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資産所得倍増に騙されてはいけない

岸田首相が掲げている、「資産所得倍増」は想像と全く違う話。騙されてはいけない。

口座数と買付金額倍増

「資産運用立国」とは、2022年5月に岸田文雄首相が外遊先のロンドンで突然表明した「資産所得倍増プラン」が下敷きだ。政府は同年11月の「新しい資本主義実現会議」で、個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」の普及や、資産運用会社の運用力を高めるための環境整備など「資産所得倍増プラン」を策定。5年間でNISAの総口座数(一般・つみたて)を現在の1700万から3400万へ、買付額は現在の28兆円から56兆円へと倍増させることなどを目標として掲げた。

マネーポストWEB

全く意味がわからない。資産所得とは資産から得られる所得、つまり利益のことだ。NISAの口座数やら買付金額を倍にしたから、倍増とは意味がわからない。NISA以外の口座でもいいわけだし、すでに投資している人の投資金額が増えるのでもいい。

NISA口座と買付金額と資産所得倍増はまったく結びつかない。

倍増というのは政府から見た倍増

倍増と聞くと、投資をすると資産所得が倍になると聞こえるのは私だけだろうか?もちろんそんなことはありえない。NISA口座が倍になり、買付金額が倍になったとして、岸田首相は成功というのだろうか?

ここで言っている、倍増というのは、個人の資産所得が倍増するのではなく、政府から見た口座数と買付金額が倍になるということだ。ほんとに全くくだらない言葉遊びだ。

100円が200円でも倍増

資産所得倍増の根底にある心理は、老後不安があるだろう。年金が十分でないから、貯蓄から投資への流れにしようとしている。それはいいとして、倍増というのは表現がよくない。100円の利益が200円になったとしても倍増なのだ。

最近、経済対策5つの柱を示した。どれも数字が入っていないからまったく何がどうなるかわからない。よくよく紐解いてみると、資産所得倍増のように言葉遊びになるだろうと思い、全く期待していない。

興味があるのは金の流れがどこからどこへ向かうのか?それだけだ。日本が良くなるとはこれっぽっちも思っていない。むしろ悪化するまである。

損も倍増かもしれない

これらの刷り込みによりNISAは儲かるというイメージができあがった。銀行や証券会社の対面でもきれいな右肩上がりのグラフを使って、説明するだろう。投資なのになぜか儲かるという前提になっている。

投資だからもちろん、損をすることもある。そうなった場合、資産所得倍増ではなく、資産減少倍増も大いにあるということを忘れてはならない。そしてその責任は、政府も証券会社もとってくれない。

倍増と言ったじゃないか!といっても、岸「えー、資産所得倍増とはいいましたけれども、口座数と買付金額のことです。もちろん投資なのですから、損をすることもあるかと思います。」

こう言い返されるのがオチだ。

資産を持った人だけが対象

いずれにしても、資産所得倍増なのだから、資産を持っていない人は対象外だ。毎月カツカツの生活を送っていて、投資はもとより貯金だって無い世帯が多い。そういう世帯は対象外の政策だ。

あと資産があると言っても、それなりにないと、増税と物価高に利益も吸収されて結局ほとんど増えないということになる。

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