見出し画像

【ネット歯科大】歯科医院数の実際

 駅から出てあたりを見渡すと、多くの場合は歯科診療所が目に入ります。一般の方の感覚としても、歯科医院はかなり多くあるという印象があろうかと思います。
 
 新たに歯科医院にかかる場合、どこにいけばいいか迷うといった声もお聞きします。たしかにインターネットで検索すると多くの歯科医院が出てきますので、その中からご自身に合う診療所を見つけるのは至難ともいえることでしょう。
 
 コンビニよりも歯科医院の方が多い、という表現は最近あまり聞かなくなりましたが、実際にわが国での歯科診療所はコンビニエンスストアよりも多く存在しています。
 
 ただし、これまでの歴史の中で歯科診療所数よりもコンビニの数が上回ったことは一度もありません。以前からそれなりの件数あった歯科診療所に対し、便利なコンビニが近年増えたことから、歯科診療所数にコンビニ数が接近しつつある、というのが正しい表現です。
 
 近くに多くある存在の代名詞としてコンビニが使用されるのはよくわかりますが、歯科医院も以前から人々の生活に欠かせない存在であったと考えることができます。
 
 実際の歯科診療所数は、厚生労働省の調査結果から知ることができます
 
 令和4年(2022年)10月の医療施設動態調査の結果を見ると、歯科診療所の施設数は67,755施設となっています。同じ調査にて、病院が8,156施設、一般診療所が105,182施設とあります。医科の一般診療所とくらべてみると、歯科診療所の数としてはそれなりにあるともいえます。
 
 同様に厚生労働省の調査結果にて、歯科医師数も確認することができます。
 
 令和4年12月31日現在の全国の歯科医師数は、105,267人となっています。 ちなみに、男性が77,854人、女性が27,413人です。
 
 医療施設に従事する歯科医師の人口分布では60-69歳のカテゴリーがいちばん多く、約24,000人となっています。続いて50-59歳が約22,000人、40-49歳が約20,000人、30-39歳が約17,000人です。
 
 この点はすこしアンバランスといえるでしょうか。今後10年、20年と経過した際、現役の歯科医師数が減少していくことが予想されます。全体としても人口減少に転じていく時代ですが、歯科のニーズをこのままで十分にまかなえるのかは疑問が残るところです。
 
神奈川歯科大学 青山典生

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?