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サイステを観て、千秋楽翌日にメインストーリーが来てしまった新米ドラスタPの雑感


【注意:この文章にはサイステ及びサイスタメインストーリー第2章第4話の内容への言及があります】

0.はじめに

 この文章を書いているのは、3rdライブツアーの円盤をsideMについての知識ゼロのままいくらか見た上で、サイスタのサービス開始日からゲームに触れた、プロデューサー歴一年未満の新米です。サイステの公演は、6月18日のマチネと千秋楽の配信を見せていただきました。

 舞台鑑賞については、特定の劇団や俳優さんにハマった経験はなく、その分わりと広く浅く色々なタイプの舞台を見てきたほうだとは思います。すなわちPとしても演劇ファンとしても非常に中途半端であり、この文章はそういう人間が書いたものあることを先にご承知おきください。また、全体について以外はほぼドラスタのことばっかりです。他キャストさんもとっても良かったのですが、文章にできるほどまだ私の中で掘り下げられていないので……すみません!

1.サイステ全体について

 色々感じたことはありますが、大まかに三つに分けて書いてみたいと思います。まずひとつ目にセットがシンプルなこと、プロジェクションマッピングの使い方がごくあっさりしていたことです。これがよかった。
 
 映像を使えば今どきどんな背景でもできちゃうじゃないですか。でもそれをせず、ユニットカラーをベースとしたパステルカラーの階段のみという余白の多い作りで想像の余地を残してくれたのがよかった。アロービーのライブ帰りに電車の音が、クラファ3人のシーンで夕刻らしい音が入るなど、視覚だけに頼らなくてもちゃんと場面転換がわかるんですよね。話が(特に前半は)テンポよく進むので、これで背景まで作り込んでいたら情報量が多すぎて見ていてしんどかったかもしれない。良いバランスだなと思いました。

 二つ目が、これは山村賢役の三好大貴さんも千秋楽後のインスタライブでおっしゃっていたのですが、ストーリー的にも休憩を挟まないという点でもライブシーンまでシームレスに繋がること、これは個人的に非常に大きかったです。

 唐突に別の話になってすみません。ほぼ引退気味ではあるものの審神者もやっているのですが、刀ミュがnot for me なんです。(お好きな方には本当に申し訳ない……しかもサイステ演出の荒木さんがキャストのお一人なのに)そうなったのにはいくつか理由はありますが、一番の理由がライブパートでした。シリアスめの一部のあとにライブパートが入る意味がわからない、どうしても一部と同一刃物として見られなかった、というのが受け付けられなかった最大の原因でした。

 そんな経緯から、サイステもどうやらライブパートがあるらしいぞ、グッズにペンラがあるぞというのがわかった時、少し身構えてしまいました。また受け止められなかったらどうしようと、若干不安でした。なので、ストーリーの流れとして「そりゃこうなればこのあとライブ以外ありえないっしょ!」という構成にしてくださったことが本当にうれしかった。

 三つ目、シンプルに曲が好きですね!

 ドラスタのSunrise Dreamer、途中でガッとスローになる曲調や、肩を叩いたり手を取ったりの振り付けとか結構ミュージカルっぽい? でも一回聞けば「うん、これはまごうことなきドラスタの曲」となりました。アイコンタクトも沢山で見ていて楽しい。あと、サイスタで雨の日輝SSRをセンターにしたときの

輝「止まない雨はない、だよな」 薫・翼「もちろん」

↑↑↑これが大好きなので、歌詞の中に「止まない雨はない、明けない夜もないんだ」とあって「よしっ」ってなりました。

 それから全体曲のOur Colorful Stage!!! 、サビの中で転調するのがすごい気持ちよくてクセになる。ここばっかり何回も聞いてしまう。それと千秋楽アーカイブだとキャストの皆さんが本当に良い表情されてるんですよね。この曲と、あとはドアラで公演が終わってしまう、その充実感に溢れていて。舞台っていいよねえ、と見ているこっちも幸せになりました。

 ドアラで輝の「せーの!」があったこと、これはうれしかったな! 輝のドアラといえばこれ!みたいなとこあるじゃないですか。このキャストでのドアラ、フルで見たかったです。この幸せな時間をあと少しでも長く体験したかったという意味で。

2.ドラスタの各キャストさんについて

2-1加藤良輔さん(天道輝役)

まずこの輝を見てください。

 加藤さんの輝そのまんまじゃないですか? もうこの時点で優勝してる。表情だけでなく、肩幅はそれなりにあるのに腰から下がスリム、でもちゃんと筋肉があっての細さだというのも輝すぎる。それであのダンスのキレ、輝じゃん。

 サイステ製作発表の配信で登場されたのを見たのが初・加藤さんでした。正直舞台化を聞いたとき、不安のほうが大きかった。でもこの方が輝をやってくださるならこの舞台大丈夫なんじゃないかな? じゃあチケット取ってみようか、と思わせてくれるパワーがありました。

 今回の公演、座長は加藤さんなのでしょうが、sideMという世界は誰かひとりが主役というものではないので他のキャストさんと比べても出番やセリフがすごく多いわけではない。(特に前半はドラスタの出番は比較的少ない)それでも「ああこの人が全体を見渡し、見守り、引っ張ってくれている」と節々で感じられました。

2-2澁木稜さん(桜庭薫役)

 ごく軽く反り腰気味の立ち姿とか、睫毛が前に長いとか、手が骨ばっていて大きめとか、解釈一致すぎる……そしてライブ前最後の練習からはけていく時もう一度手首のイルカ見てましたよね、立ち位置がステージの最奥だったから本当にさりげなく、だけど。あれでダメ押しされましたね。

 改めて考えると薫って舞台で演じるにはなかなかに難しい役じゃないですか? 書き言葉的な理屈っぽいセリフが多く声のみで伝えるのが難しいのに、役柄上輝ほど声を張るわけにはいかない、大きめのアクションもできない、前髪が長くて重いから表情も伝わり辛い。しかし後半の推進力を作り出すのは間違いなく薫なのでしっかり伝えなければストーリーが成立しない。それをやり遂げてくださって感謝しかない。

 あと、私が現地に行った18日マチネは後半のシリアスめなシーンで社長の声が流れるという結構無茶な音響トラブルがあったんですけど、トラブル発生から舞台を元の流れに戻してくれたのが薫のセリフでした。正直「助かった!」って思いました。

 そしてライブパートで見せてくれた笑顔がむちゃくちゃかわいかった。「え?」って声が漏れるほどかわいかった。これが千秋楽翌日新たな被弾に繋がったのですが、それについては後ほど。

2-3宮田龍平さん(柏木翼役)

  他のドラスタPさんたちもおっしゃっていたことですが、立って話すときに手を体の前で重ねるしぐさがとてもよかったですよね。ゲーム内立ち絵ではこの「手を前で重ねる」というのは見かけないのにとても翼らしく感じられる。これは宮田さんご自身の経験からでてきたしぐさなのかもしれないなと思いました。背の高い人って自分の背の高いことをわりと気にしていること、多くないですか? 大きいだけでどうしても威圧感を与えてしまうのでそう見えないように気を配っていたりして。ほんの一時お茶を習ったことがあるのですが、茶室での振る舞いとして自分を大きく見せない、というのを言われたことがあります。なんだかそれに通じるものがあるなと宮田さんの翼を見ていて思い出しました。

 それから翼の「お兄ちゃん成分」を摂取できたのが何より幸せだった! サイスタでは今のところ他のユニットとの絡みがほとんどないですからね。特に春名と百々人とのシーンは素敵だったな。春名と百々人はそれぞれタイプはまったく違うけど高校生らしく、それに対する翼はちゃんと大人で、しかも品があって。素敵な翼でした。


3.(ここから先は完全に余談、ただの悲鳴なので読まなくて大丈夫です)

 で、サイステ千秋楽の翌日6月27日の15時に実装されたメインストーリー第2章第4話ですよ。

 あらすじにあったのは、男極の一環でドラスタがちょっと気の強い一般人おじいさんをプロデュースする、というちょっと面白そうな文面。そこからあんなストーリーがぶっこまれると思いますか? いや、タイトルが「シング・ア・ソング・フォー」の時点で、公式ツイートの立ち絵で薫だけレッスン着だった時点で幾らか身構えてはいたとはいえ。

 ヒーローになることを一度は諦めかけて、でも諦めなかった人
 姉を救えなかった父とは違う、救える側の人間になりたい人

ーーあれ、二人の目指してるものって実はとても近いのでは? そして、

父と同じ職業を目指して
 同じ職に就くことは叶わなかったけれど今も父に憧れ、尊敬している人
 同じ職に就き、父のことを「父親などという存在」と言い放つ人

ーー何これ。ってなりました、よね? 重いのよ。P歴一年未満が聞いていい内容じゃなかった。あと数年これ噛みしめられるわ。さらに、

「僕の笑顔は、誰かの笑顔を作るんだろうか?」

あなたがたの笑顔で担当になることを決めたPがここにいるんだが???????

 サイスタリリース当初ゲーム内に大してエピソードもなかったドラスタ、なのになぜ自分がドラスタ担当になったのか。それは3rd静岡2日目のARRIVE TO STARでの中スタ三人のあまりに楽しそうな笑顔、あれが決定打でした。それを見た時点でまだキャラクターのことも彼らの関係性もあまり把握できていなかったにもかかわらず、です。

 さっき書いたことといきなり矛盾しますが、声優さんとキャラクターをどの程度重ねていいのか、どういう気持ちで見ればいいのかという戸惑いが実はずっとありました。ライブを見ていてもその辺りの線引きは声優さんによっても微妙に違いがあるし、MCの時と歌唱時とでもまた度合いが変わる。この辺りは結構センシティブなところなのだろうなと声優業界に全く詳しくないけれど常々そう感じています。それだけに、中の人たちがすごく幸せそうに歌っているのがきっかけ、という変な入り方をしてしまったことに、微妙に後ろめたさを感じていました。

 一方舞台版、つまりサイステは、彼らが板の上に立っている間は(千秋楽の挨拶を除けば)100%その役柄として見ることが許される。これは、前述の後ろめたさを感じていた自分にとっては大変ありがたいことでした。サイステのドラスタも、やっぱりものすごく楽しそうに歌っていた。特に薫はストーリー内では基本仏頂面なので、ライブパートでの素敵な笑顔がグサグサ刺さる。これずっと見ていたいな、と思ってたところへの今回のメインストーリー更新が来てしまった。「いや、あなたの笑顔が、あなたがたの笑顔がどれだけ周りの笑顔を作ってると思ってんのよ」ってなりました。そのあたりを彼が受け入れてくれるのはいつなんだろう。とりあえず今は薫が『なんどでも笑おう』歌ってるところを生で見たいです。

(それにしてもいろんな時空をごちゃ混ぜにしてて本当にごめんなさい。パラレルワールドと捉えるべきなのかな。でも受け止めるこちらの身は一つだから……)

 エピソードの最後に70になっても、という話が出てきたことはうれしかったですね。おじいさんのキラキラを見たドラスタが未来のことを話し、ドラスタのステージを見たハイジョがこんな大人になりたいと言ってくれる。こんな幸せな連鎖があっていいのか。ドラスタ三人、一生DRAMATIC STARSでいてくれ。

 本当に、良いストーリーをありがとうございました。エピゼロ前に桜庭父子のの関係をぶち込まれるとは思わなかったけども……

 このタイミングでこんなメインストを出されて、ゲームとしては丁度これを書いている6月29日から「新しいガシャ始めます!とにかく強い!」ってなってるのに、まだ全然そっちに意識を向けられないです。すみません。以上、アホみたいに長い感想でした。

 とりあえず気持ちがしんどいので、ラーメンどんぶりに入って何か楽しそうな三人を見てください。おしまい。


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