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ハムエッグ 3日見ぬ間に 目玉焼き

 朝食としてよくハムエッグを作るが、スーパーで買ってくるスライスハムが一段と薄くなったように感じる。そのせいか4枚入りのパッケージから1枚取り出そうとして破れることが増えた。イライラもするが、よくぞこんなに薄く切れるものよと感心してしまう。同じく、朝飲むコーヒーでも、ドリップ・バックの内容量がいつのまにか8グラムから7グラムに減っていた。

 年寄りはエネルギー消費量も減っているので、ハムエッグのハムが薄くなるくらい何の問題もない。しかし、食べ盛りの子供や働き盛りの若者はそうはいかない。ハムエッグのハムを1枚から2枚に増やさざるを得なくなり、懐に響くことになりかねない。それにしても最近、価格を据え置いて中身を減らすものも含めて食料品の値上げが相次いでいる。食料品ばかりでなくガソリン価格、電力料金等の価格も軒並み上がっている。

 多くのメディアが盛んに世界的な物価高を取り上げているが、その中でロシアのウクライナ侵攻の穀物、エネネルギー等の価格への影響はこれから本格化すると見通している。50年前に我々は、第一次中東戦争によって原油の価格が3倍に跳ね上がり、急激なインフレに襲われた経験がある。その時日本ではトイレットペーパーの買い付け騒ぎが起こるなど世の中が騒然とした場面があったものの、結果的にはインフレをなんとか克服した。もし今後あのようなインフレが起こったとして、前回同様に上手く対処できるだろうか。

 50年前より大幅に増えている高齢者がどうなるかが心配になる。高齢者の大半は賃金収入がないので所得が増えず、インフレの波に飲み込まれてしまうのか。それとも、年金支給額が物価スライドになっているので、波を乗り越えられるのか。いずれにしても、ハムエッグをハムなしの目玉焼きに変えて凌いでいれば、その内救いの手が差し伸べられるだろう。いやいや、救いの手が届く前にお迎えが来てしまうのではないか。こんな冗談が言えているうちは良いのだが、はてさて。

                               (2022.06.04)

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