麻雀と変態異常性欲

最近友達に麻雀を教えてもらっている。
ずっとやってみたかったのだけど、やってみる機会はなかなか無かった。

今更麻雀を始めることへの気恥ずかしさもあった。麻雀って狭苦し雀荘で悪そうな男たちがタバコをスパスパ吸いながら眉間に皺を寄せて牌をジャラジャラやっているイメージが強くて、そんな姿に憧れていると思われるのが嫌だった。もちろんほんとはそんな荒んだ漢になってみたかったのですが。

誰も僕の麻雀を始めた理由なんて気にするわけないので、ただの自意識過剰なんでけど。こういう自意識はほんと人生を楽しむのに邪魔だ。

そんな自意識過剰な僕に麻雀の神様が微笑んでくれた。
年末にひょんなことから、友達から麻雀のセットを譲ってもえることになったのだ。
ありがとう麻雀の神様。

これで麻雀を始める自然な理由ができた。
「くれるって言うからもらったんだよね」…完璧だ。

この降って沸いたチャンスを逃す手はない。さり気なさを装いつつもすかさず「捨てるなら貰おうかな。まだ新そうだし」と言って麻雀セットを譲り受けた。
心の中でガッツポーズを3回して、麻雀の神様にお祈りを捧げた。庭を3周回って天に召します麻雀神にチンチンをした。きんたま袋の底面にちょっびっと砂がついた。

そんなわけで、最近は毎週末麻雀のできる友達を家に呼んで手解きを受けている。
これがなかなか難しい。覚えなければならない役もたくさんあるし、ルールも複雑。役の一覧表とにらめっこするものの全然覚えられない。麻雀のチー、ポン、カンとかいうが恥ずかしいという病気も患ってしまいなかなか呑み込めない。

ヤケクソだ。麻雀といえばタバコと酒じゃ。雀荘のタバコの煙で曇った雰囲気だけでも味わおう。ただ僕はタバコを吸わないし酒もそこそこしか飲まない。友達Aも同じだ。友達Bは酒豪だがけっして人に飲むよう強要しないダンディ。1人だけいい感じになっている。金もかけてないからとても健康的だ。

これじゃあ定年退職した老人がボケ防止のためにやる健康的なテーブルゲームじゃねぇか。ここは一髪不健康なやつをぶちこんでやらんといかん。僕はそう思って猥談を始めた。
どんなボディが好きかなど修学旅行のような会話から始まり場も次第に温まってくる。へっへっへこれですよ。僕は舐めるように酒を飲むととっておきのネタを出した。

「ところできみたちさぁ。おしっこ飲んだことある?」「僕はね(ぼかぁね)彼女と風呂に入ってさ、市民プールで泳いでた時のゴーグル付けておしっこを飲んだよのよ」「朝取れだから濃かったねー30分くらい後味が残ってさヤバいと思ったよ。チー」


くっくっく流石に飲尿は経験したことないだろ。
下ネタというものは希少なほど破壊力が増す。小学生の頃ミニ四駆のタイヤをチンコに嵌めたら、抜けなくなって鬱血しそうになったとか。

とにかく僕は一仕事終えた岡っ引きのようにチビっと酒を飲み、2人の反応をうかがった。するとAは「あーあれね、俺もよくする」といった。えっ、飲尿ってそんなに普通なプレーなのか?そんなっそんなー!!!


僕は動揺した。いま目の前に変態がいる。この治安を攪乱する不届き者を捕まえてください。Bに助けを求めるように目をやると、「俺は酒飲んだ後の味が好き」と玄人じみたことをBが言い始めた。
世界は変態が溢れているんだ。仕事帰りに寄るコンビニにいつもいるさわやかなイケメンも彼女と変態してるんだろう。僕は何も信じることができなくなった。
もちろんその後麻雀は一度もやっていない。

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