クロックスみたいなやつ（仮）

元年生まれなので「いま平成何年か？」が、"自分がその年になる年齢+1"でぱっと計算が出来るむねです。まもなく元号が変わります。

玄関からご近所で履く専用の履物＝ヘップサンダル

ヘップサンダルは昔の人（お年寄り）は結構履いてる人が多かった。家の周りと玄関を行き来する回数が多かったんですね。人を迎え入れることや、ご近所とのコミュニケーション。そして、家の敷地内でも、料理や洗濯するだけでも何かを履かないと（外に出ないと）いけなかった。

現代人はというと、家の中（床の上）で完結できる動作は増えた。とは言え近所に出かける用事って意外とあります。

例えばコンビニへ行くキッカケをイメージしてみても、【買い出し/光熱費などの振り込み/メルカリなどの発送】などなど。コンビニで出来るサービスが増えれば増えるほど、立ち寄る回数も増えそうです。マンション暮らしの方は、ポストやゴミ出しで１階エントランス付近へ行く必要があります。意外と家のまわりに用事はありそうです。

そして昔と圧倒的に異なるのは、ネットで宅配を依頼する回数です。amazonや楽天などで買い物をすれば、商品を玄関で受け取らなければいけません。 UberEATSなどで出前を頼んでもそうです。ほんの一瞬ですが、玄関を出ないといけない。

昔の人がヘップサンダルを履いて出かけていた行動距離を、現代人は裸足で歩いてるわけがないです。何かにとって代わられている可能性がある。

■クロックスの登場

ぼくは黒船とも思ってないですが、ヘップサンダル業界の先輩方の話をまとめると、どうやらそんな存在っぽいです。「ヘップサンダル業界は、クロックス前と後でまるで変わった…」といった語りっぷりです（紀元前と紀元後かよ）。

ただ、たしかにその衝撃は大きかったんだろうなと感じられます。

現代の人たちがヘップサンダル（＝ご近所履き）的に履いてるモノに、最も近い履物はおそらくクロックスです。個人的には、クロックスは素晴らしい商品なので代替する人が現れても仕方がないと思ったりしています。

そしてこんな商品も存在します。

ぼくはこれを「クロックスみたいなやつ（仮）」と呼んでいます。正規？の値段よりかなりお手頃な値段で買えるのが特徴です。ブランドは不明です。

これまた個人的には、こういった商品も市場にあって全然OKです。少しでも安く買いたい人たちの需要を満たしているのであれば、良いと思います。

■取って代わられた存在

「玄関周りから近所に履いていく用」の履物は、どうやら「クロックス」と、「クロックスみたいなやつ（仮）」にとって代わられている様です。

「クロックス」を購入する人は、「本物の？クロックス」を気に入って買っているはずです。現在売られているヘップサンダルの値段は￥1,500〜3,000-くらい。クロックスはデザインによりけりでも最安値で￥4,000−くらいします。クロックスの方が高い。それでもクロックスに取って代わられたら、それはクロックスブランドの力です。

そしてクロックスみたいなやつ（仮）。これはピンきりですが￥400〜2,000-くらい。少しでも安い商品を買いたい人は、これを買うかもしれません。問題は価格を軸に選んでない人も、クロックスみたいなやつ（仮）に流れてしまっていることです。価格以外の理由で流れているということは、ヘップサンダルにブランド力がないか、お客さんにその存在が伝わってないかのどちらかです。

クロックスみたいなやつ（仮）を、価格を軸に選んでない人の特徴を考えました。

・デザインが気に入った
・こだわりがない
・他に選択肢を知らない

1つ目のデザインが気に入ったケース。これは変えようがないです。目についたクロックスみたいなやつ（仮）が相当可愛かったのでしょう（知らんけど）。そしてこだわりがない人。この属性は本来、ヘップサンダルが抑えたいです。こだわりのない人が商品を選ぶ上で参考にするのはブランドです。例えば「ジーンズなら（とりあえず）リーバイスっしょ。」といった具合です。この例の場合、こだわりのない人のリーバイスブランドへの安心感や信頼感は半端ないはずです。話を戻すと、現在のヘップサンダルブランドには、"玄関でさっと履けるやつ"に対する安心感と信頼感が欠如してるのでしょう。

最後の他に選択肢を知らない人。とかくお客さんはヘップサンダルの存在を知りません。どこに売ってるのかとかそういう問題もありますが、たちまち問題なのは「ヘップサンダルってなんなん？」です。ヘップサンダルの営業不足がすごいです。

■こだわりたい人へ

ある知り合いの方が新居を建てられた際、「玄関周りから近所に履いていく用」の履物を新調しようと思い、ネットやお店を色々探したことがあるそうです。

せっかく新築です。ライフスタイルにこだわりもある。クロックスやクロックスみたいなやつ（仮）は、選択肢に無かったようです。けれども、「玄関履きと言えば！」な安心・信頼のあるブランドの履物は見つからない。ネットで上がってくる履物も、イメージとかけ離れた商品ばかりだったそうです。

どうやらここのニーズを抑えているブランドが、まだ存在しないようです。ここに一番星を取りに行きたいと思います。