2 不倫を突き付ける方も怖い


しかし、どう切り出そうか…

自分が出来うる最大限の冷静さを作りながら頭の中で話の切り口を探す。
軽めのノリでいくか
怒鳴り付けるのか
怒鳴り付けてもDVだと言われる可能性もあり不利だし、そもそも怒鳴られる事に対して何の効果も無い様な人だ

妻のiPhoneはリビングの充電器に挿しておいた。

夕飯のラーメンを啜りながら適当に話をしながらふと思い出した。

今週は職場の運動会だからその後打ち上げで遅くなるね。

と言っていたな。

そもそも妻はいつ、どうやって不倫しているのだろう。


我が家の車はカメラが車内にも設置されておりドライブレコーダーとして記録されている。
衝撃が加われば通報が自動的に送られてその時の車内外の映像がメールで来るのだが、怪しい事はなかった。
妻もその機能については知っていたしセキュリティを解除すればそれも通知が来る事は知っている。

という事は車内ではないな

という事は予想が付く。


この時はまだ不倫相手が職場の同僚だとは思いもしなかったのだが…

ちょっと試してみるか。

くらいの気持ちで切り出した。

今週の打ち上げは出ないで。

と。

…何で?


そりゃそうだ。打ち上げの話はもう1ヶ月も前から言われているし、リフレッシュする場面がないと思い快く見送るつもりでいたのは事実だ。

一瞬不意を突かれた雰囲気出てたけど直ぐに立て直してきたぞ…これは本当に今週会う約束をしてるに違いない…勝機!

何でか分かるでしょー?

緊張で若干半笑いになりながら、でも目は見れなかった。


私がこの件に関して悪いと自覚している事は勝手にLINEを開いて全てバックアップを取ってSafariの検索履歴を記録した事くらいである。


要するに、追求する事が怖かったのではなく純粋にビビっていただけですね。




私は悪くないのー!
貴方が悪いのー!
寂しかったから…

等々、不倫が発覚した時のテンプレというのはネタとしては知っていたが全く予想外の返答だった。

あー、見ちゃったか。
しょうがないなー。


えっ。
あー、まぁ認めてくれたのか。
いや、そんなあっさり??

もっとこう…駆け引きとかないのかよ。

どちらかと言うと、私の方が冷静ではなかった。
子供がいる手前、2歳で分からないとはいえ聞かせるのは可哀想だと思いその場は収めた。

LINEを全て抜いた事とパスワードを変えた事を伝え、全部読ませて貰う事の許可も取った。



認めたのではなく、これは開き直りだと感じた。

ラーメンは全て食べた、特に伸び切る事もなく

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