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【ネット歯科大】研修歯科医とは

 どの職業にも初心者はいます。歯科医師も、もちろん同じです。
 
 多くの歯科医師の場合、ライセンスを取ってから1年程度、研修歯科医として過ごします。
 
 研修歯科医は、国家試験に合格し、歯科医師免許を持っています。したがって、歯科医療を行うことができます。ただしそれは資格としてであって、技術的にはさらなる上達が必要です。
 
 大学に在学中の歯科学生は6年間の学修を必要とし、5年生か6年生あたりでは臨床実習に多くの時間を費やします。臨床実習では実際に患者さんの診察や治療を担当しますが、指導医による診療の補助や見学の時間も多く必要となります。
 
 そのため、歯科医師免許を取り、実際に診療ができるようになってから学ぶべきことは多くあります。研修歯科医として、臨床の現場で研修をすることで特に技能を向上させるシステムとなっているわけです。
 
 研修歯科医は、大学病院など大きな歯科医療施設はもちろんのこと、一般の歯科診療所で研修することもあります。医療施設として研修歯科医を受け入れられる資格や指導歯科医の資格などさまざまな決まりがあり、その基準の下で研修歯科医は活動します。
 
 ちなみに指導歯科医の要件としても、臨床経験年数や学会での認定資格の保有、講習会の受講など、いろいろな基準があります。この基準をクリアした歯科医師が、研修歯科医を指導しています。
 
 さて、研修歯科医による診療では、時間がかかるという側面はたしかにあります。本人がまだ歯科医療行為に不慣れであることに加えて、ポイントごとに指導医の確認を要することもあり、どうしてもある程度の時間は要します。
 
 一方で、研修歯科医は最新の知識に基づいた、確実な診療を行っているということも事実です。
 
 直近まで学生であったことから、最先端の知識を学んできたばかりの歯科医師であることは間違いありません。指導医の細かな確認も含めて、診療行為の確実性は高いといえます。
 
 歯科医療も日々新しくなっており、各学会などからガイドラインが次々に発行されます。これらの新しい知識を常に吸収し続けることは歯科医師の責務なのですが、研修歯科医は歯科のあらゆるジャンルにおいて最先端の知識を習ったばかりの人たちといえます。
 
 研修歯科医は、歯科医師としてはビギナーではありますが、次代の人材を育成していくという点でなくてはならないものです。患者さんとして関わることになった場合には、あたたかい目で見守っていただけると幸いです。
 
神奈川歯科大学 青山典生

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