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夢の話

午前7時半過ぎ。しとしと小雨が線路を濡らす中、ぼうっと電車を待っている。祝日なのに仕事だ、と誰に聞かせるわけでもなく無意識に零れ落ちた言葉に、隣の見知らぬスーツがひどく悲しい溜め息を零した。「お互い大変ですねェ」そう言われたような気がして顔を上げ、
「なんだろうあれは」
スーツの独り言に目を向ける。向かいのホームに、女が一人ぼうっと立っている。シルエットから女だろうと推測するも、顔は小雨ではっきりしない。ただ、ひどく手足が長いな、とわたしはやはりぼんやりと思った。
女はその長い腕を丁寧に折り曲げて、なにか丸いものを大切に抱きしめていた。わたしはその女を、(おそらく隣にまだいるであろう)スーツと食い入るように見つめた。見つめて見つめて見つめ続けて、そうして不意に隣の気配が揺れた。
「なんだぁ、」
ひどくおびえた声だった。
「あれ、僕の頭じゃあないか」
――見上げたスーツには、頭がなかった。瞬きの合間にその皴一つない黒はホームに吸い込まれ、

にぶいおとひとつ。そこで咳き込み目が覚めた。


* * *

二月の頭に嫌な悪寒とひどい咳で見たよくわからん夢。言語化するって難しい。ちなみに翌日朝一で検査をお願いしたところ、見事陽性だった。ウオオオあれほど気を付けていたのにとうとう・・・!
とはいえ初日38度まで上がった後はほぼ熱はなく、ひたすら鼻水と痰と咳。関節も痛みを訴えたがそれも二日程度で終了。食欲も有り余るほどで陽性とは?
ただ、高熱は出なかったが咳がひどかったため、そこからメンタルのほうがガタガタになってしまった。このまま咳が止まらず仕事復帰できなければどうしよう、と数日夜メソメソしていた。翌日になると「まあ何とかなるだろ」と立ち直るも、夜には「電話対応ができないなんて何もできないに等しいし、何よりもこんなひどい咳じゃ院内に存在することすらできない。このまま駄目になるんだ」とメソメソ。いい加減にしてくれよわたしのメンタル。今はいつも通り元気ですが。
一人暮らしの時に困るのは、自分が動けなくなると途端に心が弱くなるってところですね。

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