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230608 amazarashi弾き語りライブ「騒々しい無人」感想文

2023年6月8日
amazarashi弾き語りライブ
「騒々しい無人」
有明ガーデンシアター
OPEN18:00/START19:00

早々の自分語りになるが、私が初めて観たamazarashiのライブは2017年の「虚無病」で、そこで衝撃をうけて以来毎ツアー足を運んでいた。
しかしここ数年は、具体的にはボイコットとロストボーイズは。生活に余裕がなく観に行くことが出来なかった。
なので、私としてはかなり久しぶりのamazarashi、もとい秋田ひろむのライブであった。

弾き語りとしては6年振りの開催だ。6年振り!?あのときの舞浜での弾き語りライブってそんな前なのか…と書いていて驚く。
前回の弾き語りライブ、舞浜アンフィシアターの収容人数は2170人。今回有明ガーデンシアターは8000人。8000人!?!?とまたもや書いていて驚く。弾き語りで8000人!

会場に向かう前に池袋タワーレコードに寄る。「騒々しい無人」キャンペーンをやっているらしいので。
池袋タワーレコード、amazarashi好きな店員が居るのかよくこういった企画を行ってくれる気がする。サインとか衣装展示とか。嬉しい。いつの間にか池袋タワーレコードは1フロアのみになっていて時の流れを感じる。
夕方頃に見に行ったらもうamazarashiの特設棚はすっからかんだった!!amazarashiファンは執念、というか、熱が凄い!!良い!!!!

18時前、有明ガーデン着。でけー!きれー!
当たり前だが、amazarashiのファンしかいない。
8000人来てるんだからそりゃあそうかって感じなんだけど、人が多すぎて少し驚く。私含めみんななんか服黒いし。
amazarashiって、飛んだり跳ねたり全くしないタイプの客層なのに、バンTとかタオルとかラババンはみんなちゃ〜んと装備していてそれが少し異質に感じる、だけどもそういう所でかなり大きめな愛も感じるから「amazarashiのファン層、なんか良いな〜」と思う。
かなりの偏見だが、amazarashiのファンはamazarashiだけが好き!って人、多い気がする。音楽を超えて、切実に救いなんだろうと勝手に想像する。それくらいamazarashiは良いしamazarashiのファンの本気感はひしひしと伝わる。
これもかなりの偏見だが、バンドの雰囲気とは対照的に、誰かと一緒に観に来ていたり、SNSで同士を作っている人も多い気がする。私は人見知りオタクなので毎回ぼっち参戦確定無言直帰ネキだが、横目で見ていて、つながること、素敵だな〜と思う。amazarashiって実は「人間関係」が似合うバンドだと思う。まったくうまく言語化出来てない気がするけど、とにかく、amazarashiのライブの雰囲気が好きなんだ…。


有明ガーデンのフードコート、BGMがamazarashiになっていて笑ってしまった!寄せてくれている!
蔭山の餃子とビールを食す。

19時、開演。
第2バルコニー上手側から観る。

秋田ひろむ入場。

始まりは、ジュブナイル
隙あらば自分語りのオタクに成るが、私とamazarashiの出会いはこの曲、ジュブナイルである。
2013年、中学校に入学した後学年最速で虐めの標的になりその後不登校になった私が当時、インターネットサーフィンをしていて偶然見つけたのがこの曲だった。
初めて聞いた時の事を、胸の奥が悲しみと猛りで熱くなる感覚を今でも覚えている。私がamazarashiを、そして音楽を好きになったきっかけの曲だ。
だからこそ、私にとってもかなり思い入れのあるこの曲を1曲目に選んでくれて嬉しかった。
泣き笑ってしまった!

目の前の人の頭の位置も分からないほどの真っ暗な会場で、秋田ひろむだけがスポットライトに照らされ光る。ギターを振り上げ歌う。

「ありがとうございます。」
「amazarashiの秋田ひろむです。」
と手拍子に若干かき消されながらも名乗る秋田さん。

たられば
弾き語りだとなお一層秋田ひろむの力強い歌声が映える。
曲の合間ですすりなく声が聞こえる会場。
秋田ひろむの咳払いも鮮明に聞こえる音響。詳しいことは分からないけど、有明ガーデンシアター、音良かった気がする!

MC
「今日、どの曲をやろうかと考えていた。
昔好きじゃなかったけど考えが変わった曲。距離を置いてみると見えてくるものがある。そんな曲をやります。」というような前置きから、隅田川
隅田川、好きじゃなかったんだ。という驚き。
というかMCするのか!!

無条件で胸が締め付けられるような歌声。

MC
・「ロストボーイズとは前の、という意味です。(かなり確証がない、そんなことは言ってないかも。話し始めに、ロストボーイズとは○○です。という言い方は確かにしてた。)
・ロストボーイズのツアーの頃、体壊していて。
・「地元の旧友と会って高校時代を思い出し、出来た曲です。」
・「以前のわいだったら、「逃げ出せ」とか歌っていたと思うけど、今は繰り返しの日常も、良い気がしてる。」


ロストボーイズ
「泣かないで」という歌詞が好き。弾き語りだと音が少ないから余計に声が映える。
泣かないで、と言われて泣きそうになるくらい素敵な歌声。

リビングデッド
冒頭、ギター良すぎる!ベンベンベンベン!!!
アコースティックギター1本だからこその味が出ていて格好良かった!!!!!
弾き語り、より切実感がでてカッコイイ。


MC
「自分はまるで生きる屍の様だ。
暗いことを歌うのはわいにとって必然で、だけどそれは受け入れられない事だと思ってた。
その考えが変わるきっかけになった曲です。」
と語った後に僕が死のうと思ったのはを披露。

光、再考のワンフレーズを歌った後、矢継ぎ早に季節は次々死んでいく
光、再考のワンフレーズを歌うのとても良かった。ワンフレーズでも聞けて嬉しかった。
「そうだ行かねばならぬ何は無くとも生きてゆくのだ」

MC
「感動の根元。
たとえば…、例えば………。ハッピーエンドとか。
困難や辛い過程があってこそハッピーエンドに感動できる。
わいだけじゃなくて、みなさんにも、海外の人にまで届く、痛みは共通言語というのがわいの説(定説?唱説?って感じの言葉選び)です。」

昔どこかで、暗い部分を歌ってこそ光が鮮明になる、というような意味合いのことを言っていた気がしていて、それを思い出した。変わらない芯があることが素敵で格好良い。


カシオピア係留所
秋田さんの背後に星が映って綺麗だった。
そうだ、痛みは共通言語だ!

そういう人になりたいぜ
これも歌詞が切実。秋田ひろむって本当に詩人だな。何回も言うけど、弾き語りだと歌声が本当に本当に映える。何度でも思う!!
amazarashiの歌は本当に心に染みる、胸が詰まる気持ちになる。優しい歌と歌声だ。

ここで豊川さんも登場しひろ。
豊川さんのキーボードの音だけ。秋田さんはギターを置いて歌う。
見ているだけの私にも自然と力が入る。眉間に皺を寄せて聴き入る。
秋田さん、手を前で握りしめたり、後ろで組んでみたり…。
ギターが無いと手持ち無沙汰になる秋田さんの両腕…。そういう人間から出る音楽だからamazarashiが好きなんだ…。

帰ってこいよ
青森在住の秋田さんが歌うとかなり説得力がある感じがして良い。
帰る場所があるって良いな。暖かいな。

MC
「昔、カフェや居酒屋や路上でライブをしていた頃の曲、東京で挫折した頃の曲。
(今は)こんなに沢山の人に来て貰えてるけど…。
そんな頃もあったんだな、と思いながら聞いてくれたらと思います。さくら。」
豊川さんのコーラスがとても良い!!!!
さくらをやるのってかなり珍しいと思った!初めて買ったamazarashiのCDがアノミーなので、中学生だった当時を思い出し懐かしい気持ちになる。

バカ騒ぎはもう終わり
豊川さんのみに留まらず、いつものバンドメンバーみ〜んな出てきちゃって最早弾き語りライブでは無くなる。
だがそれが良い!「秋田ひろむの弾き語りライブ」だと思ってたから嬉しい裏切り!
真っ赤に照らされるステージがカッコイイ!


スワイプ
新曲をやってくれる!嬉しい!
おばあちゃんかかる特殊詐欺♪
amazarashiの韻の踏み方、心地よくてだいすき。

MC
「あと2曲です。
制作をしているが上手くいってない。
今日のライブで何か発見があれば、と思ったんですけど…………。終わってからじゃないとわからないですからね…。
皆さんにとっては、amazarashiはありふれた中の1アーティストでしか無いかもしれないけど、当たり前だけどわいにとっては人生で、わいの人生と皆さんの人生が交わるのがライブだと思っていて。
来年じゃなくても、再来年でも…。10年後、20年後でもまた会えたら嬉しいです。
それまで、生き延びてください。
……また、がんばって、みんなでライブしたいです。」

会場に来てるファンにとって、amazarashiがたかが「いちアーティスト」な訳ないと思うんだけど、そういう繊細というか何と言うか。だけど秋田ひろむがそういう人間だから私はamazarashiが大好きなんだなと思う。きっと他のファンもそうなんじゃないかと想像する。
生き延びてください、って言葉もamazarashiがamazarashiのファンに言うのってなんかすごい重みがある気がしていて、生き「延びる」なのか、延命なのか、と。確かに、会場にはそういう人たちが集まってるんだろうと思う。秋田ひろむが「生き延びて」って言ってくれるの、かなりの支えになる。
「また、頑張って、みんなでライブしたいです」っていうのも、歌声からは想像できない小さく低い声で言っていて、心に染みた。秋田さんもライブ、したいんだ。嬉しいな。



少し感傷的な雰囲気のMCとは裏腹に、明るいアレンジの夕立旅立ちを披露。民族楽器?三味線みたいなバンジョーみたいなシタールみたいな音…。(パブサしたらみんなそんな感じの楽器の名前をあげていた)
カントリー!!
夕立旅立ちといえば、前回の弾き語りライブで初披露した曲だ。
それを今回こんな明るいアレンジで歌う!という事に物語性を感じた!とても良かった。明るかったな〜。

アンチノミー
バンドメンバーが退場し再び秋田さんだけに。
バックステージまで見えるくらいにステージ全体を照らす演出で歌う。がらんとしたステージで1人、かなりの熱量で歌い上げ、
「amazarashiでした!ありがとうございました!」
といい下手へ退場。私は見えなかったけど、座席によっては最後腕を上げる所が見えた人達もいるらしい。

冒頭挨拶の「amazarashiの秋田ひろむ」から「amazarashi」に変わった。意図は無いのかもしれないけど、その変化がかっこよくて素敵だった。
そしていつもながらアンコール無し、時間ピッタリ21時00分に終わる。タイムキープが上手すぎる。


秋田さん、かなりいっぱい話してた。こんなに話してくれるの!?と驚いた。なんなら普通のバンドよりもMC回数多かったよ…。最高だよ…。
思えば、昔のライブでは「ありがとうございます」「amazarashiです/でした」以外を話す事なんてほとんど無かったんじゃないか??
やっぱり、ライブで、音楽以外の言葉でも何かを伝えてくれるのって嬉しい。話してくれてありがとうございます。の気持ちになる。
(コロナ禍のamazarashiのライブは行けてないので、そこでもう既に沢山話すようになっていたのかも知れないけど。)
台本なし(であろう)言葉でこんなに話をしてくれる秋田さん、新鮮だった。
等身大の言葉で話をしてくれて本当にありがとう。
私が思うに、昔バンドメンバーの体調不良で途中で中止になった中野サンプラザでの公演。急遽秋田ひろむが出てきて、台本無しで咄嗟の言葉で話をしてくれて、1曲だけ弾き語りで披露してくれた。あの日から徐々に話をしてくれることが増えた、と思っている。
感慨深い。
いやしかし今回のライブは特に話してくれたと思う、曲についての解説なんてライブ中にしてくれた事今までであるのかな…。なかなか無いんじゃないか。嬉しいな。


今回の「騒々しい無人」はamazarashiの歴史をなぞったようなライブだったと思った。秋田ひろむ1人、豊川さんと2人、バンドメンバー全員。
3形態も披露したが!?!?新旧織り交ぜセットリスト。どういう意図でこのセットリストにしたんだろうか。嫌いだったと言った曲もやるし…。さくらとかも珍しいし…。

帰り、会場出口でポストカードを貰う。なんとセットリスト入り。
前はセットリスト、終演後ポスターで張り出されてたと思うけど、ポストカードに変わったんだ…。
セットリストの書かれたポストカードお土産に渡してくれるバンドなんてamazarashiくらいだよ…。入場時はいっつもちっちゃい缶バッジくれるしさ…。
ちょっと変で可愛くて愛おしいな…。

そういえば、6月9日でamazarashiは13周年みたいだ!!!
周年ライブみたいな意味合いもあったんだろうか。そんな感じが少しした。もしそうだったら嬉しいな!
10年、20年後でもまた会いたい、と言ってくれたの、それって10年後も20年後もライブを続けてくれるってことですよね、本当に嬉しいです。いつもそこに居てくれてありがとうございます。
amazarashiは私の支えです。amazarashiのおかげで音楽が好きになれた。amazarashiに出会えなかったら人生、本当に本当に違っていたと思う。
13歳の頃の引きこもり不登校の私に寄り添ってくれてありがとう。支えてくれてありがとう。
amazarashiが愛おしいんだと改めて思った。amazarashiの今までと、私の今までを思い出した、素敵なステージだった。
多分一生、amazarashiの音楽を好きでい続けるんだろうな、と思った。そうありたい。

外に出ると雨が降っていた。
amazarashiのライブの日に限っては、雨も悪くないな、と思える。むしろ嬉しい。
傘を忘れたので濡れて帰る。
土砂降りの雨の中ずぶ濡れで走って行けるか♪♪のお気持ちに…。





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