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学童保育、最大の問題点が分かった

これまでのストーリーはこちらから↓

ログファーム鈴木健太さんとの出会い

2018年だったかな、音楽教室ミューレの割と近くに、学童保育を立ち上げた青年がいるので、会って欲しいと知り合いに紹介されたのが、ログファームの鈴木健太さんでした。

既に学童保育という「子どもと関わる形態」に興味ありありだったわたしは、すぐにアポを取って会いに行きました。そのときの目的は「潰してはいけないよ」ということを伝えにいくためでした。「お客様のためには継続して運営することが大事で、そのためにお金の勉強をしてください」と、老婆心ながら伝えに行きました。自分の失敗を伝え、「こうなってはいけない」という忠告も含めて。

DIYと農業が趣味で、自分でコツコツとリフォームをした室内はとても居心地がよく、また、「食をテーマにしたい」ということで、試作の美味しいパウンドケーキもいただきました。

すごい!普通のアパートが!

その後、SNSなどでずーっと動向を見つめていました。うまくいくといいなーという気持ちと、やはりわたしもやりたい!という気持ちとで。

コロナ禍がどうなるかな〜という2022年の5月、Facebookに「広い農場を借りたので、今後の展開を楽しみにしておいてください」という投稿を見ました。ますます面白くなりそうで、また、さらに近い距離になったので、「いつか何かいっしょにやりましょう」とコメントをしました。

【重要*ログファーム三方原ファーム校オープン予定♪】 🍀2023年から北区三方原町にログファーム新教室が誕生します*。 2022年度春休み、または、2023年度夏休みから、『長期休み学童保育』については三方原ファーム校で行っていきます。...

Posted by 鈴木健太 on Wednesday, May 25, 2022

すると、その日のうちに「いつかと言わず、すぐ会いましょう!」とメッセージをもらいました。フットワークの軽い人は大好きです。

これがすべての始まりでした

何かコラボしましょうということで、定期的に会って話をするようになりました。

学童保育の最大の問題はお金

学童保育が事業としてどうなのか、何しろ「わたしもやりたい」という興味がありますから、実行した人に根掘り葉掘り聞きました。その中でわたしがもっとも大きな課題だと感じたことは、「相当なリスクがある」という点でした。「これは簡単に手を出せる事業じゃないぞ」と思いました。

リスクが大きい最大の原因は、運転資金不足です。

公立の学童保育は、数千円で1ヶ月見てもらえます。「子どもを預かってもらうことが支出」と考えている方にとっては、それでも「いさせるだけなのに高い」と思うかもしれません。

わたしは健太さんの話を聞きながら、「いさせるだけ」がどんなに大変なことか、国も世間もまったく理解をしていないと感じました。

「いさせる」とはどういうことでしょうか。それは「命を安全に預かる」ということです。

学童指導員さんたちは、みなさんが(もしかしたら)高額の給料を稼いでいる間、ものすごく低い給料で、お子さんの命を預かっています。「たいへんですね、ごくろうさま」では済まない話です。

おそらく、公立の学童保育に通わせている方の中には、「もっとこうしてくれたらいいのに」という不満や要望もあるかと思いますが、「国が学童保育の質に問題意識を感じておらず、最低限しか補助金を出さない」以上、以下のようなことは避けられません。

・どんな人が指導員か期待できない
・教育的な対応は望めない
・個別対応は不可能

当然のことです。この条件と引き換えに「最低限、命をかろうじて預かってもらう」、これが学童の現実だと思います。それ以上の要望は酷です。

わたしが感じた「愛されてない」、そんなの求める方が間違っていたのです。

違う、というご意見もあろうかと思いますが、それはあくまでも「たまたま」の話。わたしは親として、「学童とは、人間として最低限の命の確保をしてもらうだけで精一杯の場所(普通に考えたら、それすら危うい)」と捉えました。

コロナが直撃して心が折れた

そんな中、「農と食をテーマにした学童保育を作るぞ!」と実行した健太さんは素晴らしいです。

金額にはとても苦労した、と言っていました。何しろ「数千円」が相手ですから。そして、民間学童は国から1円の補助金ももらえないんです。

では、健太さんは資金不足をどう解消したのでしょうか。

・高額にする
・ひとりでやる(手伝ってもらうとしたら家族)

です。「高額」と言ったって、わたしから見たら、やっている内容に対して、経営的にはあり得ない金額設定でした。どこの企業でも通らない事業プランでしょう。

5年間の間、それでも志を支えにひとりで運営を続けたのです。

そこに、コロナが直撃しました。

2021年の夏、預かっている子どもが感染して、当時は閉鎖を余儀なくされましたよね。(うちの音楽教室もそうでした)その後、ご自身や家族が感染。結果として、2週間、閉所することになってしまったそうです。

このことで、特に夏休みは朝7時頃から夜まで、ほぼひとりで奮闘してきた健太さんは、「もうこの事業形態は限界かもしれない」と感じたそうです。少なくとも「未来はない」と。

当たり前どころか、ここまでよくやったな、と思いました。同時に、「いつ事故が起きてもおかしくない状況だったんだろうな」と思いました。これは、社会問題として、しっかり取り組まなければならないと思いました。運営者も利用者も、「いつか誰かが死ぬかも」、そのくらい、危機感を感じました。

志を持って起業した青年が限界を感じてしまう。残念ながら、それが学童保育事業の現実です。


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