駅からの帰り道、自転車のハンドルを掴まれ倒された
突然降ってくる暴力には
熱を持って挑まなくてはならない
体温がみるみる上がっていく
青い自転車はあっという間に溶け
ぶくぶくと泡を吹き
地面に流れる
私を倒した男は
溶け落ちた自転車に
半身を焼かれながら
立ち尽くす
私はカバンから地球儀を取り出し
男の頭を殴りつける
男は二つに割れる
断面からエメラルドがのびてくる
緑炎の鋭利な光が
塀の上を駆ける猫の背骨を照らす
汗がすっと下着と肌の間を滑り降りる
ああ、
早く帰って風呂に入りたい
#詩 #写真