"中絶の議論"を男性への攻撃に利用する左派の女たち
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2022年06月24日、アメリカの連邦最高裁判所は「中絶は憲法で認められた女性の権利」とした49年前の判断(通称:ロー対ウェイド判例)を覆した。
分かりづらいが、これは中絶が違法化したことを意味しない。あくまで、中絶の是非に関しては、連邦政府ではなく各州が判断すべきとしただけである。
平易な言葉で言うと、「中絶をどこまで許可するかは州ごとに決めて良いよ!私たちは各州が中絶の規制を厳しくしても文句は言わないよ!」と最高裁は言っているのである。
故に、今後もレッドステート(≒保守派が多い州)はいざしらず、ブルーステート(≒リベラル派が多い州)は中絶を規制する事は無いだろう。
むしろ今まで以上に自由化するかもしれない(ちなみに、ニューヨーク州は2019年に規制を緩和している)。
中絶規制は男性の女性に対する抑圧か?
今回の様に中絶規制の話が出ると、しばしば男性が非難される。
フェミニストやリベラリストなど、左派にとって、中絶を禁止する行為は、男性の女性に対する抑圧だと言うのだ。
しかし、これは悪質なミサンドリー(男性憎悪)だ。
男性達の意見は、女性と変わらない。
男女共に過半数が中絶を支持している
「男性達が女性から中絶の権利を奪っている」というのは、"中絶の権利"というセンシティブな議論を利用した"男叩き"だ。
アメリカでは、中絶に対する意見は男女でほとんど変わらない事が分かっている。
中絶に対する意見について、米国のシンクタンクであるピュー研究所(Pew Research Center)の調査を紹介する。
左が女性、右が男性。
濃い青が「中絶は全て(or ほとんど)のケースで合法であるべき」、薄い青が「中絶は全て(or ほとんど)のケースで違法であるべき」となっている。
見ての通り、男女でほとんど意見に差が無い。ともに過半数が中絶を支持している。
具体的な賛成の割合は以下の通りだ。
中絶は例外なく全てのケースで合法であるべき
女性:21%、男性:17%
中絶はほとんどのケースで合法であるべき
女性:42%、男性:41%
中絶はほとんどのケースで違法であるべき
女性:26%、男性:33%
中絶は例外なく全てのケースで違法であるべき
女性:9%、男性:8%
ピュー研究所によるこの調査は、無作為に選ばれた米国の成人10,441人を対象にしており、調査として信憑性は高いといえるだろう。
他にも「妊娠が女性の健康や命に影響がある場合」や「レイプによって妊娠した場合」の意見、中絶の是非に妊娠期間が影響するか?といった質問が用意されているが、いずれも男女で大きな差はない。
むしろ、条件によっては、(わずかだが)男性の方が中絶は合法であるべきと答えている。
妊娠が女性の健康や命に脅威がある場合、中絶は合法であるべき
女性:71%、男性:74%
レイプにより妊娠した場合、中絶は合法であるべき
女性:68%、男性:70%
出典:On Abortion, Few Americans Take an Absolutist View
以上の事から、米国では"中絶の権利"に対する意見は男女で差が(ほとんど)無いと分かる。
中絶の議論が不当な"男叩き"に利用されている
だが、男女で傾向や割合が違うならまだしも、上で解説した通り中絶に関しては男女でほとんど同じ意見を持っている。
それにも関わらず、フェミニストやリベラリスト、およびそれに相当する思想を持った人々は男性を攻撃する。
中絶の規制は「男たちが女性の身体を支配し、抑圧した結果」であるかのように主張し、男性達が罪人であるかのように非難しているのだ(なんなら「同じ意見を持つのに声を上げてくれなかった。女性を見殺しにした」として非難する)。
実に酷いミサンドリー(男性憎悪)である。
男性は女性の意見に反対しないどころか、女性と同じ意見を持っていても、左派の女性から非難を受ける。
以前、フェミニストが「弱者男性(笑)は、自分らを苦しめている強者男性ではなく、女叩きで鬱憤を晴らしている」と言っていたが、それは投影だったのだ。
男性と同じ意見と参政権を持っていながら、責任は全て男性に擦り付ける左派の女性たちには、ぜひ参政権を返上して頂きたいものである。
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