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散歩道 イチョウ色付き 安堵する

12月のイチョウ

 今年も散歩道のイチョウが鮮やかに色づいてホッとした。夏の暑さが10月末まで居座っっていたので、今年は紅葉を楽しめないのではないかと心配していた。そんな心配を裏付けるかのように、11月の初めに玄関先の沈丁花が花を付け、庭のセンリョウが12月になっても実をつけないなんてことが起こった。しかし、イチョウは例年より遅れたものの色づいてくれた。

 1、2週間前から家内が、「庭のセンリヨウが実を付けない」と騒ぎ出した。散歩道沿いのお宅の庭を覗いても、センリヨウは実を付けていない。そこで、インターネット上の情報を探ったが、今年が特に異常との情報は見つからなかった。ついでに、沈丁花の方も探ってみたら、「季節外れの沈丁花」と題した11月16日付のブログが見つかった。沈丁花は香りもするし気付かれ易いが、センリョウは注目され難いのだろうか。そうだとすると、気付かないところで異変が色々と起こっているのかもしれない。

 異変は植物界だけでなく動物界でも起きている。12月に入っても熊の被害がニュースになっている。例年であれば冬眠に入る時期になっても、気温が高いので冬眠に入らなくて良いらしく、そのためにいまだに人里に現れるのだという。海での異変の報告も目につく。沖縄で生息するキハダマグロが伊豆半島沖で獲れた、夏が旬のシイラが11月に熱海で水揚げされた等々。このように多くの動植物に夏の猛暑、秋以降の高温が影響しているとすると、人間にも何らかの異変が起こっていておかしくない。

 人間という意味で自分自身を省みると、ここのところ食が細くなり、夜の眠りが浅くなり、怒りっぽくなったような気がする。これらの変化は、あながち加齢のせいばかりでなく、夏の猛暑で体力を消耗した影響からきているのかもしれない。

 人間の異変はこじつけだが、異変続きの中で黄色に輝くイチョウの木を見ると救われた気分になるのは確かだ。来年以降も異常気象が続けば、異変が異変ではなくなり、「紅葉」が冬の季語になるかもしれない。

(2023.12.09)

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