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繋げて、外して。電子カルテ上で考える臨床推論。

電子カルテシステムを考える上で、現在の壁について話しながらまとめます。
今回も専門的なので、医療者でない方には大変読みづらいと思いますがご了承ください。


problem listと病名についてです。

problem listとは、患者自身の捉えている困った部分、あるいは医療者からしての課題点であり、病名はそれらを包括するもの、と個人的には理解しています。
自分の中では、心理学でいうジョハリの窓がproblem listです。

なので、基本的には

#病名1
#problemA
#problemB

#病名2
#problemC
#problemD

と病名にproblemが属する形にもっていけるだろう、と考えています。

一方で、誤診することも当然あり得るため、一度関連付けた病名とproblemを組み換えなおせるようにする必要もあります。
あるいは2個の病名が1個のproblemと繋がるパターンもあり得ると思います。
(例 : 総胆管結石性胆管炎、膵炎のときの腹痛)
単純なデータベースだとそこの関連付けが厄介かな、と思います。

診療する側からすれば、誤診と気づいた時にこれまでのカルテを全て修正するのには大きな手間です。ので、これまで病名1と思っていたが、実は病名3、とする時には病名1を丸ごと病名3に変える必要があります。

また病名1 1回目は正しかったが、病名1 2回目は誤りだった、という時には病名1を病名3に単純に置き換えるわけにはいきませんので、病名1を期間でグループ化する必要がありそうです。

一方で、病名1がどこで完結したか、というところの設定は難しそうですので、頭の設定のみが現実的な印象です。


逆にデータベースを利用する立場から考えてみましょう。

腹痛を主訴にした場合の、病名毎の割合、確率を考えると、腹痛で検索して胆管炎と膵炎両方が関連付けられていないと不正確なデータになってしまいます。
あるいは、実は虫垂炎だった、と分かった時に、データが修正されていなければ、やはり誤ったデータを引っ張ってしまっており正確性にかけます。
数年経ってから、実は癌だった、とか言うこともあり得るため、そこはlimitationとする必要がありそうです。

以上、とりあえず、いまぶつかっている壁についてでした。


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