送迎のない学童保育
浜松市で、「働くお母さんを本気で応援する、子どものサード・プレイス」、夏休みの学童保育を開きます。
「どこで開所するか」、計画の初期段階からずっと課題でした。というのも、ミューレは浜松駅から車で50分という、超悪立地。周りは果樹園やじゃがいも畑が広がる、のどかな郊外です。
「他にはない学童保育を作る。差別化のため、群を抜いた高額にする」ということは決めていたので、利用してくれるターゲット層が周囲に働きに来ているとはとても思えない場所です。
そうすると、「送迎は必須」という条件で計画を進めました。途中、もっと浜松駅に近い場所での開催を検討したこともありました。でも、いろいろ考えた結果、今の建物、今の場所が最も良い、という結論を出したのです。
バスを買ったらいくら?運転手は?
タクシー会社でバスを頼むのは?その場合、どこからどうまわればいい?課題は山積みでした。そして、考えても考えても、一体、どこでどう開所するのが便利なのか、答えは出ませんでした。もしかすると、今の場所に通いやすい方しか来ないかもしれない。だとすると、わざわざ渋滞の中で開所する必要はありません。
それで、苦肉の策として、浜松駅集合、公共バスにスタッフが付き添って来るという、サービスとしてはとても良いとは言えない方法を考えました。そもそも、それだって、どのくらいの方が利用されるのか分かりません。
さて、受け付けが終わり、蓋を開けてみたら、低学年の子4名が浜松駅集合でバスを利用する、ということになりました。ちょうど、バイトの学生が浜松駅にほど近い場所から来ることが分かったので、その子に同乗してもらうことにしました。
そうか・・・。
4人か・・・。
大学生のお兄ちゃんとバスに乗って来るのも、それはそれで楽しいかもな。
そういえば、わたしも北海道に住んでいた頃、30分かけてバスに乗って通学していたな。この辺でもバス通学の子はいなくはないな。
ん?
待てよ?
これは・・・。
わたしの頭に、ひとつのアイデアが浮かびました。夏のミューレラボは「子どもの自立に向けたひと夏の体験」がテーマです。
いや、どうかな。
今のご時世・・・。この考えが受け入れられるのか・・・。
わたしは、夏のミューレラボを、「こちら側はサービスを用意する」「お客様はそれを利用する」という関係性ではなく、せっかくの第一歩なのだから、「大人がみんな、愛情を持って子どもの育ちを見守る仲間として力を合わせたい」と思いました。
そこで、LINEのオープンチャットを開き、利用保護者様とスタッフのみで、ざっくばらんに意見交換ができる場を作りました。
そこでぶっちゃけて聞いてみました。
すると・・・、集まる、集まる!
「いい考えですね!」「楽しそう!」「ぜひそうしましょう!」
利用されない方からも、「いいと思います!」賛同の声が上がりました。それだけではなく、「どうしたら安全に移動ができるか」、親はどう協力できるか、など、とても前向きな提案が続々と寄せられたのです。
まだ始まっていない夏のミューレラボが、子どもにとってとてもいい場になるに違いない。わたしは「なんとかしなきゃ!どうしよう」って思ってたけど、そうか、「こうしたいんだけど、助けてくれる?」って言えば良かったんだ。
ミューレって、これまでもこうして保護者様に支えられたここまで来たんです。その通りにやればよかったんだ。
なんていい場だろう、と思ったひとつのできごとでした。
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