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<SPACブーム鎮静化が宇宙銘柄に与える影響について>

<じっちゃまセミナー<要旨>>
<注目する銘柄について、今日、考え方をかなり変えてみようかな?、と思っている。ポイントは3つ>


1番目は、在宅関連リモートワーク銘柄をアップグレード、これらは先行   きが明るいと言う事を、強調したい。
2番目は、宇宙関連銘柄を、アップグレードしたい。
3番目は、新興国株、素材株を、ダウングレードしたい。

<考え方を変えた理由の1番目は、ワクチン接種の進行度の差です>

1 . ワクチン接種に関して、世界の地域差が物凄く大きくなってきている。しかも、ワクチンの製造の過程を見た場合、その格差が今後も絶望的に埋まらない事が明らかになりつつある。
2 . 例えば、アメリカでのワクチン接種は、今週から(4/9現在)年齢制限が撤廃されている。早ければ5月か6月に国民の75%が、少なくとも1回目のワクチン接種を済ます、つまり “集団免疫が成立するだろう” と言う見通しになっている。
3 . 一方で世界を見ると、ヨーロッパはアメリカよりも大きく遅れている。そして新興国とか日本は更に更に遅れている。日本では現在、国民の0.8%しかワクチンを打っていないと言う事です。それは何を意味するかと言うと、“今までどおりのコロナ禍が今後も当分続きます“ と言う事を意味していると思います。
4 . 景気の観点からすれば日本は今までどおり ”ぐずぐずとした展開“ になると思う。あるいは新興国で、海外からの観光客に対する依存度の高い国などは、海外からの観光客は当分戻ってこないと思う。

<ワクチン接種の進行度格差を、投資ストラテジー(戦略)で具体的に、どう生かしていくのか?>

1 . 現時点で、ワクチン接種の進行度が非常に遅れている日本新興国などの国は “永遠に集団免疫が達成出来ない” という事が、ほぼ確実に成っている。これらコロナ禍が解消されない特定の地域、ヨーロッパ、日本、新興国などに対しては、“リモートワーク関連企業が進出していく窓が開かれている” と考えても良いと思う。
2 . 他方、長期金利の上昇で株式市場はギクシャクしていたんだが、ワクチン接種の進行度格差から、“世界景気の同時急回復は有り得ない” と言う事で長期金利安定してきつつ有る。そうするとハイパーグロース株をもう一回買い直す事が出来ると思う。だから、グロースが良いか? バッリュ-が良いか? と言う事を、天秤にかけたらグロースの方が遥かに良いと思う。


<考え方を変えた理由の2番目は、ヘッジファンドの破綻で、“SPACは終焉するんじゃないか?” と言う事です>

1 . 先日、アルケゴス・キャピタル・マネジメントと言うヘッジファンドが破綻しました。それに絡めてSPAC:特別買収目的会社のブームが終焉するんじゃないか? と考えるからです。
2 . アルケゴスの事件では、クレディスイスが大損した訳ですが、“SPAC特別買収目的会社” その分野では、クレディスイスはナンバー1のアンダーライターです。今、クレディスイス(CS)社内では、SPACと言うのはやばいから、もう抑えた方が良いんじゃないか?” と言う議論が出てきていると思います。
3 . SPACのIPOで、クレディスイスと並んで非常にアグレッシブな投資銀行はシティグループ(C)です。シティーも今回クレディスイスに起こった事をみて、“ああ怖いなあ、あんまりリスクを取り過ぎない方が良いんじゃないか?” と言う風に考え始めると思う。これらの事から “今後、SPACによる資金調達は大幅にスローダウンするかも知れない?” と考えるのが妥当でしょう。

<SPACへの資金供給が抑えられた時の影響はどうなるの? SPAC銘柄が見直される>

1 . SPACの資金調達ですが、今後、クレディスイスなどが、“SPACのIPOを少し絞り込めよ“ と言う形で、資金供給を減らせば、すでに今、資金調達が完了して、合併を発表している先行組みは圧倒的に有利になる。
2 . SPAC株に投資することの怖さ、恐ろしさの一つの理由は、毛並みの良い企業も毛並みの悪い企業も、そこら辺の馬の骨のようなポンコツ企業でも、誰でも資金調達できるという事です。折角毛並みの良い企業が、一足先に資金調達をしてビジネスを始めても、後から後から ”どんどん“ 新規参入してくるので、過当競争が激しくなって全部の企業が苦しくなる。でも今後、SPACへの資金供給が減らされれば、すでに資金調達を終えて合併の発表を終えた企業が遥かに有利になる、後続の競争相手が来ないわけですからね、シェア獲得が容易になると言う事です。
3 . だからSPAC銘柄の内で資本集約的なビジネス、例えば、宇宙開発とか、EVとか、そう言った分野でSPAC銘柄がもう一回見直される可能性が有るんじゃないかと思っています。具体的に宇宙関連銘柄で言うと、ロケットラボ(VACQ)スパイア・グローバル、アストラ(HOL)ブラックスカイ(SFTW)などが良くなるんじゃないかと、言う風に考えています。

<景気過熱にブレーキをかける中国政府の動きは、素材株にはマイナス>

一方中国に目を転じると、中国政府はコロナショックから立ち直る為の景気対策を、世界でもいち早く真っ先にやったんだけれども、ここへ来て景気過熱を抑える為に銀行に対して、“新しい与信(信用の提供)は、去年と同じくらいの範囲内にとどめておけ“ と言う指示を出している。これは明らかに素材株にとってマイナスだと思うんですね。

「備考」アンダーライター:引受幹事団のこと。有価証券の発行者や売出人は、資金調達確実達成する為に、発行・売出される有価証券を、広くの投資家に取得してもらうための業務をする証券会社とアンダーライティングの契約をする。売れ残ればアンダーライター自らが当該有価証券を保有することになる。
アンダーライティングとは、証券会社の有価証券引受・売出し業務のこと。
(セミナー時間14:18)

<個人的に気になった質疑>
Q1、今から広瀬さんが推していきたい銘柄は何ですか?(ライブ時間54:47)

A、ロケットラボ(VACQ)
1 . ハイリスクでかまわないので有れば、つまりホームラン狙い、一発当てたいと言うので有れば、この辺かな? SPACでベクター・アクイジョンがスポンサーでIPOした会社、ロケットラボです。
2 . 今、一番多くの人工衛星を打ち上げている会社はスペースXです。スペースXは宇宙関連銘柄で言えばガリバー的な馬鹿でかい存在で、他の銘柄を圧倒しています。そのスペースXが、いよいよ資本市場に出てくる。第1弾としてスペースXの子会社のスターリンクが、早ければ今年IPOになると思う。そしてスターリンクのIPOはホットディールになると思う。
3 . もし、スターリンクのIPOが発表されたら宇宙関連銘柄がバーと買われる局面が来るかも知れない。その時、業務内容的にも、また実績的にもスペースXに次いで2番手にいるのが、このロケットラボ(VACQ)です。なので、この銘柄は、今、買う必要はないかも知れないけれども、皆さんのレーダースクリーンの中に入れておいて損は無いと思うし、非常にしっかりした会社です。
4 . また同じセクターでやっている会社に、アストラ(HOLと言う会社も有ります。ロケットラボよりかは実績は少ないが、ロケットラボのロケットよりも、もっと小さいロケットを開発しています。僕は、宇宙のストーリーで一番ホットになるのは、馬鹿でかいロケットではないと思う。火星に行くようなロケット、あるいは人々を月旅行に連れて行くようなロケット、そう言う大型のロケットは見せる為のショーとしてやっている訳であって、一番マネーメイキング、金儲けという点で一番美味しいのは、トースターくらいの大きさの小型人工衛星、それを地球からの距離で550kmとかの、地球に限りなく近い低軌道に打ち上げる。ちんけな人工衛星、ちんけなロケット、そのビジネスの、ビジネスチャンスが馬鹿でかいと思う。それを狙っているのがアストラなんで、この銘柄にも注目しています。
5 . じゃあ、“人工衛星を使って何をやるの?“ と言えば、スパイア・グロバル(NSH)これも今度SPACで名前がスパイアーに変わるんだけれども、それが一番沢山既存の小型人工衛星を打ち上げ済ですよね、コンステレーションつまり星座みたいに人工衛星をばーっとばら撒いている、そういうのがもうすでに稼動しているのがスパイア・グローバルです。
6 . それとブラックスカイ(SFTW)、この4社が宇宙開発の中で一番毛並みの良い会社です。あとはゴミですね、ゴミ。例えばバージング、ギャラクティック、などの会社はまだ宇宙船すらも完成していない。エンジンがかかった事が一度もないって言う、そう言う会社なんで、僕だったこの銘柄はパスしますね。

Q2、U、AI、DOCU、の中で1つ買い増しするなら、お勧めはどれでしょうか?(ライブ時間1:05:32)

A、1 . 1番安全なのはドキュサイン(DOCU)で、この前の決算発表も非常に良い内容だった。2番目:それよりもハイリスクだけれども、面白い銘柄はユニティ・ソフトウェア(U)だと思う。
2 . シースリー・エーアイ(AI)はひょっとすると、一番アップサイドが大きいかもしれない。この3銘柄の中でね。何故かと言うとAIと言うのは、潜在市場が馬鹿でかい市場なんです。そして、上場銘柄でピュアープレイのAI銘柄と言うのはシースリー・エーアイしかないんです。これが本命銘柄なんです。でもAIと言うのは一般企業が導入すると、先行投資を回収するペイバックリターンが非常に長いんですね。だから、長い年をかけて初めてペイする。そう言うタイプのソフトウェア投資なんです。その関係で営業努力の苦労は並大抵の事ではない。もっと言えば売りあぐねている、と言う事ですよ。それがAIのビジネスで有り、企業向けの大規模なAIのビジネスの難しさだと思う。シースリー・エイアイの経営者は、そう言う事を今までもずーとやってきたベテランが多いから、経営者の資質には全く問題はないと思う。


Q3、iDeCo(イデコ)にVTIをお勧めされていましたけれども、日本ではSP&500の方が注目されています。(ライブ時間1:08:24)


A、それはてめえの都合であって、別にSP&500の方が優れているとは思わない。SP&500500銘柄しか入ってない。VTIは3600銘柄が入っているんだから、どっちが安全か? と言うと、VTIの方が安全に決まっている。分散が効いているからね。
VTI:バンガード・トータル・ストック・マーケットETF

Q4、5000万円をS&P500に投資を考えています。一括投資はリスクが高い為、積立投資を考えています。この場合どの程度のスパンで積み立てるのが良いでしょうか?(ライブ時間1:08:53)

A、1 . 初心者ほどマーケットタイミングを気にするけれども、それよりも分散の方に注意を払ってください。機関投資家たちは “あるポートフォリオにおいて、リターンの決定要因の殆んどはアセットアロケーションである” と言っています。プロの世界ではマーケットタイミングではないんです。“個別銘柄の、これを選んだから勝った、これを選んだから負けた“ と言う事ではなくて、分散投資、すなわちアセットアロケーションが、パフォーマンスの殆どを決めるんですよ。
2 . そして彼方の言っている事は、今、資金全部で買った方が良いか? それとも、ちょろちょろ分散して買った方が良いか?って事でしょう? それは、マーケットタイミングの事を質問している事になるんですよ。
3 . マーケットタイミング重視する事の恐ろしさは、例えば ”個別銘柄の株価が下がった時や、マーケット全体が下がった時には、強い痛みを伴って “ああ、失敗したなあ” って感じる事が出来るけれども、だけど、それよりもっと怖いリスクは何かと言うと、“投資をしないリスクであって、あなたがぐずっている間にマーケットが ずんずん、ずんずん、バイバーイ、って、上がっていっちゃった時のリスクなんですよ。”考え方を間違えず素直に投資していたら得られるべきゲインを、ただ指を咥えて見ているだけで全部逃してしまうリスク“ そっちの方が歴史を紐解いてみれば遥かに大きいんだよ。だから皆さん苦労しているですよ。
4 . 例えば、世界各国で格差問題を言われるけれども、なんで格差がついちゃったの? それは結果として、株とか不動産とかのアセット(資産・財産)を持っていた人が勝ち組になっただけでしょう? だから、例えば今アメリカだとね、僕の息子たちの若者世代は、”マイホームを買いたいけれども高くて買えない、どんどん家の価格が値上がりしている、チャンスを失った“ と言う事で経済活動や富の蓄積に参加できない、と言う大きなリスクを持っているのが現実なんです。
5 . 話を元に戻すと、投資のタイミングを後にずらす事ばっかり考えている人が多いけれども、特に初心者に多いけれども、”負けるのが嫌だから” という理由で、みすみすアップサイドを取り逃している事が多い筈。それは良くないと思う。

「備考」アセットアロケーション:運用する資金を国内外の株や債券などに、どのような割合で投資するのかを決めること。
( At 2021/04/09配信 )

<あとがき>コインベース(COIN)のバブル崩壊したね。IPO初値381ドル、その後429ドルまで上昇したらしいね。偶然、広瀬さんのツイートで ”やっぱり380ドルまで下がってきたね、もう少し冷ました方がいいよ” ってのを見つけたので、BTCにはぜんぜん興味も知識もないけど、IPOのホットディールが壊れる時って、どこまで下がるか試してみたくなった。寝る前に325ドルで1株だけ買いを入れておいて、翌朝見たら326ドルで約定していて、最安値は317ドルまで下がっていたよ。こんな世界に片足突っ込んでいるんだよ、みんな!株って怖いよね、でもやめられない、苦笑いだね・・。
以上


サポート有り難う。個人的に関心の有る事柄しか文書化しません。ランダム発行です。私の資金はポケットマネーの70~80万円なので小額過ぎて、優良大型株には手が出ません。1銘柄で10株くらい持たないと、貧乏臭く気分がしみったれるので、いつも手頃な30~50ドル/株の銘柄に目がいきます。