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うどん食い 小麦の価格 心配す

 そば、うどん、ラーメン昼は麺類をよく食べる。特に街に出て昼飯時を迎えると、ササと済ませる麺類にすることが多い。讃岐うどんのチェーン店があちこちにできるようになってからは麺類の中でもうどんを選ぶことが増えた。讃岐うどんが一世を風靡しているが、日本には他にも美味しいうどんがある。

 子供時代を過ごした福岡では親と一緒にデパートに行くと決まって博多うどんを食べて帰った。親の転勤で東京に出てきた10歳の頃、初めて食べたうどんの黒くて甘い出汁に驚いた。この時、場所が変われば味も変わることを知った。それ以来長い間、家で母が作ってくれる薄味の博多風うどんしか食べなかった。社会人になって外食が増え、濃い味に舌が慣れると共に東京のうどんも食べられるようになった。

 出張の折に大阪で食べた「美々卯」のうどんスキの出汁の美味しさに魅せられてからは、うどんは大阪が1番と思っていた。しかし、結婚して住んだ東京郊外にあった「四国うどん」と称するうどん屋で食べたうどんで考えが変わった。麺に腰があり歯応えがある。柔らかい博多うどんや大阪うどんとは違い、麺そのものに味がある。それからは、麺は四国、出汁は大阪の組み合わせが理想のうどんと思っている。

 そんなうどん好きにとて讃岐うどんのチェーン店展開は福音である。腰のあるうどんと薄味の出汁の組み合わせは理想型に近い。しかも安価ときている。先週も最寄駅の近くにある「丸亀製麺 大泉学園店」に行ったが、レジで値段を言われてアレと思った。かけうどんに天ぷら2つで620円、同じようなチョイスで前回は500円台だったはずだ。

 うどんの原料である小麦の価格が、ロシアのウクライナ侵攻に円安が重なって急騰しているのだから高くなるのも仕方ないか。ウクライナでの戦争と円安が続くと600円が700円、800円と上がって行くのだろうか。そうなると、外出してもうどん屋に気軽に立ち寄れなくなる。うどん好き老人のささやかな楽しみを奪わないで欲しいのだが。

                               (2002.07.22)

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