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保険証 貰って知るや 我が立場

池に咲く蓮の話

 8月1日から始まる新年度の後期高齢者医療保険証が届いた。医療費の自己負担割合がこれまでの1割から2割に上がっている。昨年10月の法改正によって新たに設けられた負担割合が適用されてしまった。自己負担2割は高いのか低いのか。高血圧の診療を受けている循環器内科では薬代も含めて毎月1,000円を窓口で支払ってきたが、8月からは2,000円になる。年間で見れば12,000円が24,000円だ。過去1年を振り返ると、循環器内科以外にも眼科、泌尿器科、皮膚科にもお世話になったので、医療費の自己負担額はこの数倍になっているはずだ。仮に5倍とすれば、6万円が12万円になる勘定だ。

 一方、保険機構(後期高齢者医療広域連合)が負担している額は、54万円から48万円に減ることになる。個人的には年間6万円の医療費増はズシリとくるが、保険機構側にとっては、負担額が6万円減っても、まだまだなのかもしれない。
 保険機構の財源はどうなっているのだろうか。厚生省の資料によると、後期高齢者が支払う保険料で1割、70歳未満の人が健保や国保に支払った保険料からの充当が4割、公的資金の投入が5割とある。ウーン、病院の窓口で支払っている額に保険料を足して自己負担は2割若しくは3割で、残りは若い人が支払った保険料と税金で賄われているんだ。

 高齢者の医療費の7、8割を若い人に負担してもらっていると分かると、なんとも複雑な気分になる。自分も若い頃には年寄りの医療費を負担してきたのだから、これからは若い人に世話になって良いのだ。いやいや、若い頃に年寄りの医療費の一部を負担していると意識したことはなかったな。今の若い人はどう感じているのだろうか。自分が若かった頃と現在では後期高齢者の数が違うからな。

 安心して病院に行けるのは若い人のお陰と言っても過言ではない。自己負担が2割になったと不満を言うのはやめて、これから1年有効な保険証が貰えたことで良しとしよう。

(2023.07.13)

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