの庭を数メーター進んだ先にありました。
ある梅雨時の夕方、銭湯からイイ気分で帰ってきたら、サンダル履きの素足の甲に、なんだかヒヤッとしたものが乗っかりました。
「なんだ?」と思って見てみると・・・そこにはなんと握りこぶしよりもデカいヒキガエルが!

私は基本的に「毛の生えていない生き物」というのが全然ダメな体質で、爪の先サイズのアマガエルですら「うひゃ!」となっちゃうんです。
そんな男のむき出しの足にヒキガエルですからね。
その瞬間、背筋が凍りついたのを、数十年経った今でもハッキリ憶えていますよ。

でもまぁ現代のように都心から土の部分がどんどん消えていってる状況を見ると、都心駅近アパートの敷地内でヒキガエルが生存できた頃が愛おしく感じられます。
とはいえ、今の家の庭にヒキガエルが住み着いてたら、やはり「うひゃ!」となるでしょうけどね。

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