作り置きへの憧れ
我が家は全員大食漢。
カレーやシチューを作り、余ったらストックするというミッションは未だ果たされていない。
誰からともなく、『今日カレーにして!』とリクエストがかかったり、玉ねぎやじゃが芋が安かった時、豚のバラ肉を沢山買った時、他所の家からカレーの香りがしてきた時。
そんな時はカレーの出番である。
作り方は至ってシンプル。ルーの箱に記載してある作り方・結局これが一番シンプルで美味しい。
ヒラヒラの豚バラ肉・これは絶対欠かせない。
高級店の角切りゴロゴロ牛肉にも憧れるが、カレーには豚バラ。これは先祖代々受け継いだ我が家の伝統なのである。
そして必ずキノコ投入。その時の気分やコスパの良い物からチョイス。
ルーは数種類の甘口をブレンド。
我が家は自分以外辛いのがダメなので、いつも甘口。せめて相方だけでも辛口に付き合って欲しいのだが、『甘口は男のロマン』と、意味不明な座右の銘の持ち主の為、自分の皿の横にはタバスコ・デスソース(めちゃくちゃ辛い香辛料)・山椒・一味唐辛子、と様々な辛味アイテムをお供に添える。
作っている最中から、作らないくせに注文のうるさい長女、とりあえず味見目当ての次女、ロマンを求めて彷徨う相方、入れ替わり立ち代り人の背後に立つ。
特に大学生の長女は大食いで、尚且つ味にうるさいので『もっと肉を入れろ』『隠し味にはココア』『〇〇のルーを入れると更にコクが出る』と、腰に手を当てながらアレコレ指図するので非常にやりづらい。
戦時中の軍の検閲もここまで厳しかったのだろうか・・
そしてカレーと言えば余った分はストック。小分けにして、冷凍保存するというこんな簡単な事が我が家ではエベレスト登山と同じ位ハードルが高いミッションなのである。
巷では食品ロスが問題となっているが、我が家では恐らくこの単語を知る人間は誰も居ないのであろう。
沢山ストックするカレーに憧れを抱きつつ、『おかわり!』の声が毎回楽しみで仕方ない。
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