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『スマホ時代の哲学ーー失われた孤独をめぐる冒険』

谷川嘉浩著 『スマホ時代の哲学ーー失われた孤独をめぐる冒険』 (ディスカヴァー・トゥウェティーワン、2022)

この本が面白過ぎて、終始ニヤついてたと思う。

哲学と聞いて、顔をしかめる人
ぜひ、この本を読んでください。
哲学と聞いて、顔を輝かせる人
ぜひ、この本を読んでください。
哲学の海に溺れたくなること、間違いなし。

※3.考えてみた
から、持論展開しているので注意してくだい。


1.この本の特徴

まず、この本は非常に丁寧に書かれている。
「はじめに」と書かれたところで、読書は哲学への助走が可能となる。
なんせ14ページも使って、例を出して分かりやすく哲学のさわりが書かれている。
また、この文章には特徴がある。
谷川先生は本の全体的に、まるで側にいて話しかけるような口調で
書いているのだ。
それでいて、軽々し過ぎないし、押し付けていない。
難しい哲学について、分かりやすく書いてくれている( ^ω^ )

全体は5章立てとなり、各章の終わりに詳細の説明がある。

どの章にも共通しているが、はじめに大きなテーマを出している。
それに次いで、哲学者の言葉の引用とその解説。

大きなテーマ→細分化された丁寧な説明。
すなわち、
そんな大きなテーマ分からないよぅ→あ、そういうことなんだ
→最初に掲げられたテーマ理解٩( 'ω' )و
全ての章で、読者が置いていかれないように、きちんと理解へと
落とし込む説明のされ方には終始圧巻的である(良い意味で)

映画やエヴァのセリフやシーンを例にしているので、
哲学者の引用ばかりでは、いくら細く説明されていても
最後わからなかったらなぁ(´・ω・`)
置いていかれちゃうのやだなぁ…を回避している。
そもそも、哲学とはモヤっとするのも良いことなのだから。

スマホ時代、要は現代社会に生きる我々と哲学。
最近、こういう話が自分の周りで多くて大歓喜\\\\٩( 'ω' )و ////

2.各章で書かれていること(超絶ざっくり)

第1章
ゾンビ映画で、すぐ死にそうな奴いるよね。
そういう姿は、まさしく現代社会の我々なんだ。
っていうのもね…云々
じゃあ、どうしましょうか?

第2章
天才たちの問題解決を踏まえて、考える力を養おうよ。
自分の頭で考えないって?
つまり、どうやって我々は考えれば良いのか。

第3章
常につながっていることにより、失われた<孤独>
孤独と寂しさ、感情の必要性。
「燃えよドラゴンの教え」

第4章
情動的理解はサクッと済むものではない。
TikTokや動画を流し”ながら”、というものではない。
孤独と趣味のつくりかた
エヴァから見てみようか。
モヤモヤと付き合う

第5章
ハイテンションと多忙で退屈を忘れさせようとする社会
コロナ鬱?
関心?(自分の心に従うことなど)

3.考えてみた

ゾンビ映画に出てくる、すぐ死にそうな奴って例えが面白すぎる。
でも、それが自分もそうなんだって思ったら笑っていられない。
うわ、めっちゃフラグじゃん…!!それダメなやつ!!
って思ってることを「お前もだぞ!!」って言われてる。
そりゃー笑っていられない。

誰しも立ち止まる時がある。
過去の記事に何度か書きましたが、私と哲学の出会いは
高校生の時だ。
でも、こんな壮大なことを考えていたわけじゃない。

個人的なことなのですが、4才の時に初めて”死”について考えた。
誰かの葬儀に出たとか、映画の影響だとかではない。

いつかは終わってしまう、終わりの瞬間の連続が今なんだ。
いつか終わってしまう。

4歳で、こんな難しい言葉で考えてはいない。
「いつか終わってしまう」から、今の貴重さと同時に虚しさを覚えた。
これを思ったのは、旅行に連れて行ってもらったとき。
隣の部屋では、大人たちが飲んで楽しそうに話していた。
子どもは寝る時間だと、隣の部屋に寝かされた。
静かな夜だからこそ、隣の部屋から聞こえてくる声が
よく聞こえていた。
楽しい旅行のひととき、4歳。
随分と悲観的な子どもだったかもしれない(・ω・`)
だけど、別にそれはそれで良い。
今考えても過去は変えられないから。

中学生〜 の時期に、ケータイは持っていた。
今のようなSNSはないので形は違っていても、繋がりは常にあったと思う。

何にひかれたのか、最初の記憶は思い出せないけれど本当に高校生の時は、
分からないなりに哲学書を読み耽っては救われていた。
立ち止まったり、あらゆることを考える時間が欲しかったんだと思う。
受験、将来、日々多忙な生活を強いられ、就職氷河期。
SPI試験は、学生で勉強生活していたから、その延長でいけるとして。

就職難にぶつかるまでは、ひたすら目上に気を遣い(内申点稼ぎ)
”自分”なんかないわけですよ。
個性があっても「出る杭は打たれる」ので、疎ましがられるだけだから。
それでも大学の終わり頃には、自己PRしろと言われ。
自分の良いところなんて、見つからないんです。
面接行く前に、書類審査で落ちることは普通にある。
どうやって自分を売り込めるって言うんだ、まったくー(´・w・`)

せっかく採用されても、会社をすぐに辞めてしまう人も珍しくない。
なかには、悲しい選択をしてしまう状況に追い込まれてしまう方もいる。

「せっかく手に入れたのに、もったいない。」
そういうこと、言わないで。
価値観は、人それぞれだから。
そういう言葉より、寄り添ってあげて。

「君のために言ってるんだよ」
「君のためだから」云々
まだ、こういうことを言う人がいるのはびっくりだ。
こういう方がは、さっさと絶滅危惧種に認定されて欲しい。
きっと、危惧されていない存在だろうけど。
お前の理想の押し付けだろうが。

哲学は、自分と向き合う。
それは、とても勇気のいることであり、暗闇を覗くようなことかもしれない。
それを避けるために忙しくする。
そういう人もいる。

人間は誰しも、フラグ立てまくってるんだ。
もちろん私も。
「ははは」って笑った瞬間、自分が同じように笑われている。
なんともまぁ、ゾッとするじゃありませんか。

もちろんゾッとするだけでは終わらない。
なぜ、そうなったのか。
どうすれば良いのか。
人は、考える。

私は、この現代社会では生きるのも死ぬのも大変だと考えている。
生きることには、経済面、健康面、あらゆることの調整が必要となる。
呼吸が出来なくなりそうだ。
それでも今生きているのだから、次世代に今より良い環境を与えられる一員でありたいと願ってやまない。
絶望ばかりしていたら、その姿を見て時間を重ねていく者には
それを伝えてしまう。
内心の言葉を口にしなくとも、人は見抜く。
見抜くし、見抜かれる。
より良い環境というのも、人によって異なる。

おい、こんなこと言ってたらキリがないぞ!!

ならば、原点回帰しようじゃないか。
そのために考え、行動するんだ。
ダメなら、反対する声は大きく、滅亡するでしょう。
人の人生の場合、やり直しは不可能だ。
それは、時間を戻すことが出来ないから。
それでも失敗した地点から、原因を見つけて修正していくことは可能だ。

無から生み出すことは出来なくとも、現状復帰は可能なはず。
何がいけなかったんだ?

スマホもSNSも、私は否定しない。
ただ、人を忙しくさせて、考えないようにさせる動きに対しては、否定的に見る。
感情さえもなくすようであるのは、あきらかに問題がある。

問題あるの知っとるわー!!原因究明するよか助けてくれよ!!
自身で解決できるなら、とっくにやっとるわ!!
こんな記事を書いていると、そう言われてしまいそう。

根本的なところに、違和感を感じてやまない。
あまり深くは書かないですけど。

いつの間にか、色めがねのようなものを通して物事を見るようになり、
もしかしたら違うかも?そういう思考力さえ奪う。
そうやって、考えちゃいけないのかも。
立ち止まっちゃいけないのかも。

そんなわけねーだろ。
そんなことあってたまるかーーーーーーい!!!!

そういう意味では「おうちで○○」、このような期間は
良い効果をもたらしたこともあると思う。
少なくとも、内向的な私には幸せ期間でもありました。

立ち止まって視点を変えてみたら、
そんなことで傷つく必要なかった(かも)
そんなことで孤独や寂しさを感じる必要なかった(かも)
こんな忙しくしなくて良かった(かも)
その可能性が、なきにしもあらず。

終わらないので考えについては、ここで無理やり終わらせる。

4.まとめ

この本はニーチェの言葉に始まり、アリストテレスやカント、
パスカル、ルソーの言葉まで引用されている。
この本が、容易でないと明らかにされていくだけのようだ。

しかし、著者の谷川先生の隣で話しているような書き方と、
具体例、その説明が読者の理解を助長している。
読んだらきっと、哲学が楽しくなる。
生きやすいヒントにもなる。

マイ脳内ではベストセラーの大ヒット!!!!
でもねー、記事を書いてる途中で電話対応しまして。
最初に思った、色んなことがスパーンと大きく抜け落ちてしまったのです。
まさしく、この本に記載されてる通りです…恥ずかしい限り。

長々とまとまりなく書きましたが、ここまで読んでくれた方、
ありがとうございます。
哲学に興味のある方もない方にも、おすすめの本です。 





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