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『新・四字熟語』

又吉直樹 /田中象雨著 『新・四字熟語』 (幻冬舎 、2015)


この本で紹介されているのは、今まで学んできたような四字熟語ではない。
新しく、こんな四字熟語あったらどうだろう?と非常にクリエイティブな
四字熟語が書かれている。

見開き1ページを使って書かれているものもあれば、
右ページに四字熟語と用例、類義語、対義語などが書かれているものもある。
意味と思われる四字熟語の説明が、短いエッセイのようになっているのも面白い。

読んでいて、この状況めちゃくちゃわかるー!!ってのもあれば、
ただただ笑ってしまうものもある。

又吉先生の言葉選択とセンスに内心、大拍手。

個人的に気に入ったものを、いくつか紹介したい。

憶測致死 おくそくちし
これくらいで大丈夫だろうと適当に推測していたら、全然間違えていて死に到ること。
【用例】
結婚式の二次会なんて、みんな浮かれてんだから下ネタを織り混ぜた替歌でも唄ってりゃ盛り上がるだろうと思っていたら、信じられないくらい客が静まりかえり、新郎新婦もうつむいていて、憶測致死の極みだった。

又吉直樹 /田中象雨著 『新・四字熟語』 (幻冬舎 、2015)、94-95頁。

全力保養 ぜんりょくほよう
保養に全力を尽くし過ぎて、逆に疲れたしまうこと。
【対義語】 無力挑戦
【用例】久々の休みだったので、朝から、エステに行き、そのあとスーパー銭湯に行き、マッサージにも行き、酸素カプセルにも入りました。全力保養というやつでしょうか、めっちゃしんどいです。

同上、110-111頁。

絶命読書 ぜつめいどくしょ
凄まじい本に出会うことがある。心を奪われるなどという表現じゃ追い付けない。自分から抜け出した魂が本に入り、本が脈を打ち始める。自分は本を読みながら一度絶命するのだ。

同上、118-119頁。

副担任顔 ふくたんにんがお
どこからどう見ても、副担任の顔をしている。副担任はなぜか担任よりも優しい印象がある。ただし、直ぐに思い出せない。転じて思い出しにくい顔のこと。

同上、146-147頁。


日常生活の様々なシーンを思い出しながら、思わず笑ってしまう本。

通勤、通学、職場、学校…
あー、あったあった。


こんな素晴らしい本を貸してくれた友人に大感謝。
私は、この本の存在さえ知らなかった。

それにしても又吉先生、面白過ぎる!!
素晴らしい作品が読めて幸せ。

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