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「ひょうひょう」ができるまで その③

アタシ社の蔵書室で三根夫妻と私の三人での打ち合わせが始まった。
この打ち合わせが始まるしばらく前、三根かよこさんからは
「タイトルを考えて、あとどんな感じの本にしたいか本屋とかを歩いて見ながら考えて参考にしても良いかもしれませんよ。自分の本が並んでいるところとか想像しながらだと考えやすいかもしれません」
とアドバイスをもらっていた。
が、まだ実際のところ単行本の具体的なサイズやページ数、などがこの時点で決定してなかったのでそこはまだぼんやりしたイメージで保留してしばらくの間はタイトルを考えていた。
短編集なので作品全体をなんとなくあらわすような言葉をこの時期ずっとぼんやり考えてメモしていた。
引っかかる単語を書き留めてそれに付随する言葉とかを考えたり組み合わせたりしてた。
道草、寄り道、チューニング、畏怖、ながれもの、当てずっぽう、行きずり、そういった自分がなんか引っかかる単語に気づいたら携帯のメモにどんどん打ち込んでいった。
それと、本棚にある本や画集を片っ端から読んだり眺めたりしてヒントを探したりした。
余談だけど自分の好きな本だけを集めた本棚の中には自分に引っかかりしっくりくるエッセンスがたくさんあるに違いない、と思うので本棚は定期的にみてない本を見返したりすることがよくある。

そんなことしながら色々考えてたら過去に私の漫画のことを評する言葉や感想などで「飄々としたキャラクター」というフレーズが何度か出てきていたことを思い出した。
この「飄々」という言葉、「ひょうひょう」とひらがなにすると何かちょっと不思議な感じもするし内容を一言で表せてるような気がしてとても気に入った。
でも打ち合わせに向けてならば何かほかにもいくつか提案を持っていくべきであと3、4個タイトルの候補を出そうと思ったが「ひょうひょう」が気に入りすぎて他のを考えてもどれも魅力的に見えてこなかった。
しかたないので「ひょうひょう」一個だけで打ち合わせに臨んだ(続く

#エッセイ #ひょうひょうメイキング #漫画

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