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フランスで今起きている「働かない若者」問題

アメリカ、中国(寝そべり族)につづいて、どうやらフランスでもサイドFIREムーブメントのようだ。

もうお金は大して重要ではない

25歳のエリックは、「近い将来どうなるのかわからないのに、なぜ努力するのだろう。あまり深く考えず、日々を生きる方が楽だ」と話します。お金を稼ぐことは、もう重要なことではない様子。仕事で大切なのは、気軽に帰ることができること、旅に出られること、必要最低限の給料で、時間の融通が利くこと、だといいます。
東洋経済オンライン

余程なにかやりたいことがあって、それがお金がかかるというのであれば、お金を稼ぐ必要がある。しかし、多くの人にとって生活をするだけならばそんなにお金は必要ない。家賃は必要だが、食費も工夫すれば低く抑えられ、娯楽はスマホがあればことたりる。高級車とか高級腕時計とか、過去の遺産だ。そんなのでイキっていると、「背伸びがかっこ悪い」とか「痛いオジサン」になる。私もロレックスを持っているが、いつもつけているのは1,000円のチープカシオだ。ロレックスは10年前に購入し、それから倍以上に値上がりしているので、投資という意味では成功かもしれない。

会社より自分の人生

フランス人の人々はますます、「自分の時間」が人生で最も貴重だと考えるようになっています。それに最初気がつくきっかけとなったのが、コロナ禍のロックダウンやその後のリモートワークでした。この期間、人々は自分の心を整える方法を見出し、愛する人たち、特に子供たちと一緒にいる時間が増える一方、会社との関係が希薄になりました。結果、会社や上司のために犠牲を払おう、という気持ちが薄れていったのです。
東洋経済オンライン

株主と上司は自分の人生を幸せにしてくるためには存在していない。コロナ、物価高騰、そして政府による失われた30年により、給与はあがらず、残る金は少ない。頑張ったとしても、その時間に見合うリターンが得られない。会社に所属していれば安定という時代はとうに終わりを告げている。私は就業規則を破らない程度に、リモートワークで社内ニートに近い仕事をしている。日本の法律では余程のことがない限り、解雇は難しいし、減給も難しい。そういうルールなのだから、そのルール内で最大の効果を求めるのが自然だ。会社で上を目指す時間で副業したほうが、実は稼げるということに皆気づいている。

資本家のために働かないことがカッコイイ

昭和初期であれば、テレビ・車・冷蔵庫などを買うために仕事を頑張るというモチベーションがあった。それらは、いまや学生でも手に入る。なんならテレビなんていらないぐらいだ。車も地方でなければ必要ない。高級ブランドも買う必要がない。なぜならみんな持っていないから。服や装飾品などのアイテムは、他人よりよくみせようとするために身につけるものだ。他人が高級ブランドを身に着けていないのに、自分だけ身につけていたら過剰だ。むしろ悪目立ちするだけだ。威圧感を与えるだけで、なんの得にもならない。そうなると、もう既にほとんどのものは手に入っている。となると、お金は将来の漠然とした不安を取り除くために貯蓄することになる。そして投資、FIREという流れだ。今最もCoolなのは、「バリバリ働いて生きている」ということより「いかに働かないで生きているか」ほうかもしれない。

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