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それでも伝えたい言葉

僕にはわからないんだ いつも みつけられない 正解も普通も

MyGO!!!!!『詩超絆(うたことば)』作詞:藤原優樹
作曲:横地健太

 上記の歌詞はアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の第10話の曲に使われているものだ。

 バンドリ!BanG Dream!公式のX(旧:Twitter)にてアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』のnoteの感想文を募集しますという呟きを見てから、この作品のファンのため書く内容をここのところ毎日考えている。しかし、ブシロード公式noteを見たところ過去に前例が無いため、どういうものが良いのか賞を取るのかが一切わからない仕様になっている。まさに歌詞通り正解も普通もわからない。

ゆるされるなら ぼくはあきらめたくない

MyGO!!!!!『詩超絆(うたことば)』作詞:藤原優樹
作曲:横地健太

   ここで書くのもどうかと思うが、ファンアートを募集するコンテストはあっても、文章(感想文)を募集するコンテストはアニメの中ではおそらく稀であり、ゆるされるなら ぼくは(受賞すること)をあきらめたくないと思っている。
 何故なら、私は絵で描くよりも文章で書いて伝える方法が得意だと感じるからだ。

僕は一体どうすればいい? 上手く言えなかった言葉 それでも届けたい言葉

MyGO!!!!!『詩超絆(うたことば)』作詞:藤原優樹
作曲:横地健太

 どうしてもこのアニメについて語りたい・伝えたい気持ちがあって文章にして伝えることにする。

 このアニメに下記のようの台詞もあることであるし……。

豊川祥子(とがわさきこ)「上手に歌おうとしなくていいですわ、伝わればいいんですの」

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』第3話より

 このバンドアニメはざっくり言うと「CRYCHIC(クライシック)」という以前結成していたバンドと今結成された「MyGO!!!!!(マイゴー)」の話である。(後々、「Ave Mujica(アヴェムジカ)」というバンドも結成されるが、これ以上説明すると登場人物の関係の話がややこしくなるだけなので今回は省略する。)
 あまりにも登場人物の関係性がわかりづらいため、このアニメで脚本を務めている綾奈ゆにこ先生の相関図を持ち出すことにする。

 <元CRYCHICメンバー>

 豊川祥子とがわさきこ(キーボード)

 若葉睦わかばむつみ(ギター)

 

 長崎そよながさきそよ(ベース) 

 椎名立希しいなたき(ドラム)

  高松燈たかまつともり(ボーカル)

 <MyGO!!!!!メンバー>

 長崎そよながさきそよ(ベース)(※上記CRYCHICと同じため画像省略。)
 椎名立希しいなたき(ドラム)(※上記CRYCHICと同じため画像省略。)
 高松燈たかまつともり(ボーカル)(※上記CRYCHICと同じため画像省略。)
 千早愛音ちはやあのん(ギター)

 要楽奈かなめらーな(リードギター)

 このバンドアニメは第1話から徹底してバンドメンバー同士のdisコミュニケーションを描いているが、それが第10話にて詩(『詩超絆(うたことば)』)を通して通じ合い、理屈は全く通っていないが分かり合えたようになったところが最大の見どころだと思っている。

 disコミュニケーションというのは具体的に言えば、ギターの千早愛音は当初ボーカルをやることしか考えておらず自己中心的であったし、高松燈は自分のせいでCRYCHICが解散したと思い込むし、長崎そよはCRYCHICのためということしか考えていないし、椎名立希は燈を大事に想うあまり燈中心でバンドのことを考えていた。それとは別に豊川祥子と若葉睦は長崎そよと全く本質的な部分(CRYCHICを何故辞めたのか)を話し合うこと無く、豊川祥子は長崎そよを冷たくあしらう。
 第8,9話にてCRYCHIC再結成のことばかり考えていた長崎そよはそのことが周囲にバレ、それをきっかけにバンドは分裂する。だがしかし、第10話にて高松燈、要楽奈がメンバーの一人一人を連れ戻し、一緒に演奏したことで再び結束した。
 
 そして、第12話の詩『迷路日々(メロディー)』にてボーカルの高松燈はこう歌う。

迷っても 一生離れない

MyGO!!!!!『迷路日々』作詞:藤原優樹
作曲:松坂康司

 この「迷っても 一生離れない」という言葉はバンドに対して使われているが、もしかしたら私たちに寄り添ってくれるアニメという意味でもあるのかもしれない。
 このアニメの迷うというのは具体的に言えば、CRYCHICが解散してしまった後に高松燈が新しくバンドを始めようか迷ったり、椎名立希がどうしたら良い作曲が出来るかどうか迷ったり、長崎そよがCRYCHICや今のバンドのことをどうしたらいいか迷ったりしていたことだ。
 このアニメ以外の物語はめでたしめでたしというような感じで終わることもあるが、このアニメはそうでは無い。アニメと違って現実世界はそこまでシンプルでは無いし、分かり合えないことの方が多いのでは無いだろうか。そのため、このアニメにはキャラクターが迷ったり悩んだりする描写が多く、自分の身近にあるものだというリアリティを感じる。

 このアニメを通して思ったことは自分に適切な方法で他者とのコミュニケーションをはかり、コミュニケーションを取ることをどうか諦めないで欲しいということ。それと、たくさん迷ってもいいけれども、前に進むことをどうか諦めないで辞めないで欲しいということだろうか。
 椎名立希は高松燈に対して書かれたSNSの「ボーカル必死すぎ。」の書き込みに対して「こいつ、何もわかってない、ブロックしてやる」と言ったり、豊川祥子はCRYCHICを辞めても付き纏って来る長崎そよのLINE(らしきもの)をブロックしていたりする。
 相手の気持ちを考えて行動しなければと私たちは日々思っていても、それが中々出来なかったり、上手くいかなかったりする。
 たとえば、この「ボーカル必死過ぎ。」には必死過ぎたからダメだと思ったのか良かったと思ったのかが全く書かれておらず、だから勝手にこれをダメだったというニュアンスで受け取るのは判断が早すぎるのではないかと思う。
 そして、長崎そよには相手の背景を考えるという気持ちが足りなかったのでは無いかと思う。何らかの事情があって話せなかったのかもしれないのにしつこくしてしまったということに問題があると感じる。(だがしかし、豊川祥子がCRYCHICを辞めた原因を全く話さないというのも正直どうかと思う。)
 この世で一生懸命お互いに歩み寄り話し合ってもどうしても傷つくことは避けられないし、小さな喧嘩やいざこざ、もっと大きく言えば戦争などは無くならないけれども、それでも精一杯お互いにわかり合おうとする姿勢が大事なのでは無いだろうかと考える。
 話し合ったその結果、分かり合えなかったとしても、その部分を認め合うことが出来れば何かに繋がるかもしれないと思う。

 何か今誰かに伝えたい気持ちや言葉があれば手紙、SNS、電話、詩、絵、写真など形に捉われずに表現して相手に伝えてみてはいかがだろうか。きっと何か伝わると思う。

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