【ネット歯科大】歯科で英語が必要な場面
歯科の領域でも、英語が必要になる場面がいくつかあります。そのため、多くの歯学部入試においても英語の試験が導入されています。今回は、歯科において主にどのような場面で英語を使用するかをみていきます。
まず、いちばんわかりやすいのが、英語を話す患者さんが歯科医院に来院したケースです。
特に近年では国際的な人口流動が活発になっていることを受け、日本語以外を使う患者さんが増えているように感じられます。歯科医院によっては、初診時の質問をまとめた予診票を、英語バージョンで用意しているところもあります。
このような場合、英語での専門的な歯科医学用語だけでなく、一般の方が理解しやすい言葉での意思疎通が求められます。
続いて、国際雑誌の論文を読む際にも英語が必要となります。
基本的に、最新の文献は英語で公開されます。したがって、そのような情報に触れるためには英語の読解が不可欠です。たとえ国内の学会のシンポジウムなどでも英語の文献の図や表が提示されることが多いので、英語の論文について基本的なところは理解できることが求められます。
また、研究発表をする際にも、英語は欠かせません。
国際学会での発表や、国際的な論文発表にあたっては、英語を使用することが求められます。国内学会の発表においても英語でのスライド作成などがルールとして決められていることもあります。これは、英語を利用する多くの人にも情報が届くようにといった観点から定められているものです。
同じように、国内の学会が編集している論文でも、英語を利用しているケースもあります。論文は読者となるターゲットが多い方が情報の広がりは早いので、世界的に公開したい場合はやはり英語の利用が効果的となります。
なお、以前にはわが国の医療現場における外国語としてドイツ語が多用されていた時代もありました。いまでもその名残として、歯科の診療録への記載にドイツ語の表現が使われることもあります。しかし、論文発表や国際学会での共通言語として、現在は英語が主流です。
このように、歯科の領域においても多くのシーンで英語が利用されます。さらに将来的に、ますます英語が必要になる場面が多くなると考えられます。
現在では、インターネットの利用などで翻訳が容易となっています。このため、技術の力を借りることにより、英語の資料へのアプロ―チは明らかに容易になってきました。
歯科で英語が必要な場面は多くあります。英語が得意な歯科医療従事者のニーズは、今後さらに高まっていくのではないでしょうか。
神奈川歯科大学 青山典生