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私が「静東エリアは車なしでも問題なく暮らせる町が多い」と声高に叫ぶ理由③

こんにちは、Sage/セージです。
今回は、静東エリア(=静岡東部)ストレンジャー(=よそ者)のパワーで面白くする「静東ストレンジャー」の話から始めさせてもらいます。

富士山

私が静東ストレンジャーを結成した背景には、次のような仮定の連鎖がありました。

「たとえ物価や家賃相場が安くて安定した働き口があったとしても、東京民は『面白くない場所』に住もうとは思わない。大都会の刺激に慣れた面々の心に『のどかで暮らしやすい場所ですよ』というアピールは響かない」
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「だったら静東エリアを『東京よりも暮らしやすくて、東京以上に刺激的で面白い場所』に変えればいいんだ。『刺激的な文化を静東エリアに流入させる大改革』を行えばいいじゃないか」
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「とはいえ『地縁血縁のガッチリある地元出身者』だと、周囲の誰かの目線を絶えず感じ続けているから、思いきった改革はやりにくい。遠慮なく大ナタが振るえるのは、やはり『しがらみの一切ないストレンジャー』しかいないだろう」
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「まずは『面白いことが大好きで面白い生き方がしたいストレンジャー』を東京から迎えて、自分と一緒に静東エリアで『刺激的な面白さを呼び込む活動』を始める。その様子を見た第二のストレンジャーが仲間に加わって『刺激的で面白い何か』が生まれる。それに惹かれた第三のストレンジャーが新たな仲間になって次なる『刺激的で面白い何か』が生まれ、それが第四のストレンジャーを呼び寄せて……といった好循環が生まれたら、もうこっちのものだ。静東エリアはどこよりも魅力的な『2時間チョイ圏ローカル』になれる」

みしまびと

自分でもかなりのドン・キホーテぶりだと思いますが、私は本気でこう考えています。
静岡県は東西にやたら長いので私の生まれた中部東部・西部では文化が大きく異なり、「ほぼ他県」と言ってもいいような感じです。
中部以外には親戚も知人もおらず、それどころか「五十路を過ぎるまで『伊豆・熱海以外の静東エリア』の土を踏んだことすらなかった」という私は、同県人とはいえストレンジャーに間違いないでしょう。
また、「人生の2/3(36年間)を東京で過ごしてきたこと」も強い武器となります。
東京(民)の長所・短所静岡(民)の長所・短所も熟知しており、どちらのことも「俯瞰の視点」「客観的な目線」で見つめることができるわけですから、それらの動かし方もソコソコ分かっている。
そんなわけで、「改革の大ナタを最も振るえるのは自分なんじゃないか」と自負しているわけです。

カフェ

「東京民を呼び込むために、まずは東京民を仲間にする」という奇策に私が出たのには深い事情があるんです。
当初は「こちらのやりたいことを周辺に広め、それに反応してくれる『すでに静東エリアに住んでいるストレンジャー』を募る」というやり方を取っていたんですが、これが全くと言っていいほど反応がなく、「このやり方だといつまで経ってもメンバーが増えない」と判断せざるをえませんでした。
無反応のまま1年が経過して「このままじゃダメだ」と感じた私は、ついにやり方の変更を決意しました。
東京の友人知人のツテを頼り、「来てくれるのを待っている」のではなく「こちらからスカウトしに行く」ことにしたんです。

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その変更を図るうえで最大の障害となるのが「車がないと暮らせない。免許がないと仕事もできない」という静岡民の先入観/偏見/誤解です。
なぜ「先入観/偏見/誤解」と断言できるのかといえば、他ならぬ私自身が「徒歩オンリーで問題なく沼津市で暮らせている」から。
私には大病の後遺症で平衡機能障害があるので、自転車「乗ってもいいが、その際は最大限の注意を!」と主治医から注意を受けています。
いちいち最大限の注意を払うのも面倒なので、よほど遠くへでも行かない限り徒歩で済ませているのです。

ライブハウス

前回書きましたように、静東エリアは「山と坂だらけの熱海駅周辺&函南駅周辺」を除けば平坦な地形で、エンジン動力に頼らなくても簡単に移動が可能。
ただし、令和日本の課題である「コンパクトシティ」の逆パターンで「広い地域に施設が散らばっている」ので、ソコソコの距離を歩く必要は生じます。
私は実体験から「片道1時間歩ける程度の脚力があれば困らない」と言ってるんですが、「角のコンビニにもマイカーで」なんてツワモノもいる車社会・静岡においては徒歩20分程度の道のりであっても「歩くなんて信じられない距離だ!」と驚かれがちです。
そんなわけで「車がないと暮らせない。免許がないと就職もできない」という都市伝説がなくならない。

尾瀬

東京民自身にも自覚がないかもしれませんが、彼ら彼女らは「日本で一番よく歩く人種」です。
「駅徒歩15分」くらいの賃貸物件ならば「全然普通に住んでいる」わけですし、節約のために「郊外の駅徒歩30分物件を借りてる」ような人間だっています。
だから静岡民が「車がないと暮らせない。免許がないと仕事もできない」と言ってる地域であっても、東京民なら「徒歩と自転車だけでノープロブレム」だったりするんです。

グラウンド

ただ、人間には「専門家の発言だと思うと無批判に受け入れてしまう」という悪癖があるんですね~。
私の場合は、たとえどれだけ権威のある者の言うことでも必ず自分で精査・検証・裏取りをするようにしています。
そうやって確認したこと以外は信じない主義なんで、だから移住に際しても「全域の踏破リサーチ」を決行したわけです(駅ひとつに対し、周辺を丸一日歩き回る感じでした)。

でも私みたいなへそ曲がりは世間でもマイノリティで、大半の人は専門家の言うことを鵜呑みにしがち。
「車がないと暮らせない。免許がないと仕事もできない」という話も「地元民がそう言ってるんだから、じゃあその通りなんだろう」と真に受けて、無免許東京民は「静東エリアを移住候補地リストから抹消してきた」わけです。
この悪しき流れがなくならないと、私の静東ストレンジャー計画は永遠に成就しませんし、静東エリアも「これまで通りの状態が未来永劫続いてしまう」かもしれません。

スタバ

「変わらないこと=現状維持」と考える人も少なからずいますが、それは大きな間違い。
世界というのは絶えず変容し続けているものなので、「変わらない(動かない)こと」は現状維持ではなくて退化(=世界から置いて行かれる)なのです。
平時ですらそうなんですから、「時代に合わせて変われる者は発展し、変われない者は淘汰される」というWithコロナ時代においては自滅行為以外のなにものでもありません。
みなさん、臆せず変わりましょう!
変わって、みんなで生き残ろうじゃありませんか!

水源

この連載は、静東エリアを生き残らせるために始めました。
免許も車も自転車すらも持たない私が何ら痛痒なく暮らしている姿を見せることで、「なんだ、『静東エリアは車がないと暮らせない、免許がないと仕事もできない』なんてウソじゃんか」と世間に思ってもらおうとしているのです。

改めて言いますが、現在は「脱東京を実行する人間がかつてないほど増えている」という未曽有のチャンス期なんですよ。
そのチャンスがつまらない誤解のせいでフイになってしまったら、それこそ「お宝をドブに捨てる」ようなもの。
脱東京希望者にとっても、静岡にとっても、にとっても「このうえない不幸」であると言えます。

空中庭園

ここでこれから始める私の「徒歩生活リポート」を読んで、静東エリア移住を真剣に検討してくれる無免許東京民が現れてくれたら嬉しい限りです。
実際に移住してきて、静東ストレンジャーに加わってくれたらもっと嬉しいんですけどね。

【この項おわり】

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