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ボロ負けの試合を観戦するということ 5/23L-F

5月23日メットライフドーム。
3連勝中のライオンズはファイターズ相手にスイープを狙ったものの、3-10の大敗。
先発の平井克典はピリッとせず、リリーフも失点を重ねる。打線はと言えば初対戦のR.アーリンを全く捉えられず。
現地で最後まで見届けたけど、正直ほとんどいいところがない試合だった。

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ライオンズファン…いやライオンズバカとしては残念だけど、プロ野球ではこういうこともある。
どんなに強いチームでも3試合やったら1つは負けるし、大差を付けられても1敗は1敗だ。
勝ち目が薄いとい思えば深追いしすぎないことも長いペナントレースでは大事なこと。

そうなったら現地にいるファンとしては途中で帰ってしまうのも選択肢の一つだと思っている。
何も野球観戦だけが生活じゃない。見ていてイライラするくらいなら帰った方が精神的にもいい。
現地にいるなら、グルメやグッズにシフトしてもいいし、メラドならブルペン観察という手段もある。


そして必ず始まるのが「いいとこ探し」。

言ったらアレだけど、貴重な休日の時間とお金を掛けて野球を見に来ているんだ。「いいとこ」を見付けて自分の判断を正当化する心理が働き始める。
源田の守備は今日も美しい、栗山さんはカッコいい、おかわりさんはかわいい…。若手が打たれたけどストレートはよかった、二軍から上がってきた若手のスイングが鋭い…。

重症なファンは自虐に走ることも多い。
ファンの飲み会で盛り上がるのは「あの酷い試合を最後まで見た」「遠征したら酷い目に遭った」である。
かく言うオレも2018年オープン戦の佐賀で冷たい雨に打たれながらボロ負けした話を何度もしている。

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今日も9回表まではそんなことを考えいたし、試合が終わったらラミレス前監督の言葉を借りて「トゥモアナ(Tomorrow is another day)」なんてツイートしようかと思っていた。
先頭の呉念庭が倒れ、C.スパンジェンバーグがこの日初安打をセンター前へ。「得点圏にランナーがいた1・2打席目で打ってほしかったなあ」と思わないでもないが、1本出るのと出ないのとでは全く違う。

愛斗が2アウト目を喫すると、木村文紀に代わって代打に金子侑司が告げられる。色んな面でプレーに精彩を欠いていることから、オレ含めてスタンドは何となく苦笑い。案の定フォームが走り打ちっぽく期待薄だなあと思っていたけど、8球目をライト前へ運ぶ。大量点差で野手がベースに付いていなかったことから2塁に進んでいたスパンジーが生還。完封負けを免れる。

続く山田遥楓は休養の源田に代わってショートでスタメン出場。既にこの日2出塁と結果を残しているとはいえ、次戦以降のスタメンは確約されていない立場。同じく金子が2塁へ進んだ後、チャンステーマを背にライト戦への2ベースで更に1点。

これでもまだ8点あるしアウトカウントはあと1つ。それでもこの日初めて訪れた「いい場面」にスタンドは大いに盛り上がる。
続く若林楽人は前日こそ3盗塁と大暴れしたが、この日はチャンスで併殺を喫するなど4打数無安打。しかし勢いに乗せられてか4球目のスライダーを上手くすくって、左中間へのタイムリー2ベース。
最後は柘植世那が空振り三振に倒れてしまったが、9回2死から3点を返したことになる。

この3点はスポーツニュースで取り上げられることはないだろうし、そもそも大量点差じゃなかったらファイターズの投手起用も変わっていたから、入らなかった3点だ。

それでも「いいとこ探し」をしながら球場に残っていた酔狂な(?)ライオンズファンに、本当の「いいとこ」を見せてくれたことに感謝したい。
レギュラー固定と言われていたライオンズも、相次ぐ故障者により若手による競争が激化。次の出番を掴むために必死なメンバーで奪ったというのも感慨深い。源田・森が出て山川がスタンドへぶち込むのとまた違う意味がある(もちろんそれでも嬉しいけど)。

終盤の反撃が「次の試合に繋がる」なんてあまり考えていないタチだけど、それでも試合が終わると自分でも不思議なくらスッキリした気分だった。

ボロ負けの試合で球場に残っている方が偉いなんて全く考えていないけど、現地に残っていたファンは「いいとこ」を見れてよかったと思う。

でも結局100点取られても最後まで見ちゃうんだろうなあ…。我ながら貧乏性だ…。

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