マガジンのカバー画像

私が作った読み物

8
簡単な小説などの読み物を追加していきます。 あまり難しい表現は多分しません。(出来ません)
運営しているクリエイター

#連載長編小説

星間探索

2.初めての宇宙  宇宙船の窓から見える私達の星は、この世のものとは思えぬ美しい青を纏っている。  父と兄は、この光景を一度は見たのだろうか。この美しい星を。  予想以上に感傷的になっている自分に気付き、私は笑顔を作る。しっかりしないとね。 「里村、コントロールルームで高木教授が呼んでるみたいだぞ」  後ろから声をかけられて振り向くと、島田さんが立っていた。私ではなく窓を見ている。 「いやー、おのぼりさんの気分ですよ。何もかも初めてで驚いちゃいますね」  私は感傷に浸っ

星間探索

1.旅立ち 「島田さん。宇宙、行きませんか」  職場の後輩である里村が、昼休憩から戻るや否や笑顔で声を掛けてくる。これから業務を開始するとは思えない良い笑顔だ。 「なんか新メニューでもあったのか?俺は火星丼一筋だが。どうせなら昼に行く前に誘えよ」  俺はそう返しながら立ち上がって伸びをする。宇宙か。あそこ量が多いんだよな。久しぶりに行くか。 「定食屋の方の話だと思ってますよね?いきなりだからそう考えるのも仕方ないですけれど。これを見て下さい」  里村はウェアラブル端末か