見出し画像

新NISAは誰が投資して、今後どうなるのか

新NISAが始まり3ヶ月目。いろいろな投資家の思惑を考えて今後にいかしてみたい。

貯蓄から投資への動きは限定的

岸田総理が掲げる資産所得倍増プランで、貯蓄から投資へというものがある。日本には1000兆円の預金・現金があるらしい。新NISAでこれが投資に流れれば大きな買い圧力と考えていた。

しかし、私は限定的と考える。なぜならこれだけ株価が好調でもあるにもかかわらず、おそらく1000兆円から移動していないからだ。1000兆円の保有世帯はおそらく60代以降だろう。下手したら70代以降かもしれない。

ニュースを見ていると、60代以降の貯金信者が新NISA口座を開設して、投資を積極的に始めるというのをみない。これが株価が下がっている状態で、投資なんて怖いということなら納得がいく。しかし今、株価は絶好調。素人を投資に巻き込むにはこれ以上ない状態だ。

にもかかわらず、投資をしないというのであれば、これはもういつやるのか?ということになる。上がりすぎているから下がってきたらと考える人も中にはいるだろう。しかしその、下がってきたらで買える人はほとんどいない。言うまでもなく、まだ下がると思って買えないからだ。

となると、きれいな右肩上がりより買いやすい状態は存在せず、現段階で1000兆円が動いていないのであれば、今後も動くことはない。つまり1000兆円の巨大な下支えは期待できない。

20代30代の若者が買い支える

新NISAはおそらく若者のほうが関心が高く、参加率が高い。今でこそ若者が投資するということは、一般的に受けいれられているが、冷静に考えて異常だ。昔は株式投資なんて、ごく一部の金持ちおじさんしかやっていなかったはずだ。

それもそのはずで、若者が目にするメディアに株式投資なんてものは出なかった。TVやドラマのCMに証券会社のCMなんて出ないし、そもそも若者は投資番組なんてみない。

ゲーム・マンガ・ファッション・グルメ・恋愛・・・、どこにも投資なんて言葉は見当たらないのだ。そこへSNS、特にYouTubeによって若者がよく見るメディアでも、勝手に目に入るようなった。

漠然とした老後不安が根底にあるのだから、長期分散積立という理論で納得して始めるようになる。今、新NISAの中心は20代30代のはずだ。そして今後もこのトレンドは続くはずだから、オルカン上位銘柄、S&P500上位銘柄が上がりやすくなるはずだ。

20代30代の生活レベルは下がる

新NISAで20代30代が投資をするということは、今まで使っていた金も向かうはずだ。となると、生活費や遊びに使う金が減る。よって、生活が困窮し生活レベルは下がる。

そもそも投資する余裕すらない人は、ここでは関係ない。ちょっと余裕があったが、その余裕も新NISAに向かうので、なくなるということだ。おそらく新NISA1800万円まで埋めることはできないと思うが、そこを目指すはずだ。枠が埋まるまでずっと今までより苦しい生活を強いられることになる。

新NISAのために困窮する、新NISAへの投資金額を下げると効果が低くなる、かといって昇給はないし税負担は増えるという、非常に苦しい状態になる。これからは新NISAはやって当たり前で、いくら積立ているかが焦点になるだろう。

5年後は鈍化するか

オルカンやS&P500への流入が顕著だ。これは年間上限360万円を一気に埋めた人による影響が大きいと思っている。これはあと5年は続く。ただ、そのあとは枠を使い切った人はもう新NISAでは投資ができない。

余裕資金がある人は特定口座で、オルカンやS&P500を買うかもしれないが、そもそもそういう人は新NISAよりまえに特定口座で買っているだろう。それに非課税を知ってしまったら、あえて新規で課税口座で投資するとも思えない。

なので、5年後はもしかしたら、新NISA効果は鈍化するかもしれない。そのときに残っているのは、上記の20代30代のコツコツ月3~5万円の若者たちだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?