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テーマ:実の父親に会った

私が生まれてすぐ母が離婚しそれ以来
会ったことも見たこともなかった父親に今年の4月に会った。

母自体は年に数回連絡を取り合っていたらしいが
私は頑なに拒んできた。
20歳になった時…正直、会おうかなと思ったが
でもやめた。
私の中の何かが拒んでいた。何かはいまだに分からない。

そんな拒んできたのに今年会ったのは
帰省時の母の一言だった。
「死ぬかもしれんらしい」
最初、聞いたときはぁ?と思った。
いきなりなんだと…。
詳しく話を聞くと体調が悪いから死ぬかもって
病院にも行ってないのに言ってるらしい。

なんじゃそれは…病院いけよ!!って思った。
思うよね?行ってから言ってこいよって!

ま、それはいいんだけど
その時…でも、まじで死んだら会うことはないんだなって思った。
私もいい歳だし、向こうもいい歳。
私も死ぬかもしれないし、向こうも死ぬかもしれない。
それがいつ来てもおかしくはないんだなと思った。
でも、正直言うと…初めて顔を見るのが
お葬式でもいいかなって思ってた。
それかもう一生、会わなくてもいいし
顔も知らないままの方がいいかもしれないって思ってた。

私の中ではパパという存在はいるし
その後に母が再婚した人(それこそ父と呼んでる人)がいるから
今更、自分の実の父親に興味はなかった。
興味はなかったというと語弊があるな。
現実にしたくなかったというのが正しいかもしれない。

そう思っていたので悩んだけど…
妹に説得されて会うことにした。条件付きで。

明日、会えるなら会う。明日、会えないならもう一生会わない。

結局、会えることになって会うことになったんだけど
そうなると人間は気持ちが動くね。
緊張はするし、ちょっとだけ…会えるの嬉しかった。認めたくないけど。

その日の午後7時…某ショッピングモールの駐車場
(何十年ぶりの再会そこかよ)
母と妹を連れて会いました。

車から降りてきたのは初老のほっそりした長身の男性。
この人が私の父親なんだ…そっか。というのが感想。

名前を告げると
「ハグしていいか?」と言われたので丁重にお断りした。
いや、だって恥ずかしいじゃん。無理です。
そこから少しの間…話してたんだけど
あれだね…なんかね、涙がこぼれてきたの。
未だにあの涙は何かわからない。
嬉しい?悲しい?哀れ?惨め?何?
多分、一生わかることはないんだろうな。

時間的には30分くらいかな。
私が話したのは謝らないでほしいと話した。
私を置いて行ってごめんなんて絶対に思われたくなくて。
それは今までがちゃんと幸せに生きてきたから。
たしかに家庭環境はそこそこ複雑で寂しい想いも
たくさんしてきたけどでも幸せだったから
謝られたくなかった。
なんなら置いて行ってくれてこの人生をくれて
ありがとうさえ思う。そう伝えました。

話を終えるとおもむろにプレゼントをもらった。
立派な時計とネックレス。
それは未だに使えていない。

なんだかんだでまだ自分の中で葛藤があるのかな?
会った後に届いたLineもそっけない感じで返してしまったし。
子どもなんだろうなって思う。
強がってるんだなって思う。
会ったとき、抱きしめてなんで置いて行ったんだって
なんで…なんで…!!!!
とか言えばよかったんかな。

いや、無理だな。
そんなこと出来ないししたくない。
それこそ惨めな気持ちになる。

初めて会ってから8か月…連絡はないです。
こちらも取ってません。
そもそも連絡先知らないしね。

でも、そんな関係でいいと思う。

いつか、自分に子どもが出来たら…
また会いたいなと思う。
いつになるかわかんないし
そんな日がくるかもわからんけど。

まだ生きているらしい。
今は…とりあえず生きていてほしいなと思います。
それだけでいいかな。

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