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人生リブート指南(30)事前調査は大事だが「過ぎたるは及ばざるがごとし」にならぬように、という話

私は「何かについてじっくり調べる」というのが幼少期から大好きな性格で、「新しく興味を抱いた物事が生まれるたびに、その専門書が本棚にずらりと並ぶ」というのを繰り返してきました。
2011年の東日本大震災を機に私は「東京から出よう」と決めましたが、そこでいつもの癖が出て「ではどこへ行くのがベストなのかしっかり調べよう」という展開となりました。

ところが世間には同じようなことを考えた人間が多かったようで、そうした層を獲得しようとする自治体や、そうした層を顧客にしようとするマスコミが急増したんです。
それらが送り出す「移住促進メディア」というのはホントによくできていて、どこの町もキラキラして見える。
おかげで私は「わー、ここってイイじゃん! あ、こっちも捨てがたい」とすっかり目移りしてしまい、いつまで経っても移住先が決まりませんでした。

そうした逡巡期間も半年くらいなら可愛いモンなのですが、私の場合はざっと7年間。
実際に移住したのが2019年11月でしたから、思い立ってから決行するまで「8年半」もかかったわけです。
しかも、それだって自分の意志だけでできたわけではなく「様々な偶然の連鎖の果てに」行えたので、様々な偶然の連鎖が無ければ、ひょっとすると今でもまだ迷い続けていたかもしれません。

そんな実体験を踏まえて人生リブートを検討中の皆様方に言うんですが、「綿密な事前リサーチは確かに大事ですが、やりすぎると動けなくなりますよ」。
「石橋を叩いて渡る」はいいんですけど「石橋を永遠に叩き続けて渡らない」のでは本末転倒。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という先人の忠告を肝に銘じて、資料の精査はほどほどに!

画題「こうならないで良かった、と心底思います」

優柔不断


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