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【ネット歯科大】年齢ごとの平均的な歯の数

 8020(はちまるにいまる)運動の効果もあり、現在では多くの歯をもつ高齢の方が増えてきました。平均の残存歯数は、年々増加しているといえます。
 
 そこで今回は、現在における年齢別の平均的な残存歯数についてみていきます。
 
 まず、永久歯は6歳ごろに生え始め、10代にかけて生えそろっていきます。
 
 真ん中から数えて8番目、もっとも奥に生えてくるのがいわゆる親知らずです。親知らずは専門的に第三大臼歯といいますが、「8番」という呼び方もします。
 
 親知らずは、人によって生え方がさまざまであることがひとつの特徴です。きれいに生えているケースもあれば、少しだけ顔を出すような場合や、歯ぐきの中で横向きになって隠れているようなこともあります。
 
 このように親知らずは人によって状況が大きく異なるので、そのひとつ手前の「7番」、第二大臼歯までを通常生えてくる歯としてカウントします。
 
 したがって、上下左右で28本の歯があればそろっていると考えることができます。これがまず基本です。
 
 厚生労働省の令和4年歯科疾患実態調査結果を見ると、歯の状況を知ることができます。
 
 それによると、44歳までの1人平均喪失歯数は0.6本で、ほぼすべての歯がそろっているといえます。そして、45-49歳のカテゴリーから喪失歯数が増加しはじめていきます。
 
 ひとりあたりの平均残存歯数は、50歳で27本、60歳で26本、70歳で22本、80歳で17本となっています。
 
 男女別のデータもあり、女性においてわずかに歯が多い傾向にあります。
 
 なお、80歳で20本以上を持っている人の割合は51.6%ですので、ちょうど半数の人が8020を達成していることになります。
 
 さて、上記のデータからわかることとして、60歳から失う歯の本数が多くなってくるということがあります。
 
 60歳代に歯を失いがちということは、60歳代あるいはその少し前である50歳代における歯のケアが非常に大切ということになります。
 
 残存歯数の数値は年々増加する傾向にありますので、今後の調査結果ではさらに良好な値となることが予想されます。
 
 歯の数は人とくらべるようなものではありませんが、ひとつの参考としてみてください。
 
神奈川歯科大学 青山典生

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